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42 新人奴隷と旧店舗

バーカウンターで目が覚める


しまった、あのままこっちで寝ちまったのか!


急ぎ風呂場でシャワーを浴び寝汗を流す。


新しい制服に着替え、脱ぎ散らかしたままミスルトウへ


「おはよう~」


時間は間に合ってる!問題は無い!


「ハル様・・・昨日はオタノシミデシタネ」


フィリアンの暗い声、ちと怖いんだが


まさかお姉ちゃんの店にでも行ったと思ってるのか?


「何を勘違いしてるか知らんが前の店で開店準備してただけだぞ」


嬉しそうに驚いた表情のフィリアン


「そうなんですか?って開店ですか?」


「言ったろ、メルクの日は休み貰うって、その日に営業しようかと」


「そうなんですか」


「この店は大きくなりすぎて俺の理想からかけ離れちゃったんだよな、まぁ俺がはっちゃけたのが悪いんだが」


「・・・なるほど」


「だから原点に戻るって意味で向こうを復活させるんだ」


「そうですか」


残念そうなフィリアンの声


「そのうちハンティ辺りにこの店を委任して俺はたまにステージに上がるくらいにしたいなって思ってる。」


「はぁ、そうですか」


イマイチ歯切れが悪いフィリアンだが、俺はピンと閃くものがある


「ミスルトウで優秀なバーテンダーが育ったらフィリアンと二人で向こう行くのもアリだよなぁ」


満面の笑みになるフィリアン、わかりやすい奴め、そこが可愛いんだが


「ハル様、もう2人奴隷を入れませんか?」


「ん?急にどうした?」


「2人入れればハンティも連れて行けますよ」


「すぐに勇者様に2週間預けてバーテンダーの問題はクリアです」


いかんなフィリアンがデジタル思考になってきた(笑)


俺の影響受けまくりで面白いぞ


「資金は出すからカズキに預かってもらえるか聞いてみな」


そう言って今日の仕事に入った。


朝食の段階で深刻な顔でカズキに相談するフィリアンだった。


カズキは力強くうなずくと俺の方を向いてサムズアップする。


なんだろ?深い意味は無いのか?


奴隷の件で話がまとまったんだろう


バーカウンターと厨房の二カ所を新たに来てもらう二人にやってもらう感じだ。


そこに先日のレベリングで料理をとことん上げたミッフィーが加わる。


厨房とバーカウンターはハンティ、ミッフィーと新しく来る奴隷っ子2名で回すことになる


十分じゃね?まぁ、ハンティは連れて行きますが。


面倒なカクテルはできるようになるまで中止にして、サワーやハイボール、チューハイやビールで攻めるお店にすればいい


俺の方は、こっちで作るレシピを書き残しておくこと、これ位だな。


手先が器用で味覚が鋭い人って事で頼んだ奴隷が見つかったらしい。


女性従業員が多いから女性での募集だ。俺だけが例外だが、それ以外で店で面倒な事になるのはゴメン被りたい


早速次の日に迎えに行くと連絡し、社員寮に部屋を用意する。


そろそろ社員寮もいっぱいかな・・・


場合によっては俺の隠れ店舗の裏にもう一軒社員寮が必要になるんじゃないかな?


まぁ、その時はその時でまた考えればいいや・・と思考停止


俺が外に用事を足しに行っても店はちゃんと機能してる、これって凄い事ですわ


さて、そんなわけで寮の準備もできた事だし迎えに行ってきますか。


奴隷商の所に行くと物凄い低姿勢で挨拶される。


まぁ、この短期間でかなりの数買ってるからなぁ、そりゃそうか。


話は通してあったのでそのまますぐに会いに行く。


しっかりした感じの女性、ふくよかな女性だ。茶髪で肩くらいのミディアム、胸は大きい・・・はい、俺にとっては圏外です(笑)肝っ玉かぁちゃんって表現しとく


もう一人は自分がここにいる理由もわかってないような女の子・・・に見えるが、あの耳はエルフじゃね?


ハーフにしては耳が長い


まぁ、その辺りも聞いてみるか。


代金を払いエルフっ子に話しかける


「ごめんね。君達を買った者だけど、お名前と年齢教えてくれるかな?」


「クラリス 87才」


キター!ロリBBA!


「あたしはマノ 18才だよ」


二人に鑑定をかける


クラリス 87才 エルフ スキル 味覚過敏

マノ 18才  肝っ玉かぁちゃん  スキル 料理 酒知識


「逸材だな!よくこんな人材を探してきた」


俺は二人を連れて奴隷商を出る。


ミスルトウに案内しながら向かっていく途中でこれからしてもらう事、同僚も奴隷がほとんどだという事


真面目に働けば正社員雇用や昇給なんかもあるって事


恒例の命令だ


いつもの4つ

「命令は4つ、逃げるな、盗むな、嘘をつくな、俺と客に危害を加えるな・・・だけだ」


自衛はこれから勇者達が安全にものすごいスピードでレベル上げをしてくれる事で自分の身は出来るだけ自分で守る事を伝える


まぁ、厨房担当だから自衛もあんまり必要じゃない事も伝えておく。


定休日や食事の事、労働に対しての報酬などを歩きながら説明していく。



寮の部屋の方に案内すると鍵と制服を渡す


鑑定スキルでサイズは把握済みだ、わざわざ大きな声では言わないが。


着替え終わったら声を掛けるように言うと手近にあった椅子に座って軽く目を閉じた


やば・・・俺疲れてるわ・・・



「ハルヒト様」


ん・・・あぁ寝ちゃってたか


「着替え終わった?じゃぁ店の方に一旦行こうか」


俺は店舗の方に歩き出した


「みんな~、新人の紹介するから注目~!」


スタッフが集まって来る


「クラリスですよろしくお願いします」

「マノだよ、よろしくね」



「所属は今日からで、これから2週間カズキにレベリングしてもらう、で、その後クラリスはバーテンダー、マノには厨房に入ってもらう」


みんなが一瞬驚く、それはそうだろう、バーテンダーは今までハルヒトとフィリアンだけに許された領域であり


選ばれた者の仕事という認識があったからだ


「そんなわけなんで仲良く仕事をしてくださいね」


そう締めくくってカズキが来るのを待つ


「今日の昼食は出すから安心して」


そう言って通りかかったサキに賄い飯を二人分頼む


「今日の所は持って来てもらってるけど、次からはやり方覚えて自分達で選んでね」


そう言って俺は席を離れた


まぁ、雇い主が見てる前での食事なんて緊張もすれば萎縮もする


丁度来たカズキに彼女らの説明をして昼食後から丸投げさせてもらう。


その際に電動ガンをってカズキに言われたのでチョイスするんだが、


そういえばピンク色のP90で無双してる物語があったよな・・・って探したら売ってるんでやんの


東京マルイ 電動ガン スタンダードタイプ P-90 Ver.LLENN


こいつを2丁出す


一応予備マガジンも3本ずつ用意した 


大きめのBBローダーとBBボトルも用意する、もちろん中身は自然に優しいバイオBB弾だ


それぞれふたりに渡し使い方の説明をする。


魔石に関してはカズキが補充してくれることになった


これで準備OKです


とりあえず5人分の弁当をカズキに渡して(内訳は 勇者、賢者、剣聖、クラリス、マノ)


俺は彼女らを見送った。




まぁ、いきなり他人の店に連れてこられて、たいして情報も貰えないまま勇者に拉致されて魔物退治のレベリング


俺だったらキレるな・・・


まぁ、ストレスチェックの一環だと思ってもらおう


この軍隊並みの研修さえ終われば輝かしい未来が待っているのだ



俺の方は、まだ疲れが残ってるのか、バーカウンターの中で椅子に座って居眠りを始めた・・・


見かねたフィリアンが俺をベッドの部屋に追い出してくれた


仕事の邪魔らしい・・・


抗うだけ無駄だから俺は睡魔に身を委ねるとそのままあっさり意識を手放した。




フッと意識が戻る


真っ暗だ


「ん・・・俺何時間寝てた?って店!店は大丈夫か!?」


慌てて飛び起き下に降りる。


みんなが閉店後の晩御飯を食べている


「・・・こりゃまた何ていうか・・・」


みんなの視線が俺に集まる、さすがにあの後一日寝過ごしたとは申し訳なさすぎる


「みんなお疲れ様!今日はありがとう、ほんっと申し訳なかった」


「いつもハル様に頼ってたんだなっていい勉強になりました。」

「はるさま、だいじょうぶなの?」

「働き過ぎだったんですよ休日はしっかり休んでくださいね」


・・・君が言うか?レベリングに引っ張り出したの君だよね・・・サキ君


「申し訳ないついでに今日の報告を聞かせて」



総売り上げ、経費、人件費 純利益等の表が俺の手元に来る


出納帳かよっと思いながら目を通していく。


「ふむ、これを書いたのは?」


「ハル様、私です」


バイトのミーティアさん


フィリアンに今日の報告書を出さなくていいのか聞いたり


あまりのドンブリ勘定ぶりに居ても立ってもいられなくなったとかで一手にやってくれたらしい


「ミーティアさん、うちの正社員になる気は無い?」


なんてあっさり勧誘する俺・・・


「是非!よろしくお願いします」


こっちも即断即決


「ミーティアさんにはホールの仕事を半分、残りの時間は経理に回ってくれたらOK、具体的には忙しそうならホール手伝ってくれれば基本事務でいいよ」


「わかりました!無駄を徹底的に省いて利益を確保して見せます」


「程々にね・・・俺が一番無駄をやりたがるから」


「最終決済はハル様ですからどうとでもなると思いますよ」


まぁそうだよな、だが、〆る所はきっちり〆られそうだ



「クラリスとマノはどうした?」


「まだ帰ってきませんが、どうされたのでしょう?」


ふむ、カズキがついてるから心配ないっちゃ心配ないんだがな。



それでも若干の不安を残したまま夜は更けていった


結局その日、クラリスとマノは帰ってこなかった・・・


フィリアンの必至なお願いに感化されたのかカズキ達は24時間耐久レベリングを決行したようだ。




「すぐに戦力にしてフィリアンちゃんをハルとくっつける!」


だそうだ・・・



俺は店を閉めると旧店舗の方に向かう。


店内を色々と魔改造する為なんだが、今日はフィリアンも着いてきてる


かねてより考えていたジュークボックスを設置する


昔ながらのレコード式のが良かったのだが、レコードを集めるのが大変なので今回はCD式


Harley-Davidson ハーレーダビッドソン アメリカンビューティ 100CDジュークボックスバブラーを即購入


スキル【アマゾン】の凄い所は受注生産だろうがなんだろうがその場で出てくる所だな。


他に昔ながらのピンボールマシンを一台だけ導入する


プレイ料金は銅貨一枚とちと高めに設定、ジュークボックスも同金額だ


理由は、鉄貨だと安すぎだし、ここは高級店だから銅貨スタートでOKという暴論だ


もう一つは鉄貨はコインとして認識しなかった。それが理由だ


最初から銅貨で運用する事が決められていたかのような気もするコイン投入口と銅貨のサイズ


つまり、これが伝説の神の意志って奴なんだろう。


ただジュークボックスの中身は拘った


ジャズやポップ、レゲエ、ユーロビートやロック、メタルまで厳選してアルバムを叩き込んだ


曲リストをこっちの言葉で作るのは大変だった・・・


曲名聞いてもわからないだろうから系統と番号だけの表示だが


系統の説明を見たらその番号を選択するシステム、気に入ったらその番号を覚えてくれって感じだな



店内の配置がどんどん決まっていく。


飾りっ気の無かった店内が一転してノスタルジックなバーの姿に変わっていく


やっぱバーはこうじゃなくちゃいかん!


俺はそう呟いて自宅の方に帰るのだった。



「はるさまとフィリアンおねえちゃん、ふたりでどこにいってたの?」


俺とフィリアンがこっそり出かけていた事がハンティにばれてお冠である。


「ごめんごめん、次は連れて行くから」


「どこにいってたんですか?」


腰に手を当てて尋問モードだ、こんなハンティは珍しい


「ん?前のお店の方に行ってたんだよ」


「むこうでナニをしてたんですかぁ!」


なんでそんなに怒るかなぁ・・・


「向こうのお店を使えるようにしてただけですよ」


フィリアンのフォローが入りました!今のタイミングはポイント高いです!


「それでもふたりだけでいくとかずるいです~」


ちょっとは落ち着いてきたようでなによりだ。


「わかりました、きょうのところはなっとくします」


ん~偉そうだなぁ、背伸びしたい年頃か?


「きょうはいっしょにねてくれたらゆるしてあげます」


はい、要求来ました


「そうだね、久しぶりに一緒に寝よっか」


ってな感じで久しぶりにハンティとコミュニケーションを取りました


朝起きたら俺がハンティを抱きしめて頭や尻尾を撫でまわしていたそうです


寝ぼけて抱き枕にした上にモフりまくった~って


自分の娘(仮)にだぞ!


「はるさまはねぞうがわるいのです」


・・・なんかほんっとにすいませんでした


俺は口止めも兼ねてハンティに包丁のセットをプレゼントする羽目になった・・・


最近の女の子はしたたかだ・・・そしてチャンスには容赦がない・・・



ただ、目覚めのいい朝だった事は追記しておこう。


ケモ耳っ子のモフりは至高の癒しなのだ・・・



しばらくはハンティと寝るか?そんな考えも脳裏に浮かぶ俺だった・・・



<注>この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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