森林競争
私達は森の中を進んで行く。
今のところは何も起こってないがこの魔石が原因で何か起こるんだろう。
私は同じ事を反芻して考えていると目の前に進んでいたカミルが止まる。
ムテン:どうしたの?
カミル:この先にゴブリンが10体いるんだけどどうする?
カミルの先の方を見る、道の奥の方にはゴブリンが何かを囲んで何かをしている。
ペルシャン:これは魔石のせいかな?
ムテン:違うのと思う、あれ何してると思う?
ペルシャン:何かを見てる感じだね
カミル:その何かが気になるところだけど
ムテン:私が一掃してこようか?
ペルシャン:いや、ここは魔法士の実力を見せてあげる、カゲツ私にバフって!
ムテン:うわぁーそこは1人でやって欲しかったなぁー
カミル:まぁまだレベル的にゴブリン10体相手にするのも大変だからムテン以外はバフるのは普通よね
カゲツ:………そうですね、ムテン様は強いですから問題無いですが私達はまだ弱いですからね
ムテン:ごめん、私だけ除け者にしないで!
ペルシャン:みんな嫉妬だと思うけどね、まぁちゃっちゃと掃除しますか
カゲツ:分かりました
カミルの後ろでカゲツが詠唱を唱える。
それより少し遅れてペルシャンも唱え始める。
「我が流す魔力は相手に注ぐ、魔法強化」
「炎よ、対象を焼き貫け、炎槍。死ねぇぇぇ!」
(ストレス溜まってたのか………)
ペルシャンの上に10本の火の槍が現れ、それらを全て目の先にいるゴブリン達にぶつける。
ゴブリン達は体に火の槍が刺さりすぐにポリゴンになった。
ペルシャン:呆気ない……
ムテン:ペルシャン……MP残ってるの?
ペルシャン:全然残ってない!
カミル:まさかの無計画!
カゲツ:私は残ってますよ
ムテン:カゲツは計画的だからね、信じてたよ
カゲツ:ありがとうございます
ペルシャン:私は信じられてない感じ!?
ムテン:信じてたよ、MPを使い切ると思ってた
カミル:同じく
ペルシャン:うぅ…仕方ないじゃん!私は攻撃方面はあまり育てて無いんだからね
ムテン:今更だけどカゲツがアタッカーだったね
カゲツ:はい、なので先程は驚きましたが、ペルシャンさんの意図を汲んで手伝いました
カミル:それじゃあカミルはサポートもアタッカーも出来るの?
カゲツ:アタッカーの方が専門ですね、サポートはさっきのくらいしか出来ません
ムテン:呪文とかは全部決まってるの?
カゲツ:はい、魔法を使う時にウィンドウに出てきます
ペルシャン:まぁ今使える殆どの魔法は暗記したけどね
カゲツ:私もですね
ムテン:へぇー詠唱破棄は出来るの?
カゲツ:出来ますね、しかしMPが減る量が多くなります
ムテン:デメリットはあるのか
ペルシャン:それより早くクエスト進めよ、ここで居ても進まないし
カミル:ペルシャンがMP無くなったのが原因だけどね
ペルシャン:すみませんでした!
ムテン:まぁここに居ても進まないし行こうか
私達はゴブリンの素材を取り、道をそのまま真っ直ぐ進んでいくのだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私達はまだ森の中を歩いている。さっきからモンスターも出てこなくなり私達はただ歩くだけの作業に少し飽き始めていた。
ペルシャン:歩くだけだね
ムテン:じゃあ競争でもする?
カミル:この道真っ直ぐだったわね、いいんじゃない?わたしやりたいわ
カゲツ:私もやりましょう
ムテン:じゃあやろうか
ペルシャン:じゃあさ、何か賭けない?
ムテン:何って………お金?
カミル:まぁそれくらいよね
ペルシャン:うーん………じゃあサマエルの素材で作れる順番は?
ムテン:私は圧倒的に不利益よね
カミル:それは面白いけどムテンが可愛そうわね………じゃあムテンが1位なら初めに作るって貰って払うお金をみんなが持つの、勿論最下位になるほど払う量は多くするけど
ムテン:私はそれでいいわよ
ペルシャン:よし、やるわ
カゲツ:私もやりましょう
ムテン:ルールは?
カミル:ルールはレベルごとにスタートを遠くにすること、だいたい1レベルで1mかな、あとスキル使用可能、魔法も使用可能、スタートは私が合図、それぐらいかな
ムテン:レベルはカミルが不利だからね、私はこのルールでいいよ
カゲツ:私もです
ペルシャン:同じく
カミル:じゃあ私がここから始めるから、みんな後ろに行ってね
カミルが地面に線を引いているので私達も後ろに下がっていく。カゲツのレベルは8、ペルシャンは15なので2人とはすぐに分かれる。
私はそのままだいたい50mの所まで来る。
カミル:………結構離れたわね、ムテンは今何レベルなの?
ムテン:48
ペルシャン:高っ!
カミル:追いつけるかしら…
カゲツ:私は追いついてみせます
ムテン:まぁ頑張ってね、それじゃあ始めようよ
カミル:じゃあ、よーい……………………
ドン!
それを合図にみんな一斉土を蹴り走り始める。
カゲツは魔法士だがすぐにカミルを抜く、ペルシャンもカミルにもうすぐ追い抜くだろう。
私はもうペルシャンとの距離が先程の5分の1までの距離だ、「神速」使ってるから早いんだけどね。
そう思っているとペルシャンとカミルを抜く。2人は私を見て大いに驚く。
カミル:え!はや!
ペルシャン:えぇ!まだ10秒も経ってないよ!?
ムテン:じゃあね
あとはカゲツを追い抜くだけだ。だが元竜であるカゲツだ、かなり早いがここはゲームの中だ、レベル差ですぐに追いついた。
カゲツ:早いですね、私はもうこれ以上は出ません
ムテン:じゃあ先に目的地に行っておくね
私はそのまま真っ直ぐ木の道を走って行った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
5分くらい同じ速度で走ったら、目の前の景色が広がり湖が見えた。
私は止まり周りを見ていると湖のほとりに人がいるのを見つけた。
(クエストのNPCかな、話しかけておこうか)
私はそう考えて近づく、近づいてわかったがその人は黒猫の獣人少女で、背中に使ってる人など見た事ない大太刀を背負っている。
私が話しかけようとすると相手からこの様な形で話しかけられた。
アンナ:こんにちは、あなたも老人のクエストを受けたんですか?
私がNPCだと思っていた黒猫の少女は右手に緑色の石を持ったプレイヤーだった。
まさかの別主人公の登場です。下の話の主人公です、こっちもよければ読んでください。
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