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法の外の存在の世界……
何も浮かんでこない。警察とかそういう類の者はいないのだろうか。
そんなことよりも寝床と風呂が欲しい。とりあえず、健康状態をバックアップしておく……か。敵はどこにいるんだろうな……
僕が街に繰り出そうとした時、何か硬いものが崩れる音がした。その少し後に、咳払いをしながら中年の男性が浮かび上がる。
「グフッ……待って……疲れたわ……やあ。俺は……雄二。吉田雄二だ……機能力を持ってる……」
壁を壊したことに疲れているのだろうか。それとも、能力の影響なのだろうか。なるべく慎重に。命のバックアップは取ってあるが、一度やられたらもう武器の一つも持ってない僕はアウトだ。
「どうして……僕の前に?」
「お前さんを追跡した……から?」
追跡……そんな機能があったとしたら……なんだろう。GPS系?相手がもし拳銃を持ってたらここで間違いなくゲームオーバー。逃げても能力が追跡だし直ぐに捕まって終わり。
あっ
「詰んだ……と思ったでしょ?」
大当たりだ。ニヤニヤした顔で吉田は嬉しそうに言っている。もしかして、この世界で一番最初に死ぬの自分なんじゃない?
「お仲間になるために来ましたー。とか言っても?」
「えっ」
なんだろう。上辺だけでつるんで、不必要になった瞬間に切り落として、下手に利用して……いつからか信じられなくなっていた仲間……自分の勝手な苛められていたという一つだけのしょぼい理由だが、あまりなりたくないものかもしれない。
「信じられないよね?じゃあ俺の情報殆どバラしてやるよ。ほら。仕事で眠くて右の小指切っちゃったの。おかしいよね〜。それでもう仕事辞めた。あとほら俺の能力、探知機能。あとは鳥が好きなのと……働いてない」
急に吉田の顔が暗くなる。自爆とかいうやつなのか。仕事で……右の小指を切った?
こいつ……ヤーさん!?
「多分考えてる事はなんとなくわかる。違うよ」
なんの仕事かは聞かないようにしておこう。これからも。
「よろしく……願うぞ」
「変な喋り方だねぇ〜」
これからは2人で……敵を潰す。といっても、戦えそうにないんだけれどね。
「どうやって壁を壊したんぞ?」
「んーとね。わかんない!」
人と喋るのは久々だが、この嫌な世界を忘れさせてくれる。何か空いた何かを埋められている気がする。
「……さて。俺らを襲おうとしてるやつらから逃げる……か。特定能力……発動」
「かっこいいねぇ〜能力……発動!だって」
「待て……構えろ。いや……伏せろ!」
吉田がそういった瞬間に、僕だけ首が弾け飛んだ。死んでるのに前が見える。血の気が引いた吉田の顔を見ただけでも満足だ。さて。いつ戻ろうかな。死んだ瞬間に戻るけど、意識はギリあるからなんか心配ぞ。
「お前……誰だよ」
吉田はそういうとボヤけてよく見えない機械を取り出した。
「こいつはなぁ……超火力・チ〇ッカマンのか〇んちゃんカラーだ。俺の機能力、アップグレードでこいつの火力は最大!5秒以内に発射する。謝れば許してやるよ」
ブラフか……?それとも、特定機能は嘘……?それとも、複数所持が可能な機能力?
正直、一瞬吉田への信頼が消え失せ……あっ……血が回らん……
「復活ぞ」
さて……ここからどうするか。僕を一瞬で殺したやつを武器の一つもなしに一瞬で気絶以上のことを出来るのか?
考えてたら死ぬ。よし、謝るか
「ごめんなさい許してください」
僕は勢いよく土下座をした。吉田の隠し持ってる拳銃が相手に丁度当たる場所をしっかりと開け、相手のスキも取った。あとは吉田がどうするか……だ
「そうっ」
吉田はポケットから拳銃を取り出し、完璧な手順で弾が発射され、気づいた時には相手に当たっていた。相手のフードが取れ、顔が伺える。
「ふぉっ……目が……ぬふうっ……」
「俺のエアガンはどうだったか?痛いだろ」
「左目を……共有……」
聞こえないが、そんな風に口をうごかしていた。僕に対する悪口で、いつからか全ての言語は口パクで聞こえるようになった。
……ん?
急に僕の視界が悪くなった。左目の視力が無くなった……?
命のバックアップはもう終わってしまった。左目は諦める……か。さて、見る限り相手は共有機能。共有……?気づいた時には相手の手が僕の肩に触れていて、
「バックアップ機能を共有。俺の存在をバックアップする。」
やられた。しかしバックアップは簡単に突破できる。完了するまでに2回殺せばいいだけだ。とはいえ、2回どころか1度も殺せるような物はない。
「必殺……首絞め」
吉田が相手の首を締め始めた。でも、喋れなくさせない限り、死を共有されて、吉田は死んでしまう。なら
「僕の左目を治してくれるなら君を生かして逃げてやる。どうだ?わかったなら僕の左手を1回叩け」
相手は力無い動きで僕の左目をそっと治し、吉田は首絞めをやめ、肩と脇の場所を腕を使いぐっと掴んだ。
「ふざけるなよ!いい加減にしろこの髭野郎が!」
相手は結構怒り、吉田のことを今にも殺しそうな目で見ている。
「おめぇさんも髭だろうが」
そう言うと吉田の力が強まったのか、もう相手は抵抗するのをやめた。
「やっちまえ……えっと……お前さん誰だっけか」
あれ。名前言ってなかったっけ。
「須藤光。光でいいよ。」
「よし。じゃあ光。あいつの肘の関節をもげ。やり方は先端掴んで体重乗っけて肘でどしんだ」
相手はヒィッと小さな声を上げ、僕は手を握った。
「んー……やっぱ捻れ。左に2回転だ」
僕は言われたとうりに左回りに手を捻った。相手の目からは涙が零れている。
「これでどうだ?バックアップは相手が手で触ってなきゃ発動できねぇ。お前さんはもうゆっくり舐れるぞ。次は右だ」
僕は必死でじたばたする相手に触れられないよう慎重に右手首を3回転分捻った。相手はもう泣いてわけわからない声を出している。やりすぎたか。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃ……」
やめてあげようか。もう機能力は使えない一般人だし、
「よし。吐かせるか」
拷問か、物理的か。悩んだのは一瞬だった。
「さて……聞きたいことがいくつかあるんだけれども」
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