竜は蛇を狩る [&運営]
「仕方ない、解禁するか」
私は考えるが勝つ方法がそれ1つしか思いつかない。
私はため息が出る。
(負けるのは嫌だしなぁ………さっき使わないって決めたばかりなのになぁ、はぁ………)
私は自身のスキルを発動する。
(竜神膜、身体進化、雷撃魔法付与)
私の体から白銀色の膜のような鎧が溢れ私を包み、周りの毒は消し飛ぶ。猛毒状態も治り身体から力が湧き溢れきて、両方の剣が雷を帯びる。
それを見た蛇は体を縮こませ私の警戒度を上げる。そして私に地面から30本以上の槍を掃射してきた。
私は右手の剣を横に振る。それだけで剣から雷が飛び、土で出来た槍は全て崩れ去る。
そのまま私は近づく、蛇は動かずにまた地面から槍を掃射する。私がまた剣を振ろうとすると地面が陥没した、陥没した地面の側面から100本以上はある槍が周りから迫ってくる。が私の白銀色の鎧によって止まる。
私はそのまま歩き槍を破壊しながら進む。
蛇は私を恐れたようで次は上から岩が落下してくる。それを剣で払い真っ二つにし、私の横に落ちる。その場からジャンプし、蛇の頭上まで上がり、剣を二本とも振りかぶる。蛇も表情はあるようで口を開けて唖然としている。
私はその顔めがけてスキルを発動し落ちる。
(神速、空歩、改心、覇道)
私は蛇の鼻先から地面まで一瞬で落ちる。そして立ち上がり剣を見る。
(刃こぼれは……無さそう。良かった)
剣を鞘に収めると同時に蛇が横倒れになり、ポリゴンとなって消え去る。それと同時にスキルは全て解除する。白銀の鎧は霧散すし、剣から雷が消える。
「はぁーーー疲れた」
私はその場に大の字で寝転がる。
(自身のスキル使い過ぎたら疲れるんだよね。もうちょっとスキル少なめで時間いっぱい戦えば良かったかも。もうしんどいから同じの出てこないで〜)
そう心の中で思っているとアナウンスが流れる。
《アナザー・ストーリー・オンラインをプレイされている全てのプレイヤーの皆様にお知らせ致します》
「え?」
この声、ヤミのだ。
まず何これ………まさか。
《今日午後14時48分にグランドモンスター【サマエル】が討伐されました。これによりアナザーエピソードが進みます。これからもアナザー・ストーリー・オンラインをお楽しみください》
「はぁ?あの蛇がグランドモンスター!?」
私は体を跳ね起こした。
このASOでは19体のグランドモンスターがいて、そのどれもが強力な設定にしているらしい。
(落ち着け!まだ慌てるような時間じゃない)
まず心を落ち着かせる。あいつが先に襲ってきたんだ私悪くない。だから私は問題はない………うん、私は悪くない。
「よし、それじゃあさっさと素材貰って帰るか」
私はその事を頭の端っこに追いやって蛇の素材を取りに行く。
「おぉ!かなりあるな。まぁ全部貰うけど」
私は素材を見る、その中でもひときわ目立つものがある。古い鉄製の剣だ。
「これは……」
私は「鑑定」を使い見て見る。
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【天叢雲剣】
日本最古にある三種の神器の1つ。非物体を切ることが出来き、天地を斬る事も可能。
スキル
斬撃lv6、草刈lv-、魔法吸収lv6、天地開闢lv-、破壊不能lv-
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「あ、天叢雲剣!?、え?蛇だけど八岐じゃないけど!?」
ヤバイ言語力が無くなる。
スキルがおかしい。なんだ天地開闢って!天と地斬れるって言ってるけど開闢っておかしいだろ。前世でもこんなチートアイテム無かったぞ、私は出来たけど。
スキルを詳しく見て見る。
「斬撃」斬れる武器での攻撃の時に力が上がるスキル。レベルが上がると力が上がる量が増える。
「草刈」植物系の物を斬ると切れ味が増す。
「魔法吸収」魔法を吸収するスキル。レベルが上がると威力や範囲が大きいものでも吸収出来る。
「天地開闢」日に1度、天と地を斬る威力で斬れる。
「破壊不能」この武器を破壊することが出来ない。
よかった。天地開闢って言うから天と地が本当に斬れるかと思ってたけどそう言う意味か。それでも凄いけど。
それより草刈が面白いな。植物系って事は、モンスターでもいけるのか。
私は感心して剣を日本刀と変えて鞘に収める。
「凄いもの貰ったな。他はどんなのだろ?」
他の物も全て見る。
大赤蛇の牙×50
大赤蛇の毒牙×25
大赤蛇の双眼×1
大赤蛇の鱗×500
大赤蛇の猛毒×25
大赤蛇の酸×25
大赤蛇の蛇肉×250
大赤蛇の骨×500
大赤蛇の舌×1
大赤蛇の大魔石×1
「始めたてだから価値が分からんが、全部凄そう。入るかな?」
全部アイテムバッグに入れる。このバッグ重くならないのが素晴らしい、リアルでも取り入れたい。私はいつもは時空魔法で収納してるけど、毎回取り出す時に魔力を使うので怠いのだ。
全部入れる事は出来た、ギリギリだったけど。
「まぁ無理だから仕方ないけど……よし、帰るか!」
少し私は体をおぼつかせて町の方に帰っていったのだった。
こうして私はグランドモンスター単独を初日に成し遂げとたのだった。
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同時刻、部屋中にパソコンの画面が並んでいる部屋で、1人の黒髪の少女が目の前のパソコンの画面と向き合って頭を抱えていた。
「はぁ!?サマエルが倒された!」ドンッ!
少女は机をおもいっきり叩く。その場面に2人の女性が顔を見合わせて、パソコンの前に向かう。
茶髪の綺麗な女性が少女に声をかける。
「テン、荒れちゃダメでしょ。まずは原因解明からでしょ?」
「けどさ、まさかサマエルが初日にやられるなんて誰が思う?」
「そう嘆かない、チート行為は不可能よね?ミヤ」
ミヤと呼ばれた髪が足元に着きそうな女性は首を振って答える。
「………不可能、第一に私達のプログラムに誰が介入出来ると?」
「それもそうよね………それじゃあ自力でか……想定とはかなり早いわね」
それを聞きパソコンの前の少女は目の前のパソコンを指差す。
「ちょっとこれを見て」
画面には先程のムテンとサミエルの戦いが映ってあった。
「へぇ〜この子が」
「……凄い反射神経、これは実力でつけたもの」
「スキルではないと、もともと強い子なのね」
しかし少女は首を振る
「ウミ、この子は普通のプレイヤーよりかなり強いけど1人でサマエルを倒すのは今のレベルじゃ不可能よ」
「じゃあどうやって?」
「そのまま見ておいて」
2人はそのまま画面に映る戦いを見る。
ムテンが毒を被って後ろに下がり少しすると白銀の鎧が出る。
テンはそこで動画を止め2人に向く。
「これ多分だけど自身の力よ」
それに2人は目を見開き驚く。
「嘘!自身でスキルをもっているの!?」
「……ヤミは何してたの」
「ヤミは自分の存在がバレたみたい。1時間前に報告が来てた」
「個人情報は調べたの?」
運営でも個人情報を調べるのは当然ご法度だ。しかしそうも言ってられないとウミは思っている。
「んーんしてない」
「あら?しないのね」
それに少し驚く。テンならしそうだと思っていたからだ。
それの答えを言うようにテンは言う。
「いやね、初めはしようと思ったけど、ヤミが「私の存在がバレると言う事はどう言う意味か分かる?それにムテン様は遊びたいだけらしいし」って言われたからやめた」
ウミもそれを聞き納得する。
ヤミを見破るなど自分自身でも難しいのだ、それをやってのけた存在、やりあったらどうなるか。
「遊ぶだけならいいか………けどサマエル倒されたわよ」
「う〜ん、あれは自動で出現するタイプだからね、あの子ゴブリン狩りまくってたし」
「じゃあ見守る方針なのね」
「それしかないと思う、あっ!あとヤミが「ムテン様と今後会う予定です。その時に色々聞きます」って言ってたから、何かするならそれからだね」
「会うのね……」
「……私は異議はない」
「私もないわ」
「よし、それじゃあ初日にこんなトラブルが起きたけど頑張ろう!」
そのまま少女の声に2人も賛同し、少女を残して部屋を出て言ったのだった。
少女はそれを見送り、またパソコンの画面を見る。そこにはアップにされたムテンの画像があった。
「ふぅ〜ん、なかなかいいね、私も会ってみようかな」♪
テンは画面のムテンを指で撫でながら、今後どうするかを考えたのだった。
ムテンは自身のスキルが1番チートですよね。
サマエルは我ら19体の中で1番最弱、我ら(略)…ですよ。
あと前のステータスに装備の所を増やします。
次回は掲示板です。
よければこちらも読んでください。
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