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3.新スキル

今日もまたゴシゴシとこき使われています。ブラシです。

あれから変わらず元気にしてます。はい。その後の進展は、この体になれたのもあるかほんの数ミリ動けるようになりました!

これだけでも僕にとっては大きな進展です!でもすぐバランス崩して倒れます。その度に船員たちはめんどくさそうにします。

最近はやりすぎて不思議そうな顔していますがね。いや、努力はしたんですけどねー。

そう考えると諦めずに立とうとする赤ちゃんってすげーなーって思うわ。俺も世界のベイビーに見習って頑張りたいところではあるんですが心が折れそうです。

頼れるのはギャル女神しかいないけど、まったく音沙汰なし。泣きそう。涙も目もないけど。


======

スキル 洗浄 獲得。

======


あ?

突如頭の中に文字情報が流れ込んできた。

初スキルだ!!洗浄だって!!すごい普通な名前!!


どういう効果があるんだよこれ。

鑑定っと。


======

洗浄……汚れを綺麗に落とすことが出来る。

======


そのままじゃねえか。

でも洗剤いらずで綺麗にできるなら割とお得か?

いや俺主婦じゃねえし。

試しに使ってみるか。

洗浄!!

んん?なんかブラシの部分から水てきなのでてるような…。

気のせいか?

俺が疑問に思っているとデッキブラシ(俺)を使っていた船員の男が目を丸くした。


「ん?急に汚れの落ちがよくなったような……気のせいか」


その言葉からスキルの効果が本物であることが分かった。

おお!なんか初めて成功したぞ!この世界に転生してから上手くいかないことばっかだったのに!!

この調子でどんどん這い上がっていくぞ!俺をただの掃除用具と思うなよ!!

しかし……俺は調子に乗りすぎてしまった。




一週間ほどが経ち、俺の洗浄力に気づき始めた船員たちが優先的に俺を使うようになって体力……いや生命力(マナ)さえも限界が来ていた。

おまけに船の食堂のおばちゃんたちがその噂を嗅ぎつけ油や生ごみだらけの食堂にもつかわれるようになってしまった。


「よく落ちるわ~これ!うちに一本ほしいくらいだわ」


おばちゃんがご機嫌な声でせっせと掃除をする。

しかもこのばばあときたら、男たちよりもさらに扱いが雑で侵入してきた鼠やら虫やらの退治にも使われてしまう始末。

俺がそういう害獣の類平気だったからよかったものの、まったく嫌悪感がないといえばうそになる。

とほほ…こんなはずじゃなかったんだ。だが……だが唯一!!俺を大事に扱ってくれる人がいる!しかも女性!さらにのばばあではない!!

20代半ばくらいの年齢だろうか。食堂で働くアイラという綺麗な女性がいる。

この人は絵にかいたような女神で、どっかのキャラ崩壊してる実際の女神とは大違いである。

彼女は俺が童貞キモ男と知らずに使ってくれることに罪悪感さえ覚えるくらいだ。


「あら、このブラシ、ちょっと亀裂が入ってるわね。今度アルフレッドに修復頼もうかしら」


そんなこといってくれるの君だけだよ……。


さて、そんな俺の現在の状況はこうである。


==============

名称 なし

種族 デッキブラシ

レア度…E

レベル…3

生命力(マナ)…40%

生命持続時間…1か月

力…1

魔法力…25

防御力…-30

敏捷力…0

進化力…1%


スキル 念話(テレパシー)弱 鑑定(アナライズ)


称号 「壊れかけのデッキブラシ」「魂の込められし道具(ソウルアイテム)

   「童帝」 「クズ」「転生者」


===============


うん。焦りは禁物。そう言いたいところだが。

やべーぞ。このままだとほんとにゲームオーバーむかえるぞ。

そもそも壊れかけが治ったとしてもデッキブラシに未来はあるのか??

デッキブラシってなにに進化すんだよ!無機物から生物にはなれんのか?

疑問に疑問が生まれてどうしよもねえな。いい加減テンプレ通り便利スキルかチートスキル目覚めてくれよ~。


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スキル 賢人の知(マゴイ) を獲得。

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え?……。

唐突だな。お願いしたらほんとに手にしちゃった。

しかもすごそうなのが。

これはなんなんだ?鑑定っと。


===============

賢人達の知(マゴイ)…あらゆる物体や概念を解析し、説明してくれる。

鑑定系スキルの最上位スキル。自動発動スキルでありマナの消費もほとんどない。

尚、すべての事柄を解析し説明できるわけではない。

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きたあああ!!ここにきてチートスキルゲットしちゃったぞ!!

いや…言うほどチートスキルでもないか……説明するだけだもんな。

だが今の俺にとってはすごくありがたい!!

待てよ。じゃあ鑑定いらなくね?


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よって、類似スキルであるスキル、鑑定は自動的に破棄。

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そこは割と親切設計なのね。

ってほんとに自動発動じゃん。疑問に思ったら即答えてくれるじゃん。

si〇iより優秀じゃん。

でもなんで獲得できたんだろ。


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獲得条件……称号「賢者」を所持している必要がある。あるいはその類似称号でもまれに獲得する。

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類似称号……?まさか……。

童貞!!?いや童帝!!

母さん。俺初めて童貞守ってよかったなって思ったよ。

って!余計なお世話だよ!!

まさかこんな形で男としてのプライドをズタズタにされるとは……もう性別ないし生物ですらないけど。

そもそもこの童帝って類似称号なのかよ……たくさん懊悩し研究したであろう本来の賢者さんに物凄く失礼じゃないか。

会ったら絶対殺されそう。


もしかしたら賢者の石とか作れるんかなあ?


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現時点では絶対的に不可能。

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絶対的にって強く否定されちゃったよ。

逆にこう答えたってことは賢者の石があるってことだな。

世界が広がる!世界を旅したい!だがこんな状況だ!!

賢人の知(マゴイ)でどうすればいいか教えてくれ!!

なんなら賢者パワーでこの小さな箱庭から出してくれ!!


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曖昧すぎる質問に答えることは不可能。

賢人の知(マゴイ)は鑑定系スキルであり、攻撃や魔法を発動することは出来ない。

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世の中そんな甘くねえよな。

とりあえずこの船から脱出したいところなんだが。

どうすればこの体自由自在にうごかせんだよ。


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レベリング。

魔法力の向上。

それによる、スキル 魔力駆動の習得。

動かす。

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答えてくれた!

そういえば女神以外とはじめてまともに会話したよ!

めっちゃ機械的だけど!

まあ前世でも10年くらい誰かとまともに会話した事なかったけどな…。

って違う。


レベリングに…

魔法力の向上?

スキル 魔力駆動の習得??


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魔力駆動…作り出した魔力で全身を覆い体を制御するスキル。

効果の増減は魔法力に依存。

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そんなスキルがあるとは!これは習得するしかねえ!

でも一つ気になることが…魔力ってマナから作るんだよな?

マナが減る一方じゃね?しかも道具って自分でマナ取り込めねえし!!

回復手段なくね?詰みやん!


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現時点では進化による回復が最も有効。

===============


進化ねえ…。

その前にくたばる可能性は?


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不明。

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まあ俺次第だしな。

とりあえずスキルゲットするためにレベル上げしよう!

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