初戦闘
町から門へ向かうおうとカヅキと歩いていると、チャットの音が鳴る。多分藍だ。
ーーゲーム同窓会ーー
藍:やっと入れたよ!キャラメイキングで時間かけちゃった。今どこ?
夏:今は武器買って町の外に行くつもりだったんだけど
藍:え?早くない?私無装備だよ!
秋:先に藍さんの武器を買いますか?
夏:大丈夫でしょ、藍は魔法士でしょ?
藍:まぁそうだけど、威力とかあげたいじゃない
夏:私達にサポートするだけで良いから、狩ったモンスターの素材を売って今より良いの買うつもりだし
藍:ん〜〜〜分かったよ。今は何処にいるの?
夏:門の所で会いましょ、西門に行くから
藍:西ね、了解
ーーーー
藍は無装備でも強いと思う、私よりゲーマーだしね。操作とかは生身と変わらないけど。
ムテン:じゃあ行こうか
カゲツ:今更ですがそのお名前にしたんですね
ムテン:ああ昔に言われていただろ?もう1つの話だからこうしたのよ
カゲツ:作用ですか
ムテン:この名前を付けたのってカゲツだった?
カゲツ:確か臣下全員で投票してその中から選んだ筈です。私は覇道王にしました
(凄い名前だな…他にもどんなのがあったのやら)
ムテン:分かったよ、ありがとう。少し思い出してたんだ
カゲツ:無天……素晴らしい名前ですよ
(凄い恥ずかしいな。さっさと門に行こう)
そう思い2人で西門へ歩いて行くと目の前に青髪のエルフが立ち塞がる。胸がボインボンだな、確実に藍だな。
ペルシャン:止まれぇ!ここから先は行かせんぞ!
ムテン:そう………じゃあ死ね
持っていた呪いの魔剣の方で斬りかかる。安全圏無いなのでダメージは入らないが攻撃は当たるので斬りまくる。
ペルシャン:ちょ、まっ、待って、ちょ、や、やめろ〜〜!
ムテン:藍に免じて辞めてやろうか………だが断る!
ペルシャン:辞めて〜!ダメージ入らないけど、剣道で優勝した人の剣裁きを目の前だ受けるのは怖すぎる!
ムテン:是非もない
ペルシャン:精神の方が壊れるから辞めて!
仕方ないので止める。ペルシャンは顔を屈めてうずくまっている。
(ふぅ、良いストレス発散になった)
ペルシャンは涙目で顔を上げる。おぉ、ここまで再現出来るとは凄いな。
起き上がってきたペルシャンは私を叩いてくる。
ペルシャン:辞めてよ!本当に怖いんだから
ムテン:是非もなし
カゲツ:流石ムテン様です
ペルシャン:そこ!褒める所じゃない!
ムテン:まぁそんな事置いといて、エルフにしたんだね
ペルシャン:酷い!まぁ魔法上達が楽なエルフにしたよ。ムテンは竜人かな?
ムテン:竜人だよ、カゲツは三毛猫の獣人だね
ペルシャン:武器が杖って事は………魔法士だよね?
カゲツ:はい、私は攻撃メインにするつもりです
ペルシャン:そうかぁ、獣人は魔法よりは近接戦したほうが良いんだけどね
ムテン:カゲツは物理もいけるでしょ?
カゲツ:はい、出来ますね
ペルシャン:それはリアルでしょ
ムテン:いけるでしょ?私も魔法使えるようにするつもりだし
カゲツ:はい、魔法(物理)ですからね
ペルシャン:違うそうじゃ無い!
リアルが反映されやすなら尚更するべきだ。前世では魔法は使ってたから感覚で分かりそうだし。
ペルシャンはため息をついて口を開く。
ペルシャン:まぁ良いか。2人ともリアルで化け物だしね
ムテン:酷いわね、何処が化け物なのよ
ペルシャン:成績優秀、県大会で優勝するくらい運動万能………何処が化け物じゃないと?
カゲツ:ムテン様なら当たり前だと思います
ムテン:ありがとカゲツ
カゲツ:ムテン様……
カゲツは目を輝かせてこちらを見てくる。前世では多く見た目だ。
そこにペルシャンが手を叩いて割り込む。
ペルシャン:はいはい、百合しない!もう、2人は化け物なの分かった?
ムテン:うん、納得出来ん
(百合って花かな?)
カゲツ:化け物では無く、神ですよ
ムテン:おいおい、それはダメだぞ。こちらの神々に失礼だ
カゲツ:そうですね、すみませんムテン様
カゲツと私はこの様なやり取りをしているとペルシャンが痺れを切らす。
ペルシャン:もう!全然進まない!ムテンのステータスどうだったの?
ムテン:スキルが2つあったぞ。ペルシャンは?
ペルシャン:2つ……私は無かったよ。で、どんなスキルなの?
私は悩む。
(言いたくない。前世の事言ってるみたいだし……よし、まだ言わない事にしよう)
ムテン:まだ言えないかな
ペルシャン:えー!分からなかったら、パーティーで戦う時に支持できないよ
ムテン:使えるのと使えないのがあるの。だから使えるのだけ言うね、効果は一定時間のスタン
ペルシャン:え?初期で強すぎない?
ムテン:強いと思う、もう1つは使えないけどね
もう使えない事にした、ステータス上昇だし問題ないよね。
ペルシャン:良いなぁー、私も欲しかったな
ムテン:確かやっていると取得出来るんだよね
大体のゲームも同じだが、スキルは取りたいスキルと同じ行動をやっていくと増えていくらしい。
ペルシャン:そうだよ。けどユニーク系はそう取らないだろうな
ムテン:やっぱりそうなの?
ペルシャン:ユニークはその種族でしか取れないものや、その人しか取得出来ないスキルがあるらしいからね
ムテン:へぇー例えば何があったの?
ペルシャン:ホームページに載っていたユニークスキルでは、エルフなら森の中では楽に動ける様になる「森歩」や、猫の獣人なら言葉の意味通りの「柔軟」、竜人なら竜独特の魔法「龍脈」を覚える事が出来るらしいよ
ムテン:龍脈なんか取りにくそうだけど
ペルシャン:私もそこは竜人の穴だと思う。龍脈はかなり使えそうだから、それに応じて取得するのもかなり難しそうだもん
ムテン:ありゃ、失敗したかも
ペルシャン:ムテンは大丈夫でしょ、元が強いから
カゲツ:ムテン様なら大丈夫です、逆に簡単に覚えそうですから
私が少し落ち込むと、2人とも慰めてくれる。良い親友と妹を持ったものだ。
ムテン:慰めてくれてありがとう、よし今から狩って心を戻そう!
私は心を高ぶらせて門の方へ歩いて行く、後ろでは2人顔を合わしてため息をつく。
ペルシャン:慰めては無いんだけど……
カゲツ:まぁムテン様らしいですけどね
ペルシャン:らしいね
ムテン:おぉーい、行くよ!
ペルシャン分かってるよ
カゲツ:今行きます
2人はムテンの後を追い門を抜ける。
その先は森となっており、木々が広がっていた。
(おぉ、凄いちゃんと森の匂いとかもするんだな)
ムテンは後ろにいる2人に振り返る。
ムテン:さて、今から狩をするんだけど、前衛私しか居ないから気をつけてね
カゲツ:ムテン様は後衛の事は気を使わずに大丈夫です
ペルシャン:いや、気を使ってね!
ムテン:分かってるよ
少し森の中を進む、下に落ちてある枝も踏むとパキッと音がなる。暫く進むと奥の方から音が鳴る。何かがいるみたいだ。
3人同時に止まりすぐに近くの木に隠れる。
ムテン:私が1人で行っていい?ここら辺は弱い筈でしょ?
ペルシャン:え?大丈夫………大丈夫か、どうせASOでの機動を試すんでしょ?
ムテン:そうそう、じゃあ行ってくる
近接戦の私は機動力が必要だ、これは毎回どのゲームでもやっている。
私は剣を2本抜き構える。
(昨日までやってたけど、また格ゲーやりたいな。けどオンラインでやったら煩いしなぁ……今は関係ない!さて殺るか)
その場から飛び出し、目的の者をすぐに見つける。そこには何かガサガサと地面を探している緑色の小鬼、ゴブリンがいた。
私は剣を横に持ちゴブリンの首めがけて薙ぎ払う。簡単に首が刎ね地面に転がり、体はポリゴンとなって消え、その場にゴブリンの素材が落ちる。
私は周りを警戒したが何もいない様なので警戒を解き2人に知らせる。
ムテン:終わったよ
ペルシャン:やっぱり早いね
カゲツ:流石です
ムテン:かなり弱かったよ、首チョンパ出来るくらい
ペルシャン:出来るのはムテンだけだよ
ムテン:そう?頑張ればみんな出来るよ
ペルシャン:……はぁ、それで素材は?
私は素材を拾い確認する。素材は全てアイテムバッグに入れれるようになっている
ムテン:ゴブリンの角だね
ペルシャン:典型的だね
ムテン:他は無さそう
ペルシャン:レアドロップもある筈だし、人が居ない内に頑張って狩まくろうか
ムテン:手分けしてやる?
ペルシャン:ムテンは1人でも大丈夫だと思うけど………カゲツもいける?
カゲツ:ムテン様よりは劣りますがゴブリン程度なら魔法(物理)でいけますね
ペルシャン:そうですか……じゃあ二手に分かれようか
ムテン:集合は1時間後に噴水で、じゃあ私こっち方面
ペルシャン:じゃあ私達も行こうか
カゲツ:では後程会いましょう
私は進行方向の少し左、ペルシャン達は右を歩いて行く。
(さぁてもっと強いの居ないかなぁ)
自身で出来る「索敵」を使う。
あれ?いつものように使えちゃった。
(………ASOで使えるんだ………リアル反映されるって言ってもねぇ………あまり戦闘ではあまり使わないでおこう、面白みが無くなる)
すぐにゴブリンを見つける。今度は五体いるようだ。
私は自身のスキルが使えるならと思い、「神速」を使う。木々を走り抜け、ゴブリンがいる場所から50mぐらい離れている所でジャンプする。
先程まで走っていた分の速度がそのまま残っているので、そのまま木々を飛び越えゴブリンの所に落ちる。
落ちる瞬間に二本の剣でゴブリンを二体首を刎ね、残りの三体がこちらを向くが先に一体の後ろに回り込みまた首を刎ねる。
流石に残りの二体はこっちに向いてきたので剣を構える。
数秒睨み合っていると、片方のゴブリンが痺れを切らし、棍棒を持ち上げ襲いかかってくる。
(痺れを切らして突っ込んでくるのはいけない)
私も一瞬で近づく、ゴブリンは持ち上げた棍棒を振り下ろしてきたので、左の魔剣で流し右手の日本刀で頭を貫く。
そのまま日本刀を離し、後ろに居たゴブリンに一気に迫る。ゴブリンは意表を突かれたようで動かないので、すぐに首を刎ねる。
「よし、終わり」
一応周りを警戒したが居ないようだ。
全てのゴブリンがポリゴンとなって素材に変わる。日本刀は地面に刺さっていたので引き抜く。
「機動性はリアルとほぼ同じ、ラグが無いね」
(落ちた素材は………角とゴブリンの骨?使えるの?)
私は疑問に思いながら全部回収したのだった。
(さて次はどうしよったかな……ん?)
索敵に何か引っかかった、かなり大きいゴブリンと比にならない大きさだ。
(こっちにくるか………まだ早いから逃げるか)
私はその場から索敵に引っかかった方とは反対に走って行くのだった。
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「ガァラララァァ」
1匹の赤く長い蛇は森林を進む。
先程はここに居たと思われる戦いの痕跡があり、血の匂いもする。
獲物はすぐそばにいる。そう確信している蛇は森林を進む。
絶界森林の王者にしてグランドモンスター【サマエル】は森林を進む。サマエルは確信している、獲物はもう既に罠に掛かっているのだと。
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こちらも出来れば読んでください。
少しネタバレが入るかも知れませんが