表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫活!!  作者: たびー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/32

おはようから、おやすみまで

初雪ふりました。

月がきれいな季節です。

つーか、寒いわ。

 猫の朝は早い。

 猫飼いの朝もまた。

 夏なら三時くらい、冬に向かう現在も五時前後にはクローゼットの扉かドレッサーの鏡部分を「しゃっかしゃっかしゃっか」と爪を出さずに引っかき、起きて欲しい旨をアピールする。

 よろよろ起きだしたわたしは、階段を踏み外さぬよう慎重に階下へ降りて、ご飯の有無を確認してからコタツで寝る。

 モバイルのタイマーで起きて、わたしはご飯とお弁当を作る。

 そのころになると、猫は適当に一人で遊ぶ。お気に入りのおもちゃ→紙を丸めたものや、ちいさなマスコットなど。わたしも料理をしながら、ときどきおもちゃを放り投げる。猛スピードで追いかけてじゃれている音を聞きながら、わたしはお弁当テトリスを作り上げている。

 夫が起きてくる。ひとしきり、猫にちょっかいを出す。抱きしめて嫌がられる。

 娘が起きてくる。ひとしきり、猫に以下同文。

 家族がご飯を食べている間も、たいてい一人遊びを続行。ついでに爪を研ぎ、トイレで大を済ませる。大をすませると、気分がスッキリするのか、遊びのギアチェンジが起こる。食器の後片付けをするわたしの足に飛び掛かったり、制服を着た娘に抱っこされたがったりする。

 その後は、とにかく一度でいいから外へ出してほしいと、ヒートアップするとわたしの手足をかじったりするので、これには閉口。

 しかし、娘も夫も出てしまうと、ちょっと落ち着く。わたしが洗濯物を干すのについてきたりするけれど、飽きるとコタツへもぐりこんでしまう。

 わたしも、仕事に出かける。そっとそっと、。リビングの扉を閉める。


 昼、わたしは昼休みで帰宅する。

 猫はたいがい、寝ている。コタツの中だったり、籠のなかだったり、爪とぎのうえにだったりする。

 お昼のご飯は皿の中をのぞいて、足りないようだったら少し足す。見ていると、食べたり食べなかったりでムラがある。わたしは、猫を起こさないように、そーっとご飯を用意してさっさと済ませる。


 夕方、わたしが仕事から帰宅。リビングの窓のところで外を見ていることがある。車から降りる前から猫と目が合ってしまう。

 そんなときには、外へ出たいときだけれど、こちらの都合もある。

 都合がつくときには、短い時間、外を歩く。通学路を散歩するので、下校する子どもたちに「カワイイ」と声を掛けられることが多いが、猫本人は子どもは苦手らしく、ぺたんとうずくまる。

 散歩から帰ったら、オヤツをあげる。夕飯を作る。ついでに猫にもお夕飯。


 夕食はなるべく早めに終わらせて、猫待望の散歩時間を迎える。

 ご飯を食べているときから、リビングの扉をカリカリしてアピールしたり、階段を数段登って監視するごとく、きりっと座っている。

 無言のプレッシャーを感じつつ、パパっと食事をすませるわたし。

「さあ、散歩だよ!」

 ライト付きのリードを装着して、わたしはモコモコに厚着をして、いざ出発。

 夏は虫よけスプレー、冬はひたすら防寒着。田舎ゆえ、八時過ぎなど人影もなく。

 わたしはラジオを聞いたり、スマホでツイッタを覗いたりしながら、一時間前後の夜散歩は欠かさない。

 しょうじき、シンドイ。夏は虫に刺されるし、猫に引っ張られて蜘蛛の巣に突入しちゃうし、蛙や蝉は捕まえてくるし。冬はとにかく痺れるほど寒い。夜露が凍って、月光を浴びてキラキラ光るのをみる。草のうえなど、あるくとサクサクと音がする。いつの季節も我慢大会だ。

 それでも頃合いを見計らって、猫を抱っこして帰宅。強制終了。戻ったら、またオヤツを少々。

 あとは、わたしは家事を片付け、猫は毛づくろい。

 わたしがお風呂に入っている間は、浴槽の縁に座っていることが多い。

 家族の中で一番先に布団へ入るわたし。

 読書灯をつけて漫画や文庫を読んでいると、左の頬にフワフワしたものが当たる。

 猫がいつのまにか、来ている。わたしの頭の左側に、くるっと体を丸める。猫の後頭部がわたしの肩にちょこっと乗る。

 ふわふわとして、ほんのり温かくて。

 ああ、世界一幸せだなあ……。そんなふうに思う。読書灯を消して、わたしも眠る。散歩の苦労など忘れて。


 猫が、家に来てくれて、よかったなあ。そんなふうに感じながら、目を閉じる。


 そして、また朝が来る。


問 「冬になったなら、猫の散歩時間は減るのだろうか」

答 「変わらない」


以上!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
web拍手 by FC2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ