いざ新世界へ
私は電子世界の様な所にいる。
私はこの世界がどの様な仕組みになっているか毎回新しいゲームで調べている。
私が周りを見渡して考えていると目の前に綺麗な金髪の女性が現れる。
《ご利用有難うございます。お客様は初めてのお客様ですね。キャラクター製作に移ります》
ほぅ、凄い。今目の前にいるNPCも町で出会っても普通の人のように接しそうだ。それくらいリアルだ。それにこの人は………。
そう考えていると目の前にウィンドウが現れる。
《そちらの中から種族をお選びください》
私は前から決めていた竜人を選ぶ。
《竜人でよろしいですか?》
「お願いします」
《では次に職業をお選びください》
これも決めている騎士で行こう。
《騎士でよろしいですか?》
「お願いするよ、あと次からは別に聞き返さなくてもいいから」
その言葉にNPCは唖然となり固まってしまう。私を見て少し笑った。
『初めてその様な事を言われました。お客様は優しいのですね』
「私も前までのゲームではそんな発言しなかったよ」
その発言に女性の顔が鋭くなる。
《あなたはそちら側の人ですか》
「言ってる事は分からないけど多分違うよ。前はそうだったかも知れないけど」
《白々しいですよ、私を見破る事なんてこの地球上にいるのやら》
そして女性は私を睨みつけて来る。
私は警戒を解くために言う。
「大丈夫だよ、私は言わないから。私はただこの世界で遊びたいだけだからね」
女性はその話を聞いて考えてる様だ。こちらには警戒を解かずにだが。
少し待つかと思っていると直ぐに口を開いた。
《分かりました。その事が広まった場合、あなたはこの世界に来れなくなるようになります。分かりましたか》
「問題ないよ、言うつもりは無いからね」
《分かりました。では次に性別はどちらにしますか?》
「え!?性別変えれるの?」
『はい、変えれますよ』
「確か声は無かったんだよね」
『はい、プレイヤー同士はチャットで、NPCと話すときは声が入ります』
「へぇーそうなんだ」
《お客様は説明書を見なかったんですか?》
「いや〜事前にホームページとかで見てたけど性別の事は知らなかったわ。まぁ性別は変えない方で」
《分かりました。では次にキャラクターの外見を作ってください》
またウィンドウか現れる。顔から足まで全て弄れる。まぁ私は髪の色を前世と同じで銀髪に変えるだけでいいかな。初めて分かったが竜人は側頭部に角が生えている様だ。尻尾は………無いのかな?
「終わったよ」
《分かりました。では最後にお名前をお決めください》
名前か………前のゲームの名前でもいいけどこのゲームのタイトル通り、もう1つの話でも作って行こうかな。
「じゃあ名前は『ムテン』にしよう」
《『ムテン』ですね、分かりました》
この名前は昔に呼ばれていた事がある。『無天』天に我以上の者は居ないと言う意味らしい。臣下が付けてくれた名前だったかな?それか民達かな?まぁどれでもいいや。
《ではムテン様、ステータスはあなたの力を反映して調律します。ではムテン様のもう1つの世界をお楽しみください》
「そうだ名前は?」
《名前ですか………ヤミとお呼びください》
「ヤミね………ヤミありがとう!また会えたら会おうね」
それに少し笑いながら返答する。
《…本当に変わって居ますね。分かりました、ムテン様また会えるようにこちらも頑張りますよ》
そう言われながら私はその場から消えて行った。
その場で最後まで見送ったヤミと名乗る女性はムテンについて考え始めた。
《ムテン様………あの方はどのような人なのでしょうか、私を見破るなんて………ダメですね、個人情報は調べてはいけませんね》
そう言い、ヤミは新しいプレイヤーの元に移動するのであった。
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私は目に光が入ってきたと思い目を開ける。
「おぉー!凄い、ヨーロッパの街並みだな、それよりは前世の街並みの方に似ているか」
現代の風景とはかけ離れた様な街並みだ。
私は早速、妹と藍に連絡する。
ーーゲーム同窓会ーー
夏:こっちはインしたよ
秋:こちらは先にインしてます
夏:藍は返信が来ないからまだかな?
秋:では先に集まりましょう、今は噴水の近くにいる猫の獣人です
夏:分かった、今行く
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私はチャットを切り、町を散策して3分後に噴水を見つける。がプレイヤー達で賑わっていた。
(えっと獣人は………どれ?)
私が悩んでいると1人の女性の三毛猫の獣人が走って来る。輪郭とか目が秋保に似ているな。名前はカゲツか、自然大好きだもんね。
ここでのチャットは声認証で自動に打ってくれる為楽である。
チャットは自分の見ている横に表示される。話したい人以外は映らないようだ。
ムテン:秋保だよね?
カゲツ:はい、お姉様はすぐに分かりますね
ムテン:まぁ髪の色を変えただけだもんね
カゲツ:お姉様は変えない方がいいです。そのままが一番美しいですし
ムテン:わかったよ、秋保は職業何にしたの?
カゲツ:魔法士です。お姉様は前に出る職業だと考えたので
魔法士は進化すれば魔法師、魔導士、魔導師になれる職業である。他にも進化する職業はある。私が選んだ騎士も聖騎士などに進化する。
ムテン:藍は後方支援型で春香はタンクしてくれるからパーティーは揃ったね
カゲツ:これからどうしますか?
ムテン:まず武器でも買おうよ。武器無しでは戦えないしね
カゲツ:お姉様はステータスを見ましたか?
ムテン:あっステータスは見るの忘れてた
私はウィンドウを開きステータスを確認する。
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名前:ムテン
職業:騎士
種族:竜人
レベル:1
HP:580【+100】
MP:480
STR :250
VIT :110
AGI :250
DEX :70
INT :180
装備
装飾:なし
頭:初心者のヘルム
胴:初心者の胴着
右腕:初心者の籠手
左腕:初心者の籠手
脚:初心者の脚具
靴:初心者の靴
ユニークスキル
竜神の加護lv-、覇王lv1
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(は?なんじゃこりゃ?スキルがなんだこれ?竜神の加護と覇王………は?)
私はウィンドウのスキルを押すと説明が書かれている。
竜神の加護:竜神たる者が持つスキル。ステータスを増やす。自身のレベル毎にステータスの増える量が増す。
覇王:覇王たる者が持つスキル。相手を威圧してスタン出来るが、自身のレベルが相手より低いと失敗する。このスキルのレベルを上げるとスタン時間が増え、他にも効果が増える。
なんだこれ?前からゲームやってたけどこんなチートスキル初めて見た。自身の力を反映って言ってたけど強すぎだろ!
ムテン:カゲツはどうだったの?
カゲツ:私はステータスは平均より上昇していますね、平均は全て50だそうです
(はい私壊れだな。いやまだだ、カゲツのスキルはどうだ?)
ムテン:カゲツのスキルはどう?
カゲツ:な、無いですね
ムテン:え?そうなの?
カゲツ:はい無いですね。うん無いですよ
そうか無いのか。カゲツを見てみると凄くテンパってるがどうしたのだろう?
ムテン:まぁステータス確認したし武器買いに行こうか
カゲツ:はい、確かその角の所に武器屋があります
私達は噴水から離れて武器屋に向かう。簡単に武器屋は見つかった。店前に武器を樽の中に入れ置きまくっているのだすぐに分かる。
ドアを開けて中に入る。店には誰も客がおらず、店長のおじさんが1人剣を研いでいた。
「すみません。片手剣と魔法士用の杖を打ってくれませんか?」
「金は?」
「どちらも1000マル以内で」
プレイヤーは初めに1500マル貰える。このゲームは結構リアルで安全圏の場所でしかログアウトできない。しかもログアウトしてもその場にキャラクター自体は残るので宿に泊まらないと他のプレイヤーに何をされるか分からない為、500マルだけ残してあるのだ。
店長のおじさんは1つの樽を指差す。
「あそこの中なら600マルだ」
「分かりました」
600マルなら二本買えるかもカゲツに借金するかもしれないけど。
私達は樽に近寄って見始めた。
さて物色するか、これでも元竜神、鑑定は自身の目で出来る。
(これはダメ、これもダメ、おお!これなかなかいいんじゃないか)
選んだのは刀身は少し黒く、柄はボロボロの刀だ。結構良い物だ、怪しくなって聞いてみる。
「これ、本当に600マルでいいの?」
おじさんは感心したように答える。
「ほぅそれを見つけるか………いいぞ、持っていけ」
「ありがとおじさん」
最大笑顔で返して、カヅキの方を向く。
おじさんはすこし驚いている様だった。
本当にリアルだ。感情があるなんて本物みたいだ。
ムテン:カヅキ見つかった?
カヅキ:これなんてどうでしょう
カヅキが見せてきたのは、大きく捻れた杖であった。
他の杖を見る限りこれが一番良さそうだ。
ムテン:良いと思うよ
カゲツ:よかった、鑑定力は衰えてませんでした
ムテン:私もだよ
私は無駄だと思うけど一応聞く。
「これも良いの?」
「それも見つけるか…いいぞ」
また感心して少し驚いていた。
私は二刀流にするつもりだからあと一本選ばなくては。
(これは………魔剣かな?)
「おじさんこれは?」
「それは………やめておけ、小娘には持つのが早い」
この魔剣だが多分呪われている。凄く掃除したい気分になるからだ。
けど私は扱えると思うから貰おう。
「大丈夫だよ、私なら扱えるよ」
「鑑定力はあるが、その魔剣の恐ろしさは分からんだろ」
「呪われてる事ぐらい分かるよ。逆にこれくらいの物を扱えなくて何が覇王だ」
少し威圧しながら言う、さながら覇王だ。
おじさんは少し目を細めてわたしを見る。
「ほぅ………いいだろう、持っていけ、ただし扱えないと思ったらすぐに持ってこい」
この人本当に優しいな。私はあなたみたいな人好きだよ。
私は1200マル、カヅキは600マルを出す。
「ありがと、じゃあ支払いの合計1800マルだよ」
「毎度………武器の整備などはするからたまに来い」
「ありがとおじさん、また来るよ」
そう言い武器屋を出る。いい買い物が出来たから次はモンスターでも狩りますか。
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