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28 新人冒険者 再び

本日もありがとうございます。

少々体調を崩してる中、一日一話の ノルマ達成です!


次もよろしくお願いします。

ブックマーク、評価、批評、感想、レビューがあったら涙を流して喜びます。

森で目を凝らし地表を探す人影・・・

「アッシュー、薬草集め飽きたよぉ・・・」

「言うな・・・メイリン・・・」

「目標までもう少しなんだからがんばろ!」

「地味だよなぁ・・・」


愚痴を言いながら目を凝らし薬草を探す4人


以前ミスルトウでハルヒトにアドバイスをもらった新人冒険者ある。


彼らはハルヒトのアドバイス通り薬草採集と角ウサギ狩りで生計を立て続けていた。


「この辺り採り尽くした感じだよね」

「西側行ってみる?」

「そうよね、向こうはまだ探してないし」

「行ったことの無いポイントは怖いけど・・・」


そんな感じで少しづつポイントを変えながら採集を続けていく。


「ステイ、こっち生えてるよ」

「マジか!今日のノルマは行けそうだな」

「ちょっと待って、足音がしない?」

「する!一応戦闘態勢!」


各々が武器を構えて身を潜める・・・


緑色の醜悪な小鬼・・・ゴブリンだ!数は3匹


「やるか・・・」


アッシュが小声でそう言って仲間を見る・・・全員が頷く


「練習通りに・・・」


スカウトのステイが背後からショートソードで斬りかかる・・・


首元を一閃・・・頸動脈を断ち切られて緑の血を吹き出すゴブリン


「我が魔力よ、かの者を眠らせろ・・・スリープ!」


教わった通りの詠唱で魔法を放つメイリン・・・



<注>

この世界の魔法はイメージと魔法の名前だけで発動します。

呪文の詠唱は集中する事で効果を上げる事に繋がってるだけで必ずしも必要ではありません

つまり、なんとなく合っていればどんな詠唱でも構わないというわけです。




仲間が斬られて一瞬動きの止まったゴブリンが急に足から崩れるように倒れ眠りだす。


最初に攻撃を仕掛けたステイに向かおうとするゴブリンにアッシュが斬りかかるも腕に切り傷を付けただけ・・・


ステイは眠ってるゴブリンの胸にショートソードを突き刺す。


叫び声を上げながら切られたゴブリンがアッシュに斬りかかる


アッシュがゴブリンの反撃を受けるもかすり傷


「天空神の後光をここに・・・バニッシュ!」


プリーストのリーシアが強烈な光をゴブリンの顔面に放つ!


「とりゃ!」っと気合一閃アッシュがロングソードを振り下ろすと頭を断ち割られる最後のゴブリン


それとほぼ同時にアッシュが膝から崩れる・・・斬られた腕が紫色になってる


ゴブリンの短剣には毒が塗られていた・・・


「地母神よ、この者の不浄を取り除き給え・・・キュアポイズン」


リーシアが毒消しの魔法を使うとスーッと紫に腫れあがっていた腕がいつもの色を取り戻す。


<注>

この国の宗教は多神教で別段一人の神様だけを祀っているわけではない。

どちらかといえば仏教寄りだろうか、

一つの寺院に複数の神像がありそれぞれを祀る

神格や司る内容で好みの差はあるけれど神様は神官達には満遍なく力を貸してくれるようだ。



ちなみにギルドカードに討伐記録が残る為、耳を切り落としたりという討伐部位なんてのは存在しない。


討伐採集は角ウサギの肉や角といった使い道があるものに限られるのだ



「くそっ、たかがゴブリンにこれかよ」

「地道に薬草採集と角ウサギやってなかったら下手したら死んでたよ」

「やばい・・・甘く見てた」

「連携は悪くなかったと思う。連戦は絶対無理だけど・・・」


手早く見える薬草を採取してこの場を離れる。


離脱中にも薬草は採集していく。


ここ最近の流れで薬草だけは見落としが少なくなっていた。


「やっぱりまだまだ薬草と角ウサギだよ・・・今日のポイントにゴブリンが出たのは予想外だけど」

「こんな浅いところに出るなんてな」

「一応ギルドには報告しておこう。群れで拠点ができてたら討伐してもらえるかもしれんし」

「そうしたら薬草採集が楽になるもんね」


突発的な討伐もあったが、無事に森を出る。


「薬草は集まったし、角ウサギのポイントに移動しよう」


そう言って歩き出す冒険者一行だった。




待ち伏せ、追いたて狩っていく。


時に罠を使い、飛び道具も使う


「ゴブリンとは比べ物にならないな」


「あったりまえでしょ」


と言って狩っていく。


彼らは角ウサギに関していえばベテランの領域に足を踏み入れていた。


隠れているポイント、足跡、糞などから予想して追い詰める。


最初は一匹も採れない日が続いたが、何日もやっていくと色々な物が見えてくる。


ハルヒトさんの言った通り狩る量も増えて装備にお金が回せるようになった。


安定して狩れるようになった為、生活にも余裕ができた。


最近レベルも全員8まで上がった。


「あのさ、レベルも上がったし今日の夜ハルさんの所に飲みにいかないか?」

「いいかも」

「うん、お礼言いたい」

「ここから先のアドバイスももらえるかも」


そう言って9匹の角ウサギを狩って帰還するのだった。


ギルドに戻って換金する


いつもの薬草と角ウサギ、そして今回はゴブリンが3匹


「森の西側なんだけど、かなり浅いところでゴブリンが出ました」


受付のお姉さんに報告する


「そうですか、新人の駆け出し君には注意しておかなきゃですね」


彼らは既にEランクに上がっているので新人扱いはされない。


Bランク冒険者であるハルヒトの言いつけを素直に守る真面目な冒険者という印象だ


それを聞いてた先輩冒険者が


「巣でも作ったか?お前らも稼ぎにくいだろ」


「2匹だったらどうにかって感じですが、正直ゴブリン狩りはまだ早いです」


新人冒険者が


「ゴブリン程度でビビってんの?やめた方がいいんじゃね?」


とか煽ってくる


「ゴブリン程度・・・か、んじゃ、お前ら明日から俺達と一緒に行くか?」


森の西側を探索するらしい・・・世話好きな奴だ・・・


この先輩冒険者ってのが先日パーティが自分を残し全滅して教官役を引き受けたスカウトで名前をスティングという


身を持って体験させてやろうってとこか・・・


アッシュたちは、そんな煽り文句も完全にスルーして報酬を受け取るとギルドを出て行った。



「アッシュはよく我慢したね」


「ハルヒトさんに、ウサギスレイヤーって馬鹿にされてもやった方がいいって言われたから気にならないよ」


「そうだね、ゴブ倒せたんだからちゃんと強くなってるよ」


「大丈夫、生活できてるんだし地道に確実に強くなろう!」


基本を忠実に守るアッシュ達だった。


そしてミスルトウに入る




「いらっしゃいませ、お好きな席にどうぞ」


彼らはカウンターに座る。


「ハルヒトさんのアドバイス通りに頑張ってますよ」


笑顔で言う彼らに俺も笑いが出る


「そうですか、冒険者を続けられてるようで何よりです」


椅子に座るとメニューも見ずに注文を始める。


「私はこの前のカルーアだっけ?それとこの前食べた木の実がいいな」

「果物のお酒がいいかな、甘いので」

「俺は麦酒!超冷たい奴!」

「俺も麦酒で、後枝豆ってやつ」


迷いが無いなぁ、彼らの注文は覚えておこう。


「かしこまりました、果物は何がお好みですか?」


この前の妖精の差し入れで大量に作ったのが飲み頃になってる、大概の果物は用意できる!


「え~っとイチゴとか?そんなお酒あるの?」

「ございますよ、先日作ってそろそろ飲み頃のお酒が、それでよろしいでしょうか?」

「うん、それにする!」

「では少々お待ちくださいませ」


そう言ってフィリアンにビールとナッツ、枝豆を任せカルーアミルクとイチゴ酒の水割りを作る


イチゴの方は飾りつけに生のイチゴを切って氷の上に乗せて出す


「お待たせいたしました」


グラスを出すとそれぞれが口をつける。


「美味いなぁ~、もっと来たいんだけど・・・」

「だ~め、今日はレベルアップのお祝で特別なの」

「節制しなきゃ、私の杖だけがまだなんだから」

「今日は英気を養って明日からも頑張ろう!」


そんな感じで楽しく飲んでいる。


一杯目を飲み終わった頃、俺はその様子に微笑ましくなり、安いシャンペンとグラスを取り出す


「こちらは私からレベルアップのお祝いです」


一杯ずつみんなに配る


「お祝いの時に飲むお酒でシャンペンといいます。皆様の活躍を願いまして」


「「「「ありがとうございます!!」」」」


シャンペンを飲み終わりビールとカルーア、イチゴ酒のおかわりが入った頃アッシュが俺に声をかける


「ハルヒトさんのアドバイス通りやってきて、おかげさまで全員無事にここまで来れました。」


ニコッと笑う俺


「今日、全員レベル8になって、明日明後日と薬草と角ウサギをやれば全員の装備も揃う予定なんです」


ほう、頑張ったな・・・予想以上に速い・・・


「頑張りましたね、私の予想より早いです」


認められて恥ずかしそうにするアッシュ


「それで、この後のアドバイスとかがあれば教えて欲しいのですが」


真面目な顔で言う・・・そうだな・・・


少し考える。また少し語るか・・・



まずこのメンバーで足りないのは盾役の存在だろう。


だが、急にメンバーを追加すると言ってそう簡単に見つかる物でもない


そうなると・・・



「そうですね、私なら・・・」と切り出し語り始める。



どんなパーティーでも本当の強敵と戦う為には盾役が必要だと考えます。


気の合う、信用できる仲間を1人探すのがいいと思います。


それまではゴブリン退治がベストなのですが、一度に戦えるのは3体が限度


基本的には1体の奴を奇襲して2体の奴は連携して3体は逃げる方向で


上位種には手を出さずに見かけたら逃げ


これでレベル15くらいまで頑張ってほしいです。


どうすれば分散させられて各個撃破できるかを色々考えて戦います。


先輩冒険者やギルドの資料とかでゴブリンの習性を学ぶと楽になりますよ



魔法と飛び道具で先制すれば単体ならそんなに怖くないでしょうから


角ウサギ同様、時に罠を張り相対するのは一匹にしておく戦い方を学んでください。


学びながらレベル15を超えてればコボルドの討伐もできるはずです。


コボルドでレベルが上がりにくくなったらオーク、そのあとオーガという感じで強い魔物と戦うことになります。


ここまで言えば事前に魔物の習性を調べておくと思うので、それに合った対処法も思いつくでしょう。


怖さが残るようなら少し時間はかかりますが2~3レベル余計に上げておくと安全マージンが多く取れますよ。



大事なのはできるだけ無傷で、死なないようにという事です。



そこまで言い切り、俺は水を飲む


「まぁ、こんな所でしょうか、正々堂々と戦う必要なんてないんです。相手も正々堂々と戦ってくれませんから・・・魔物だけに」


そう言ってオチをつけて笑った


「わかりました、確実に一匹ずつ戦える状況を作るって事ですね」


「って事は索敵と位置取りが重要だな」


「攻撃力だけじゃなくてそっちもステイが頑張らなきゃだね」


「俺の攻撃力を上げなかった分だけお前らが補填するんだよ・・・」


ワイワイ言いながらもおかわりを頼んでくる。


最初に来た時とは別人だな・・・立派になった・・・


そう思う俺だった。



「盾役かぁ・・・」

「一番大変なのが盾役で、その大変な所が一番揉めるんだよなぁ」

「そうだね、装備にお金がかかるっていう」

「アッシュが盾役に転向してファイターいれるってのもアリじゃない?」

「報酬を均等割りにしても今まで通り私達は一人ずつ装備を整えられるし」


ほう、今なら戦闘スタイルも決まり切ってないから有りと言えば有りか、よく考えてる・・・


「ちょっと考えてみるわ・・・」


理想の戦士像もあったのだろう・・・よく考えるといい



その後も色々話し合って夜が更けていく・・・


そして最後に


「なんか俺達、冒険者をやっていける気がしました」

「アドバイスありがとうございました!」

「シャンペンもご馳走様でした。」

「また来ます!ありがとうございました!!」


そういって彼らは清々しい笑顔で店を出て行く


「ありがとうございました、またのご来店を心よりお待ちしております。」




その後、来店したスティングの話でアッシュが盾役に転向した事


臨時メンバーを入れてゴブリンを狩っている事を教えてもらった。


真面目に取り組む彼らの評判は結構いいらしい・・・期待の冒険者だとか・・・


それでも薬草を持って来る時が多々あるとか・・・



森の西側にはゴブリンの新しいが大きめの巣があり、スティング達、指南役組が完全に潰したとの事


同行していたアッシュに暴言を吐いた新人は逃げるように田舎に帰ったという・・・


まぁ、生きて帰れただけ幸せだ・・・



新人の期間というのが一番無茶をする時期である。


彼らの無事を祈らずにはいられない・・・


そんな今日の俺だった。






次話

フィリアンのカクテル


次もよろしくお願いします

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