再ログイン
《来ましたかムテン様》
私はまた電子世界のような所にいる、目の前にはヤミがフヨフヨと浮いていた。
「来たわよ、初日からやらかしてしまった私に用があるのよね?」
《いえ、特にありません》
「え?ないの?」
《はい、予定していたよりは早過ぎますが進展通りです》
「そ、そうなの……」
《ちょっと焦ってました?》
「まぁね、このゲーム遊べなくなったら私鬱になってたかも……」
《それは良かったです、鬱になって気晴らしに暴れられても困りますしね》
「私は暴走族か」
《それより遥かに怖いですよ》
「そうかしら?」
《そうですよ………そんな話より今からキャラクター「ムテン」でASOをプレイしますか?》
「ムテンでお願い」
《分かりました、ASOの世界を引き続きお楽しみください》
一瞬で目の前の景色が変わり、ログアウトした宿屋の天井の景色に変わった。
「さて、みんなログインしてるのかな」
すぐにチャットで連絡する。
ーーゲーム同窓会ーー
夏:ログインしましたよ
春:今、藍ちゃんと装備揃えてるから中央の噴水広場で待ち合わせしよ
夏:りょ
藍:もう体、大丈夫なの?
夏:大丈夫だ、問題ない
藍:あっ、また落ちるタイプだ
夏:フラグを回収しなければいいだけの事よ
藍:まぁ噴水広場で待っててね
ーーーーーー
「噴水広場ね」
私はベッドから降り、ある事に気づく。
「あれ?秋保まだなんだ……まぁすぐに来るか」
私は宿から出て噴水広場に向かう。
噴水広場に着いたは着いたが、プレイヤーが多過ぎて誰が誰だか分からない。
「待っとけば連絡来るか」
私は噴水の周りのベンチに座り待つ事にした。
(たまに見られてるな誰だろう……)
さっき気づいたが誰かに見られているのだ、そう考えていると後ろから声をかけられる。
カゲツ:ムテン様ここにいましたか
ムテン:あ、カゲツはなんでチャットに連絡しなかったの?
カゲツ:ムテン様ならすぐに見つける事は出来ると思ってますから
ムテン:さっきまでも見てた?
カゲツ:いえ見てませんが
(ん?じゃあ誰だったんだ?)
なつみは考えるが答えが出ない、自分がネットで有名になりかけてるとは知らないのだから仕方ない。
カゲツは私の隣に座ってこちらを向く。
カゲツ:ムテン様はステータスはどこまで上がりましたか?
ムテン:あっ、見てないや
すぐに見てみる、あの蛇も狩ったのだレベルはかなり上がってる気がする。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:ムテン
職業:騎士
種族:竜人
レベル:48
HP:5740【+100】
MP:4780
STR :2410
VIT :1840
AGI :2410
DEX :1840
INT :2180
装備
装飾:なし
頭:初心者のヘルム
胴:初心者の胴着
右腕:初心者の籠手
左腕:初心者の籠手
脚:初心者の脚具
靴:初心者の靴
武器:魔剣***、天叢雲剣
スキル
剣術lv2、毒耐性lv3
ユニークスキル
竜神の加護lv-、覇王lv3、非生物特攻lv1
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(うわぁーめっちゃ上がってるし、スキルも少し増えたな)
もう動じない、分かっていた事だ。
スキルは剣術と毒耐性か意味はそのままだな。
それでユニークスキルの非生物ってなんだ。
非生物特攻:サマエルを初めに倒した者が取れるスキル。相手が非生物の場合、攻撃時に威力が上がる。レベルが上がるごとに威力も上がる。
まぁそのままだった、それで覇王のレベル3はどうなったんだ?
覇王:覇王たる者が持つスキル。
相手を威圧してスタン出来るが、自身のレベルが相手より低いと失敗する。レベルを上げるとスタン時間が増える。
覇気を出し相手のAGIを遅くする事ができる、自身のレベルが相手より低いと失敗する。レベルを上げるとAGIの減る量が多くなる。
増えてる……相手の速度が遅くなるのはいいな。
私は無理矢理納得してステータス画面を閉じる。
ムテン:上がっていたよ
カゲツ:ムテン様が今の所トップのステータスですよ
ムテン:そうだね……
私は空を見上げる、ああ青空だなぁ………。
ベンチに座っていると、杖を持った青髪のエルフと大楯を持った赤髪の女性がこちらに来た。藍ともう1人は春姉だろう。
ペルシャン:やあ、5時間ぶりかな
ムテン:それぐらいね、そっちは姉さん?
カミル:その姉さんだとも、ムテンか……竜人にしてたんだね
ムテン:言ってなかったね、私の横は妹だよ
カゲツ:妹のカゲツです
カミル:いやそれぐらい分かるよ
ペルシャン:これでパーティーが揃ったね、これから狩に行くでしょ?
カミル:当たり前じゃん、私は早くサマエルを倒したいんだよ
ムテン:カミルは本当に戦闘狂だよね
カミル:その戦闘狂が言うけどムテンも変わらないと思うわよ
ムテン:えぇそれはないよ、そうだよねみんな
カゲツ:………
ペルシャン:………
(あれ?私って戦闘狂だったの?)
なつみは1人驚きの真実に驚いていた。
ペルシャン:まぁそんな事より、狩の話をしよう。カミル、サマエルを狩るのはまた今度でいい?
藍は春姉と喋る時はタメ語で話す、春姉にそうさせられているのだ。
カミル:え?なんで?
ペルシャン:ホームページで出現方法分かったからゴブリン狩りまくってるパーティーが多いんだ、それで出て来たとしても今のレベルじゃほぼ即死らしいよ
カミル:ええ!じゃあどうやって倒したのムテン?
ムテン:答えは簡単、避けるだけ
(嘘八百だが私なら出来ると思う……今なら)
カミル:それじゃ私達は無理ね、逆に足手まといになるわ
ペルシャン:だからね、ゴブリンの森とは逆の方に向かおうと思うの
(へぇーあそこってゴブリンの森って言われてるんだ、けど反対でも変わらないよね)
ASOはオープンワールドなので正確な区切りが無い。ゴブリンの森の反対と言ってもそこもゴブリンの森である。
カミル:そこは何が出るの?
ペルシャン:ゴブリンも出るけど、ゴブリンの森より少ないようになってる。出てくるのは難易度1のホーンラビット、スクエアホーネット、リトルスネークが殆どらしいよ
カミル:ふぅーん、装備も揃えれるかな?
ペルシャン:ASOでは買う装備以外で鍛治て作られた物は殆どが特注みたいな物らしいよ
カミル:それじゃあ何でもいいから素材持って行って作って貰えばいいのか
ペルシャン:ある程度はいるらしいよ
カミル:そりゃね、ゴブリンの角だけで作れと言われてもねぇ
ムテン:それなら良い素材あるよ
ペルシャン:ゴブリンの骨とか?
ムテン:全部売ったよ、それじゃなくてサマエルの素材あるんだよね
その言葉に2人はあっ!と思いつく。
現時点でサマエル以上の良い素材などある筈も無い。それに結構素材あるし3人なら分けても良い。
カミル:出来る妹を持ったよ、カゲツも出来る子だけどね
ペルシャン:私も良い親友を持ったよ
ムテン:はいはい、じゃあサマエルの素材で作る事で決定ね
ペルシャン:よっしゃ!
カミル:よし!
カゲツ:ありがとうございます
こうして私達は今からサマエルの素材で装備を作る事にしたのだった。
こっちもよければ読んでください。
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