54 夜の野外ライブ
いや~、勇者の人脈ってかコネは凄いなと改めて認識しました。
こんな広い場所、そして人の通りも多い所にライブ会場設置許可とか、しかも即決で、正直呆れたね
そんなわけで一応の野外ライブステージは完成、俺が17000WクラスのPAシステムを準備する。
音響担当は専門職が居ないので交代でプリセットかなぁ、次回の課題にしよう
(機種は読み飛ばしてくれて大丈夫です)
スピーカーRaiseone RA-1×10 RA-7×2、RA-Sub×8 モニタースピーカーRaiseone RA-15 NEXO PS15R2他 8台
メインパワーアンプPOWERSOFT K3DSP/AESOP×4
モニターパワーアンプ(4CH)M50Q×2他 デジタルミキサーYAMAHA QL5
マイク他 SHURE SM58 RADIAL J48Mk2 COUNTRYMAN TYPE85他 30入力
ワイヤレスマイク ゼンハイザーSKM5200
まぁ、こんなところだ、結構本格的に組んである。
取扱いだが・・・イッセーがSP残ってるとの事で一任した、プロ級とまでは伸ばせなかったようだが取り扱いに問題はないってさ
後で美味い酒でも飲ませてやろう。
照明は仕方が無いからそこそこ明るい奴を一色のみ、点灯もスポットも無い
これも次回の課題だな、裏方の技術スタッフも作らなきゃいかんか、まぁ、レベリングなんだが
そんな感じで一応の準備を終える。後のトラブルは出たとこ勝負で対応するしかない。
俺達はそれぞれどの曲を演っていくかの打ち合わせに入った。
とりあえず各バンド4曲だ
勇者バンドの場合
カズキ :やっぱXだろ!
マサノリ:ルナシーも捨てがたい
イッセー:アニソンがやりたいんだが
「「却下!」」これはカズキとマサノリが音速を超えたツッコミの速さを見せる
カズキ :クレイズとかデランジェは?
マサノリ:いいとこ来るねぇ、ならジルドレイとかレディースルームは?
イッセー:アニメタルがいいかな
カズキ :却下!ってわけでもないんだよな、ペガサスファンタジーでもやるか?俺的にはMALICE MIZERを推したい
イッセー:笑顔に会いたいとかムーンライト伝説とかを希望したい
「「イッセー!お前ブレないな」」
イッセー:百歩譲ってMOON PRIDEでもいい
「「全然譲ってねぇ!」」
「ハルー! ハンティちゃん貸してくれ!」
「なんだよ! やぶからぼうに」
「キーボードが必要だ!」
「ハンティに直接聞いてくれ」
カズキはハンティに相談に行ったらなにやら指を2本出したり3本出したりして交渉してる
まとまったらしい
「ハル、ハンティちゃんがだんだんお前に似てきた・・・残念だ・・・」
どんな交渉だったんだろ?後で聞いてみよう
結局はXからVanishing Love
ルナシーからROSIER
MALICE MIZERから月下の夜想曲
最後にアニソンでクリスタルキングの愛をとりもどせ!!
女の子バンドは
フィリアン:歌うならRoseliaのFIRE BIRDが歌いたいです
アラシャ :俺はギターソロがかっこよければ何でもいいよ
サキ :KOTOKOさんの曲も出しませんか?
エミリア :いいね! I'veサウンド!
フィリアン:ハンティにも入ってもらわないと音が足りないわね
アラシャがハンティを連れてくる
サキ :ハンティもこっちに参加して!
エミリア :やりたい曲にキーボードがどうしても必要なの!
アラシャ :頼むわ
ハンティ :ピコピコひけばいいんだよね!いいよぉ!
エミリア :ハンティもいるから可愛いのも入れようよ
ハンティ :あのチュッチュいってるのがいい
フィリアン:KOTOKOさんとAkiさんの恋愛CHU!だね
アラシャ :最後はビシッと決めようぜ
サキ :サイレントジェラシー演る?
アラシャ :それいいな
RoseliaのFIRE BIRD、KOTOKOのFace of Factとbeing
KOTOKO TO AKIから恋愛CHU!
Xからサイレントジェラシーに決まった
俺の方は
名曲 Salt Peanuts
Straight No Chaser
Beautiful
Autumn Leaves
トランペットは全部パルゥにサックスでアレンジしてもらう
アンコールが来たら全員で、しかもイッセーの気持ちも配慮して
JAM ProjectからSOULTAKER レスキューファイアー 牙狼~SAVIOR IN THE DARK~ サイボーグ009~Nine Cyborg Soldiers~
古本新之輔と林原めぐみの WHAT’S UP GUYS?
俺の一存でこの5曲に決定した、盛り上がるべ?
ハンティは全バンドに参加というきっついスケジュールだが大丈夫か?
キーボードの増員もいるなぁ・・・課題が色々見えてくる。
一度コテージに戻り衣装合わせだ。
面倒だからコスプレ衣装から選ばせる
俺はジャズとラストだけなんでいつものバーテンダーの衣装で行くつもりなんだが・・・
アイドル系の衣装をキャッキャ言いながら選んでる女性陣はほっとくよ・・・巻き込まれたらかなわん
勇者一行はまさにヴィジュアル系!って格好だ
まぁ・・・いいんじゃね?
衣装も楽器も準備が終わった所で軽いリハーサルで音合わせ
そして予告もしてなかったんだが俺達の予定時間で勝手に始める事にする
俺は勇者バンドのベースをする予定だったが屋台の都合でサキに代わってもらう
ちなみに俺とクラリスとマノは屋台でケバブと飲み物を売ってる。
ハンティが勇者に持って行かれたからサキに代わってもらったわけだが
これがまたいい感じに売れていくんだ
やはりハンティの力が欲しかった。
売り上げは従業員に還元する予定だから、ちゃんと宣言もしとく
「これでさらに臨時ボーナスも出せるぞ」ってみんなに言ったら目の色が変わってた
商売人魂に火がついたらしい。
勇者バンドの一曲目が始まった
インディーズ時代のXの曲だなVanishing Love、はじめて聞いた時は俺も衝撃が走ったけど
スタートのドラムが好きだったな。
ただ・・・観客があのノリについて行けてない
トリに持って来るべきだったか?
いや、先にやらせとかないと他のバンドで馬鹿騒ぎするな・・・これで正解か
うちの新人の女の子達が最前列で盛り上がってるが、サクラか?
レベリングで手懐けたんだろうか・・・ありえるな
そんな感じで微妙な空気のまま2曲目のROSIER
おっ! 一般客からも女の子が歓声を上げだした。
微妙に掴み始めたか?ギターソロに入って空気が変わった感じか、いつの間に練習してたんだかカズキがメッチャ上手い
最後のスパートでは総立ちになるほどだった。
気を良くしたカズキは月下の夜想曲に続く
ハンティのキーボードがスタートのそれらしい音を作っている
イッセーが踊りながら歌い始める
引き込まれるような中低音が効いた歌声、イッセーの声質はここじゃね?って思う俺なんだが・・・
不思議で幻想的な曲が夜の砂浜に響き渡る。
前の曲で騒いでた女の子達も静かに聞き入ってる。
確かに月下の夜想曲は騒いで聞く曲じゃないな・・・
いい感じに客を引き込んでラストナンバー!
愛をとりもどせ!!
スタートからいきなり重い音から入る
『YouはShock !! 』
イッセーのシャウトが響き渡る
大好きなアニメソングだけに気合も入る、ノリノリだ!
会場に熱気が籠ってくる
「へぇ、観客を引っ張り込んだか」と呟く俺
観客を曲に持って行かれてお客様もまばらだ、
フィリアン達の準備は出来てるのかな?
丁度お客様の動きも少なく手が空いてきたのでクラリスとマノさんに任せて舞台の方に行く
舞台裏に入ると同時に「カズキ、マサノリ良かったよ!安定したバックだった」
「それからイッセー、お前歌うまいな!グッと来たぞ」と声を掛ける
「サンキュ!」とだけ俺に返して着替えに行った。
「ハンティ、お疲れ様、緊張した?」
「だいじょうぶだったよ、おみせでえんそうしてるから」
自信満々で言うドヤ顔が可愛い、思わず頭をなでなでしたついでに耳もモフっとく
「次も頑張って!」
「うん!」
それだけ言って舞台の方に行く
イッセーが戻るまでPAの微調整だ、フィリアン達も上がってきて各自音を出していく。
「こんなとこかな」ある程度までやっつけていたらイッセーが来たので後は任せる。
フィリアン達の衣装・・・プリ〇ュアかよ・・・イッセーが興奮するぞ
そんな可愛い雰囲気の中、白い特攻服と赤く長いハチマキのアラシャ、アラシャは全くぶれない、いい性格をしている
よく言えば意志が強い、悪く言えば協調性が無い、まぁ、わかってはいるが
そして始まるFIRE BIRDって衣装とのギャップに俺がびっくりだ
しかしフィリアンはいい声してるなぁ~、ハンティのキーボードとフィリアンのボーカルからのスタートで静かなスタートから一転曲は激しく早くなる
フィリアンの声に背筋を撫でられた感覚になる。
低音域から高音まで行けるのか、何オクターブの音域があるんだ?
背筋がゾクっとするような曲と声、観客も聞き入っている
ギターソロもカッコイイな
ツインギターにアレンジしてユニゾンの部分もあるが不快感は無い
全員でコーラスに入るのか、カッコいいな!
あまり触れてこなかったが、サキのベースもスラップ奏法も織り交ぜて力強いグルーヴを作ってる
ツーバスを力強く踏み込むエミリアのドラムも男性ドラマーに劣ってないパワーがある。
ってか全然負けてない!レベリング効果か?
聞きほれてるとあっという間に一曲目が終わってしまう
あぁ。もっとこの曲聞きたかったな、そんな感想だ
立て続けにFace of Factが始まる
流れるようなハンティのキーボードソロ、ゆっくりとベースが乗っかる、上手いアレンジだな
原曲がテクノ系でギター感の強い曲じゃないんだが上手くアレンジして組み込んできてる。
アラシャはこんな事までできるようになったんだなと素直に関心する俺
キーボードソロの部分を丸々ギターソロに変えたのか!大胆だな
うん、メッチャ上手く決まったな、選曲自体パーフェクトだ!
そのままbeingに移る所も上手いなぁ
フィリアンの声質がKOTOKOに近い物があるから安定
しっかしハンティは今日はハードだな、大活躍じゃないか
聞き惚れてると気付くと曲が終わってる。ヤバい、このメンバーレベル高すぎる!
そしてハンティのキーボードソロから始まるSilent Jealousy
ドラムのカウントから始まる音の洪水!
ぶ厚いギターのリフとベースラインが早いドラムの乗っかって曲を作り出していく
そして女性ボーカルの強さでもある超高音域で安定したボーカル
テンポが変わるところも息ピッタリで合わせていく。
そこから再びツーバスによるドラムの踏み込み
ドラムの連打からこれでもかというくらい盛り上げて入るサキのベースソロもカッコよく決まってる
そこからアラシャのギターソロ、そこにフィリアンのギターもユニゾンしていく
しかし、PATAのパートを弾きながらこの曲をこれだけ歌えるフィリアンってホント凄いな
この一曲をこんな速さでドラムを叩き続けるエミリアも笑えないくらい上手くなってる
そしてフィニッシュまで一気に駆け抜けるスピード感
今日のベストバンドはこのチームだなって思ってしまうよ。
大歓声を浴びながら壇上から降りてくるメンバー達
俺はすぐに駆け寄り声を掛ける
「みんな凄く良かった!いや、これ以上は言葉も無いくらいだ」
肩で息をしながらも嬉しそうなみんなに心がほっこりする。
ハンティのキーボードとサキのベースはそのままの設定で大丈夫だからセッティングが終わるまでゆっくり休んでて
俺はハンティにもう一度声を掛けて壇上でセッティングする
ようやく俺の出番だ
地味にミッフィーがギターを覚えたって言った事からこの編成を組んだんだが大丈夫だろうか?
俺が渡したのはエレアコ、Gibson Limited Edition 1950's CF-100
普通のエレキギターよりミッフィーには合ってる気がした
それが丁度いい感じにジャズ向きの音に仕上がってる。
サキのベースと俺のドラム、ハンティのキーボードミッフィーのギターでのジャズセッションだ
おおよその原曲を決めて全員で即興でアレンジしていく演奏法
ジャズセッションでは結構やられてる
「みんな準備はいい?」
「「「おっけーです」」」
みんなハンティに合わせた返事をするんで笑ってしまったじゃないか
「よし!行こう!!」
みんなで出るファイナルを抜きに考えたら俺達がラストバンドだ
気合も入るってもんだ。
前のフィリアン達が凄すぎて気合を入れないと気持ちで負ける(笑)
そんな俺達は一つ頷くと壇上に向かうのだった。




