44 オープン前日 前祝いの赤ワイン
今日はミスルトウも定休日だ。
レベリングの予定もいれてないから完全オフ!ヒャッハーって言いたいとこだが
明日リオープンだというのにそんな余裕は俺には無い。
が街中をぶらつく
1人?いや後ろから隠れて着いてきてるよ・・・ハンティとフィリアンが(笑)
気付かないふりして歩いて行く
目的地はポーションショップ
「ども~、調子はどう?」
軽く声を掛ける
「はい、ローポーションはいい感じに売れてます、増量してもいいかもしれません」
「フェルに言っておくよ、そんで悪いけど店の前を使わせてもらってもいいかな?」
「構いませんが、何をされるんですか?」
「忙しくなかったら聞いて行ってよ」
そう言うと店の出入りに邪魔にならない場所に椅子を一つ取り出しアコースティックギター、 Martin カスタム Century Series with VTS 000-42を出す
ハードケースを開けたまま足元に置き中に数枚のお金を入れておく
そしておもむろに弾き語りを始めた
黙って俺の後をつけてきてる二人に牽制するためだが(笑)
俺は voiceless screaming、2曲目にRaul MidonのState of Mind 3曲目にBen HowardのOnly Loveを弾き歌う
観客も増えてきてギターケースにコインを入れてくれる
Eric ClaptonのTears In Heavenを演りおわったらハンティとフィリアンがちょっと怒った顔で出てくる。
引っかかったな・・・ってか釣れたな。
「おや?二人とも休日に奇遇だね」
勿論わかってて言っている。
「ハル様、その魔石を使わないギター、私も欲しいです。」
「はるさま、ピコピコだせない?」
演る気満々だ・・・
俺は、キーボード単体で音が出るGO:KEYSをチョイスしてハンティに渡す
「ありがと~」と飛び跳ねる・・・可愛いなぁ・・・もう
フィリアンにも俺と同じMartin カスタム Century Series with VTS 000-42を渡す
俺はギタースタンドにMartin カスタムを置くと
「ふむ、アレ使ってみるか・・・」
そう言ってコルスタイン ウッドベースModel #302 7/8 Baker modelをインベントリから出す
椅子に座り直し音の調整
スコアを渡す、アレンジは適当に(笑)
hideの50%50%を全員即興でアレンジする事に
この曲は元々CRISTAL LAKE VERSIONがあるからまぁ、それに近いアレンジをしていく
フィリアンがカウントを取る
軽快なギターのリフで始まる50%50%
3人とも歌いながら弾いていく楽しいセッションだ
ちゃんとギターソロやベースソロ、ピアノソロのタイミングもあったりして楽しいアレンジを披露した。
おかげさまで俺のギターケースは小銭が一杯だ
中に金貨が混じってるように見えるのは気のせいか?
他にも数曲楽しんでストリートライブは終了となった。
「今後とも、こちらサカナバ商会のポーションショップをよろしくお願いいたします。」
って宣伝して締めた。
楽器を片付けながら
「たのしかったね~、さいしょからいってほしかったお」
「ハル様一人だけ見た事無い楽器で楽しい事をするなんて」
非難されまくってる・・・休日に何をしてもいいんじゃないか?
「形がちょっと違うだけで同じギターだよ」
「そうかもしれませんが・・・」
「折角のお休みなのに俺をつけてたのはだ~れかな~」
ニコッと笑う
ハンティのほっぺを引っ張りながらもう一度
「だ~れかなぁ~~~~」
ニッコリ
「ふぁるしゃまらなほほひへふおかひにいなっへ」(ハルさまがなにをしてるのかきになって)
良くできましたって言いたいとこだが
「何言ってるのかわかんないよ、ちゃんと言って」
「らからぁ、はふひゃまらなほほひへふおかひにいなっへ」(だから、ハルさまがなにをしてるのかきになって)
「え?だから何?わかんないよ」
「へほはらひて~」(てをはなして~~~)
この辺で止めとくか、多分次で泣くわ
「ひどいれすぅ」
休みの日に付け回す君らの方がひどくないか?
まぁ、それだけ親密に思ってくれるって事かな?怒る事でもないからいいけど
「それで、ハンティはこの後どうするの?」
「ハルしゃまはなにするんですか?」
「俺は適当にブラブラ気分転換?」
嬉しそうな笑顔で
「わたしとフィリアンねえさんとでーとしましょう」
積極的だな、欲しい物でもあるのか?
「いいよ、どこ行きたい?何が欲しい?」
デリカシーの無い奴だと自分でも思うわ、これは失敗だった、反省はする、後悔はしない!
ハンティはちょっと怒った口調で
「おねだりしたいわけじゃないです、ハルさまはどこいきたいですか?」
「そだなぁ、屋台巡りして帰るつもりだったからどこでもいいっちゃいいんだが」
「じゃぁ、あそこでお茶しましょうよ」
そう言って俺の腕を引っ張っていく
俺は席に座るとメニューを広げ好きなのどうぞってフィリアンとハンティに言う
そして注文するものが決まると店員を呼ぶ
「オレンジジュースとパンケーキをなまクリームで」
「冷たい紅茶とパンケーキにジャムを添えて」
「ベンティバニラクリームフラペチーノノンバニラアドホワイトモカシロップアドヘーゼルナッツシロップ
ウィズチョコレートチップウィズチョコレートソースエクストラホイップブラべミルク」
今回は優しくしといてやったぞ
通じるわけないが、店員も何だこいつって目をして
「お客様?」
「冗談だ、アイスコーヒーとパンケーキを生クリームで」
これがミスルトウだったら普通に出てくるんだろうな・・・
スキルが上がった彼女たちの再現力は半端じゃない!
そして向こうの知識やレシピ本も置いてきた。
まぁ、日本語の勉強してくれって感じだが。それもスキルでカバーしやがった
日本語スキルなんてのが上がってる・・・
まぁ、それはともかく
「ハル様、ハイドアウェイは日中の営業するのですか?」
「いや、しない方向で、夜だけでいいよ」
理由はいくつかある、一つはミスルトウで貴族組のお茶会があったら行かなきゃだからだ
あれは日中にやるからな他にも、日中まで働きたくないって理由もあるんだが。
そんなわけでハイドアウェイは夕方からのBAR営業オンリーにする
「だから出勤も16時でいいよ」
そう言って届いたコーヒーに口をつける俺だった
さぁて、ボチボチ帰るかな俺は会計を済ませて店を出る。
そしてそのままハイドアウェイに帰る道を歩いて行く。
そして厨房に向かう
今日は時間があるから兼ねてより考えていた料理を作ろうかと・・・
準備はしてたんですよ、少しずつやってたんだけど中途半端に作りかけの奴がインベントリに放置気味でしたので
このタイミングで仕上げちゃう事に
クレイジーバッファローの肉を使ったビーフシチューとベヒモスのスペアリブの赤ワイン煮込みです。
スペアリブの方は後半日も煮込めば終わりなんだが、その半日の時間が取れなかった。
ってか作りかけたまま忘れてた
ビーフシチューは俺が食いたくなって作ってたら呼び出されたんで仕方なくインベントリへ
これもそのまま放置してはや数週間・・・
俺ってどんだけ忙しかったんだろ・・・
さて、スペアリブの方だが、べヒモスのスペアリブを赤ワインでマリネして、じっくり煮込むだけって簡単な料理なんだが
漬け込み時間が1週間から10日くらいって感じだ
味が浸透しないんだよ・・・豚だったら2日も漬ければいい線行くのに・・・
オリーブオイルで両面を軽く焼いた後
漬け汁から香草を取り出しホールトマトとコンソメの元
俺は顆粒の方が使いやすいと思ってるが、それを入れて煮込んでいく、
沸騰して煮汁が減ってきたら塩、コショウ、ケチャップ、ウスターソースを入れて味見
バランス調整して赤ワインを注いでいく
マッシュルームとバターを入れてひたすら煮込むってのが作り方だが、
最後の煮込みをする所までは終わってるから鍋を火にかける。
そしてもう一方のクレイジーバッファローのシチューだが、
いたって簡単だ、玉ねぎを炒めて表面を焼いた肉とホールトマトを入れて煮て
デミグラス缶の中身と(缶は煮ない、煮ても焼いても食えん!)
塩、コショウ、ケチャップ、ウスターソースで味を調えてじ~~~~~~っくり煮る
これも最後のじ~~~っくり煮る事が出来なかった為インベントリで寝てた物である
こいつも火にかける
弱火でコトコトしてる間はタイマーをかけて、
ボーっとジュークボックスから流れる曲を聞きながらフィリアン達とお茶をしてる
無性に食いたくなったのでレアチーズケーキを出したらフィリアンの反応が一番良かった。
ハンティはいつものショートケーキの方がお好みらしい。
アイスチャイにする。
ここでハンティ達にスタバの呪文を唱えられても俺は断固として無視するぞ(笑)
俺はこのハイドアウェイの店内の様子が気に入ってる。
出入り口から離れた方向の壁にDARTSLIVE-ZERO BOARDを2メートルくらい離して2枚取り付ける
ダーツの矢も4組用意して
およそ2メートル半
バーカウンターの横からテーブルの無い壁に投げる感じで安全も確保
俺もバーカウンターから狙ってみる
あぁ、こりゃ冒険者には余裕だわ・・・そう思っていたのだが
実は俺の射撃、狙撃スキルが働いてただけだったのを知ったのは後になってからだったが
まぁ、俺達の暇潰しにも使えていいんじゃないか?
そう思っていた。
テーブル席向けにトランプも数組用意する。
これで少ないお客様を長時間縛れるうえ飲み物の売り上げも上がる!
姑息?なんとでも言ってくれ、・・・この程度で姑息なんて甘い甘い
俺は残ってたSPを使ってイカサマスキルを習得済みだ、まだレベル4だけど(笑)
こっそり行くのもまた面倒な事になりそうだったので、マルの日にレベリングに行く事を告げておく
一緒に行きたかったらいいよって感じだ。
そんな時って鼻がいいのかあの男が来るんだよな。
そう勇者カズキ御一行である。
「ほら、こっちだった、俺の勝ちだな」
「ミスルトウでライブだと思ったんだがなぁ」
そう言いながらイッセーが紫の大きな魔石をカズキに投げる
<注>
剣聖の名前は一誠が正しい読みですが、カズキもハルもイッセーって呼んでます
誤字ではありません念の為
「鼻がいいなカズキ、今日は特別メニューだぞ」
特別メニューの言葉に注目が集まる
「クレイジーバッファローのビーフシチューとベヒモスのスペアリブ赤ワイン煮込みだぞ」
「バッファローってこないだのレベリングの奴か!あれって食えるんだな」
「食えるさ、適度に運動もしてる健康な牛だぞ、シャトーブリアンにも匹敵する」
調理次第だが・・・と小声でつぶやく
「ハル、いつだ?」
カズキの唐突な質問
「次のマルの日」
「わかった」
これだけの会話
通じ合ってる所が妙な雰囲気だな・・・決してBLではありません!そこの貴腐人様!メモ取るの辞めて~即売会のネタにしないで~
とまぁ冗談はともかくマルの日にレベリングに連れて行ってもらえることになった。
今回は3人なので、勇者チーム3人がそれぞれについてくれる事になった
イッセーはハンティのパートナーになる事を強く希望、お前にはやらんぞ・・・
マサノリはフィリアンを見てくれる事になった。
まぁ、1週間も先なんだが・・・
俺達はできあがったクレイジーバッファローのビーフシチューとベヒモスのスペアリブ赤ワイン煮込みを心行くまで食べるのだった。
今日のワインはオープンの前祝いだし奮発してオーパスワン 2011年を開けちゃう。
まぁ、オーパスワンの2011年は気温が低く、天候も悪く、難しい年だったって言われてるからなのか2010の物の評価が鬼高い
それでも酸味が強くスパイシーなワインは俺的には肉料理と合わせるには2010よりも都合がいいワインだと思ってる。
こいつをスペアリブやビーフシチューに合わせるのだ、不味いはずがあるまい!
俺もフィリアンも珍しく深酒をしたくらいには美味しかった。
カズキのおかわり要求とこれで今の酒買ってくれって王金貨出すくらいにはみんなはっちゃけてた(笑)
気がついたらベッドで寝てた。隣には・・・フィリアンを抱き枕にしてる自分・・・フィリアンもしっかり抱き着いてた。
なんだ?この状況は、よし、俺はまだ寝てるんだな、そんじゃもう少し寝よう、夢の中で寝れば次起きたら本物だ
まぁ、現実逃避って言うんだがな。
華奢な体躯、女性特有の柔らかさ・・・そりゃ俺のハイパー兵器もおっきしますわ・・・
だが俺は限界を超えて悟りを開いたのだ
我こそが超越者・・・
はい、トイレに抜け出してハッピータイムをエンジョイしてきましたが?
超越しきれてませんね
俺はベッドに戻るとフィリアンの好きに抱きつかせさせたまま二度寝をするのだった
ただ今賢者タイム発動中・・・
さぁ!今日からハイドアウェイ営業開始だ!
<注>この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。




