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ミルフィアに案内され、後をついて行くこと十数分。集合住宅から離れ、木々が生い茂る場所に家はあった。

もはや家というよりは物置小屋くらいの小さな建物だった。いくら貧乏と言えこんなところに住むのか。まあ屋根があるだけましなのか?

だけど家は今にも崩れそうなほどめっちゃぼろい。ところどころ空いた穴を木板で補填しているようだがかなり杜撰な取り付け方でで雨の日は雨水が入り放題である。

狼のひと吹きで吹っ飛びそうなくらいだ。


「お前んちボロすぎだろ」

「お父さんが病気で……働くのミルしかいなくて……」


働くの?お父さんが病気?


「え?学校とかは?」

「途中まで行ってたんだけど……」


異世界過酷すぎる。よかったー。俺異世界に生まれなくて。

しかしミルフィアがかわいそうだな。いくら病気とはいえこんな幼い娘を普通働かせるか?

俺だったら孤児院かどっかに預けるな。まあ親になるどころか迷惑かけてた俺が言える事ではないが。


「そういえばミルフィアって何歳?」

「8歳」

「ええ…」


8歳で労働だと!?やっぱ神ってクソだわ。この世界の神はあのギャル女神だろ?いつか直談判しに行ってやる。

だが安心しろ。この俺が魔女に育ててその親父まとめて救ってやろう。


俺たちは家の中に入るために入り口の扉を開ける。

ミルフィアがちょっと触るだけでスー…っと開いた。果たしてこれは扉なのか。

セキュリティ皆無だけどこんなところ泥棒も来ないわな。

家に足を踏み入れると、酒のような匂いが充満する。は?酒……?病気って言ってたよな?いや薬の匂いなのか?


「おー、ミルフィア。帰ってきたか。今日はお金は貰ってきたかい」

「うお!?」


扉を開けるとすぐ目の前に頭皮が丸見えの小太りの親父がたっていたので軽くびっくりした。

フラフラとした千鳥足になりながら近寄ってくる。その右手には一升瓶がゆらゆらと揺れている。

あー。あー、そういうことね。こいつ病気じゃない。いや違う意味で病気だろう。


「え、えっと……ごめん。今日はまだ」

「まさか仕事なくなったりしてないよね?」

「ううん!そんなことないの!ミル!お父さんのために頑張るから!!」


完全に騙されてるじゃないか!!この父親クズすぎる!たぶん前世の俺より!

見た目的にちょっと前世の俺に似ているのが腹立つな……同族嫌悪ってやつか。いやいや!俺は生まれ変わったんだ!

たしかに、親から借金返すといい100万もらってそれをパチンコで全部溶かすとかあったけど!倍にして返せば一石二鳥じゃね?

っていう善意からだからね!ってあれ、割と俺ってクズ?言えば言うほどボロがでそうだからやめておこう……。

だけど子供を利用するのはやりすぎだろ!


「そろそろ薬が切れそうなんだ」

「わ、わかってる……」


親父は一升瓶をゆさゆさ揺らし、空であることを主張している。

薬じゃねえだろ。どうみても酒だろ。純粋無垢で何も知らないことをいいことに幼女につけこむとは。

これは成敗する必要があるな。


「ん?ミルフィア……なんか綺麗になった?」

「あ、えっと……その……」


まずい!こういうタイプはDV気質だと相場は決まっている!

ミルフィアを殴ったりするんじゃないか?いつでも防衛態勢に入れるよう俺は魔力を練る。


「……気のせいか」


親父は少し首を傾げたりしたが、それ以上言及することなく、家の中に踵を返した。

こいつが馬鹿なのか。それとも酔いすぎて思考が馬鹿になっているのか。

どちらにしろ怪しまれなくてよかった。


ミルフィアは親父のあとをついて家の中に入り、俺もついて行く。


「おまえ。騙されてるぞ。お前の父親クズ通り越してう〇こだぞ」


親父には聞こえないように、小声で話しかけたら。


「っ!!なんだそんなひどいこと言うの!!!」


突然ミルフィアが俺の方を振り返り、睨みつけながら怒声を放った。

え!めっちゃきれたんだけど!


「ん?どうした?ミルフィア?」

「あ!!えっと!なんでもない!」


これは思ったより洗脳がひどい。まあ仕方ないか。

幼い子供にとって親は世界の全て、世界の支配者だもんな。


「ごめんなさい……」

「いや、おれもう……じゃなくてその、言いすぎた」


どうにか、この父親から洗脳を解きたいな。じゃなきゃ一生ミルフィアはこのクズ親父のために生きていくことになる。

どうやって洗脳を解くか。目に見えるような事実が必要だな。今ここで説得してもさっきの感じからしたら恐らく無駄だろう。

父親を重点的に観察する必要があるな。


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