続く粗相
主な登場人物
わたし……語り手。晩婚
猫……りと オス 4ヶ月
ドクターK……かかりつけの獣医さん、卓球が上手
あずちゃんママまで行かなかった‼
暑い。平成最後の夏は暑い!でも例年ならば夏バテを起こしているのに、今年はピンピンしている。毎日一時間以上の猫散歩のおかげかな?ま、そんなことは単なる副産物だろう。
猫は刈り取りがすんだ麦畑を元気に走り回っている。毎日がこんな感じ。
……しかし、話の舞台はいまだ雪が深く積もる二月なのだ……。
猫のおしっこの匂いをご存じだろうか。
少量でも強烈に匂い、なかなか落とせない。なんせ、縄張りを主張するために付けるから、簡単に消えてはいけないものなのだ。
りとが最初の失敗をしたとき、わたしは「これは一度きりの失敗だろう」と思ったのは確か。
しかし、布団へ失敗してから一週間ほどしてから、またも旦那の布団に失敗。
短気な旦那が、いつ「捨ててこい」と言い出すかと思うと、わたしは必死で片づけにまわった。
失敗をさせないため、予防線を張ることにした。
まず、トイレの周期を把握。「大」は朝と夜の二回。これは必ず確認する。布団を敷いた寝室へは入らせないように、扉を閉めること。しかし、この扉を閉めるが徹底されず、何度か寝る間際におしっこされていることを見つけて、深夜に毛布の始末をするというはめに。
ネットで調べると、トイレが気に入らないというのも一因としてあげられていたので、もう一種類別のタイプのものをかつて来た。こんどは、システムトイレ。
システムトイレがどんなものかと言うと、砂……というよりセラミックの大粒のベビーチョコみたいなのが入れ物に敷き詰めてあり、底が引き出し式になっていて、そこへペットシーツを敷く(おしっこはシートに吸収されてすぐに固まるので臭いがしない。うんちは取り除く)
猫は相変わらずわたしと寝てたが、興奮して暴れまわるとその勢いのまま、粗相をするようなので、夜中の二時三時に布団の上で暴れ始めたら、直ちに起きて階下へわたしと一緒に移動。わたしはそのまま炬燵で朝まで休む……というパターンを毎晩続けた。
その間、たまたま掛かり付けの獣医さん(ドクターK)にお会いしたので、粗相の件を話すと、
「旦那さんの布団にだけ? うーん……嫌がらせ?」
と、一言。
「猫は一度オシッコしたところはトイレだと思って、何度もしますからね」
と、さらに絶望的なコメントを言うではないですか。かわいい、確かにかわいい我が家の猫は、この先ずーっとトイレを失敗し続けるのか!? ショックを受けているわたしがさすがに哀れと思ったのか、ドクターK最後に一言。
「去勢手術すると、おさまることがありますよ」
と。瞬間、目の前がぱあぁぁと明るくなりかけたが、猫はまだコドモ……。手術はいったいいつ? それに必ずなおるというわけでもなし。
そのうち、母が
「猫が捨てられたのはトイレが原因じゃないか?」
と言うようになる。しかしわたしの中には、いくらトイレを出来ないからといって、捨てるという選択肢は存在せず、イマイチ府に落ちずにいた。
しかし、猫の失敗はそのうち寝具ばかりではなく、炬燵布団へも拡大していった。
次回、あずちゃんママ(絵本[ぼくはクトゥルフ]の作者、Tくんのお母様)登場