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シストランスの自我  作者: ホテイアオイ
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混濁した意識の中

まるで映画を見るように

62年もの物語を体感した。



『元気なお子さんですよ~』

『こっちだよ~、ハイハイしてる~~』

『あそこの幼稚園て評判悪いだよね…』

『圭君、明日から小学校だよ、みんなと仲良くね』

『お前なんて友達じゃねぇ!』

『次の時間、体操着で体育館だって』

『けーい、友達迎えに来てるよ』

『高校とか、まったく考えてねぇよ…圭はどこ?』

『お前あの子好きだろ?』

『ごめんなさい、別に好きな人がいるの』

『この成績だと志望の大学は難しいですね』

『…金の心配はすんな。俺が出す』

『レポート忘れたやつは追加の課題出すからな』

『飲み会?俺、聞いてないけど』

『玲がお前の事、気にかけてるらしいぜ、どうよ!』

『ちょ…ちょっと疲れちゃったな~…って、ちょ待って!』

『おめでとう』

『悪い、やっといてくれ』

『なんでこんなことも出来ねぇんだよ!!』

『死ね』

『えっ?そうだっけ?すまんすまん』

『お疲れ様、ご飯出来てるよ』

『係長、ご指導の程、宜しくお願いします』

『久しぶり!元気してた?』

『課長にはなりたくないねー、残業無限だぞ』

『…ん?押し入れからこんなの出てきたよ

これは…パパが生まれた時の写真?』

『お亡くなりました』

『今後も取引の方、宜しくお願いします』

『すいません課長、ミスしました』

『癌です』

『育ててくれて、ありがとう

…パパ泣いてるの?』

『もう、寝ていいのよ』



ありがとう



余すとこなく一人称で綴られる『伊織圭』の物語


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