表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/27

2.ステータス

ゴシゴシゴシ。

ゴシゴシゴシゴシ。

ゴシゴシゴシゴシゴシ!!!

ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ!!!


痛ってええええよ!!!

丁寧に扱え!!


俺は今日も掃除用具としての務めを果たさせられる。

この船には筋骨隆々の男たちしかいないものだから俺の扱いが雑なのだ。

そりゃそうだよな。だってただの掃除用具だし。レア度Eだし。

掃除用具になって前世の罪穢れを、心の汚れを掃除しろってことか?

にしてもブラシはないだろ……。


ここに転生してから一か月近く立つがあまり進展はなかった。

船員たちの会話からちこの世界のちょっとした情報は入手できた。


どうやらこの船は「レイフェルン」という国からの船で、いつも行き交いしているところは「ヴァルカデア都市国家、通称ヴァルカデア」という国らしい。

俺はその国に強く興味をひかれた。なんでもよくある王制ではなく、完全に独立した冒険者だけの自由な国みたいだ。

統治しているのは冒険者評議会という機関があるらしい。

ファンタジー世界お約束の冒険者があるだけでテンションあがったが、俺人間じゃねえしなぁ。

このまま朽ち果てる可能性だって十二分にあるし。あまり期待しないでおこう。

今は冒険者ブームで成功すれば一攫千金も夢じゃないという話も小耳にはさんだが…俺がきけた情報はここまで。


予想するに冒険者が集めた素材やらをこの船で輸送してるっぽいかんじはするな。

あとはいろんな国らしき名前が会話から飛び交っていたが、あまり有力そうな情報はでてこなかったな。


男が掃除を終えたのか俺を雑に肩にのせた。

ビキッとわずかにヒビが走る。

っておい!丁寧にあつかえっていってるだろ!!って聞こえねえか。

しかしこのステータスのテレパシーって使えんのか?試したが、誰も気づいてくれないしな。

弱ってあるから何回も試すしかないのか?

あれからギャル女神も話しかけてこないし、マジでこんまま生涯終える可能性あるぞ。


しばらくし、ガタンと船がわずがに揺れる音がした。

お。王国に帰ってきたっぽいな。

今は用具入れの隙間から洩れる光の具合からして、夕暮れ時だろうか。

これでまたしばらくこの暗闇で暇してないといけないのか。地味につれえ。

とりあえず念力的な力で動けないか、そういうスキルが発現しないか何回も試してみるしかないな。


うおー!!動け動け!!俺の体あああ!!

……。なにやってんだろ。俺。


てか今ステータスどうなってんのよ。

ステータス見せて。


==============

名称 なし

種族 デッキブラシ

レア度…E

レベル…2

生命力(マナ)…50%

生命持続時間…1か月

力…1

魔法力…20

防御力…-30

敏捷力…0

進化力…0%


スキル 念話(テレパシー)弱 鑑定(アナライズ)


称号 「壊れかけのデッキブラシ」「魂の込められし道具(ソウルアイテム)

   「童帝」 「クズ」「転生者」


===============


あれ、地味にレベル上がってるし!!

なんだ??掃除したからか?毎日念じていたからか?あるいはどっちも。

すごく地道ではあるが、なにも進歩がないわけではなさそうだな。

しかも魔法力が前回より10も上がってるし!!いや待てよ……。


あれ、生命持続時間が三ヶ月だったのに一か月になってるんすけど。

まだあれからそんなたってないはずなのに!!

しかもレベル上がったのに防御力下がってんじゃねえか!

全てはあいつらが雑に扱うからだ!!クソ!なんたら屈辱!!

益々やべえぞ……マジでなんとかしねえと。


うおおおお!!俺の体動け動けええええ!!!

動かねえええ!!!


そういえばギャル女神にステータスの事聞くの忘れてたな。

まあ、だいたいわかるが、進化力とはなんぞや?あと称号って意味あんのかこれ。

馬鹿にされてるとしか思えないんだが。

スキル鑑定(アナライズ)で説明出てきたりすんかな。


試しに…

鑑定(アナライズ


==============

名称…個人の名前。人間以外はなくてもさほど困らない。

種族…多岐にわたり細分化される。

レア度…F~SSSまである。尚、このステータスは道具や武具にのみ表記される。

レベル…個の能力を合算し、おおよそ数値化したもの。

生命力(マナ)…生命としての生きる力。体力。回復には外界のマナを取り込む必要があるが、安静にしていれば勝手にマナが取り込まれ自然回復する。生命力が下がり続ければ生命持続時間も減少する。尚、道具武具類は自分でマナを取り込むことができず徐々に劣化していく。

生命持続時間…生命としての活動限界。寿命。尚、現時点での健康状態から推移されるものであり、常に変化する。

力…筋肉量に依存。

魔法力…マナを魔力に変化させる量、質、速さに比例する。同時にマナの使用の際には体内の生命力(マナ)は減少していく。

防御力…守り、硬さ。

敏捷力…すばやさ。

進化力…進化する可能性を現す。進化力を上げるには一定のレベルが必要。尚、人間とその類似種族には表記されない。


スキル 個の能力。


称号…手にした称号により能力値や獲得スキルなどが変化したり、特異な加護や恩恵を得たりする。


===============


おおお……なんか一気に情報が入ってきたぞ。ない頭がめっちゃ痛い。

まず名称、前世の名前は一応あるがそれはさすがに適応されないのか。というか自分でつけれるのか?

種族、俺の場合種族というよりただの道具名だけどな。

レア度、レベル…ここら辺は転生もの小説で把握済みだ。

生命力(マナ)って俺、今50%だけど道具の場合回復できねえのかよ!!

生命持続時間が急速に下がったのも、この生命力(マナ)ってのが下がったのが原因っぽいな。

そのまた原因はあいつらの雑な扱いだが。

そしてパラメータだが、魔法力ってことは魔法が存在する世界ってことは確定だ。それだけでテンションが爆上げだ。

が、エネルギー源は元から持ってる魔力ではなく、あくまでマナから魔力を作り出しているのか。

つまりマナの消費=生命力、体力の減少……使いすぎるとすぐバてるわけだな。

これはチーム組んで後衛から強攻撃するっていう魔法職お決まりのパターン。今のところ俺一番魔法力が高いのに!ぼっちで人外の俺、どうしよう。

進化力は100%になればかってに進化してくれるかんじなのだろうか。俺がドラゴンに進化する可能性はあるのだろうかとちょっと期待してしまう。ワンチャンあるだろ。うん。

称号はただの飾りじゃなく、それによって獲得スキルが変化したり、加護や恩恵ってのもすごそうだな……。

「童帝」「クズ」……30歳童貞闇魔法使い?いや魔法がデフォで存在する世界だし、まったく想像がつかん。


一通り自分なりにまとめてみたが、習うより慣れろだな。

今は体を自由自在に動かすスキルでもなんでも習得する!そしてこの船からの脱出!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ