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猫活!!  作者: たびー


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二匹と一人のコント

猫二匹だと、いろいろと難儀という回。

 名づけの理由を娘が言うには、「ハチワレの八はヤと読むから、やと」だそうで。

 ちとは某弘前が舞台の漫画に出てくる魔女のパートナー猫の名前でしょう。


 猫たちがやって来た翌朝、猫たちが見当たらなかった。ほうぼう探すと、二階のカーテンの陰で二匹身を寄せて寝ていた。しかし、わたしの顔を見るなり三毛猫のちとは「シャーッ」と威嚇の声を上げる。赤い口が耳まで裂けそうにして。やとは、その点別に唸りはしないけれど、だからといってホイホイ来るわけでもない。

 常にちとに寄り添っている。


「ごはん、食べてね」

 と、二人分のごはんを準備して、りとさんの時と同じく冷蔵庫の前に置く。

 すると、やとはすぐにやってきて食べ始めた。パウチとカリカリ、どちらもあっという間に平らげて、ちとの分にまで顔を突っ込む。

「ちょっと、ちょっと!!」

 止める間もなく、ちとの分まで食べてしまうやと。慌てて食べてしまうのは、半野良生活で身についてしまった習性だろうか。しかしちとは全く近寄らず、ごはんに手を付けない。

 困ったなあ……と思いつつも、仕事に出なければいけないので、猫たちを残して家を出た。


 仕事に出ても、猫たちのことが気になってしょうがない。それに、父母も兄も、「どんな猫だ、どんな猫だ」ととにかくうるさい。実家の家族全員猫好きだからしょうがないんだけど。ひとまず前夜に撮った写真を見せて我慢してもらった。


 さて、お昼休みで家に帰ると、またも姿が見えない。たぶん、どこかの陰だろうと探すと、テレビの裏側に二匹いた。

 一日中、そんな感じで姿を極力見せてくれない。唯一、ごはん時とトイレのときだけ、ささっと出てきてささっと済ませてまた隠れる。

 猫は警戒心が強いし、しかたないよね。りとが超人懐っこくて、ゼロ秒で打ち解けたのは本当に稀有なことだったんだから、と。


 そうこうしているうちに、娘が帰宅してきた。

「お母さん、猫たちを病院に連れっていったの?」

 と聞かれた。いや、行っていないと答える母。

「なんで? ダメでしょ、連れて行かなきゃ。健康診断受けさせて注射しなきゃ」

「だってさ、今も猫たちからの信頼度ゼロなのに、病院に連れて行ったら、マイナスになっちゃうよ」

「そんなことより、猫たちの健康のほうが大切でしょ。いいから、明日は連れて行ってね!」

 娘に諭されるわたしだった。

 その夜、猫たちは蓄暖機の上の隅っこで寝ていた。ちとが、シャーシャー言うのは相変わらずで、ごはんを食べないのが心配。反面、やとは食べ過ぎだし。

 どうにもね……。二匹のお世話するってこんなだっけ? とにかく、翌日病院へ行くことにした。


 翌日、水曜日。実家に猫たちを病院へ連れて行くから、遅れていく旨を電話した。

 さて、猫をケージに入れるか、とケージを持ち出してくると、ごはん中だった猫たち、何かを察してぱーっっと逃げ出す。

「あっ!」

 左右きょろきょろして、比較的おとなしいハチワレ・やとを捕まえて、ケージへ入れた。すんなり入れられた。さて、ちとだ。威嚇しまくりで逃げ回るちとをやっとこさっとこ捕まえて、さてケージに入れようかとというとき、はたと気付いた。

 蓋あけたら、やと出ちゃうじゃん!

 ええい、ままよ! と蓋を開けたとたんに、飛び出すやと。慌てふためき、ちとまで逃がしちゃうワシ。

「ちょっとまてぇぇぇぇい」

 再び、やとを捕まえケージへ。逃げ回るちとを捕まえ振り向くと、蓋を開けてやと逃走。

 何、なんなの、このコント!!

 やっぱりケージ、二個必要じゃないか? しかし、今ここには一個しかない。そういえば、洗濯ネットに入れたらいいって前にテレビで見た。

 風呂場から一番大きな洗濯ネットを持ってきて、まずはやとをケージへ。それから素早くちとを捕まえて洗濯ネットへ。

 連れて行く準備段階で、すでにヘトヘトになってしまった。しかし、本番はこれから。猫たちを車に積んで、いつものドクターKの病院へ。


 片手にケージ、片手に洗濯ネットで病院へ行くと、奥さんが

「また猫飼ったの?」

 と驚かれた。りとがなくなったことはホンの数週間前に伝えていたので、びっくりしたようだった。

「Sさんに紹介されて」

 わたしが説明すると、奥さんはすぐに理解して苦笑い。待ち時間もなく健康診断をしてもらった。

 実は、ちとの避妊手術もドクターkが執刀したということで、ちととは顔見知りだった。Sさんは、ちとのことを「みみちゃん」と呼んでいたので、仮カルテもその名前であった。


 診察の結果、二匹ともノミもダニもついていなくて、お腹の中もキレイで虫はゼロ。ワクチン注射をしてもらった。体重は、やとは三キロと少し。ちとは二キロと少し。ちとは左目をつぶっていたので診てもらったら結膜炎だったので、その薬も貰って帰宅した。


 帰って猫たちを自由にすると、またも蜘蛛の子を散らすように身を隠してしまった。

 ああ、信頼度ゼロからマイナスへ。とほほ。


 猫たち、慣れてくれるかな。うちの家族になってくれるかな。


本日、2019.6.22は猫ズが我が家へ来て二か月の節目でした。

かわいいです、かわいいです。

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