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不安とサンドイッチ

久しぶりの更新です。ペースは遅いですが再開します。

「確かに捜索部隊が分かれていても、連絡がとれるものがあれば便利だが…。」


里の図書館でタリスさんと向き合いながら話し合う。


「別に魔道具を作りたいとかじゃなくて、一時的にでも会話が出来る薬…とかできないかなぁって。」


話していて無茶なことを言ってる自覚はある。薬飲んだら連絡とれるってどんな薬だ、て話だし。


でも、この巨大な森の中での捜索で役に立ちそうなのって、やっぱり通信手段だと思うんだよね。


「もちろん緊急事態でそのような薬があれば役に立つが、もし実現するとしてもそれは鍛治師の領分だ。あくまで薬は治療や人体の能力向上が目的だ。」


さすがに無理かー。がくりと項垂れる私。

ファンタジーな世界でも、すぐにそんな便利なものでてこないよね。



「魔石にそんな機能があるって聞いたことはあるが、すぐに手に入れるのは難しいだろうな。」


外回りから外されて、力のある里の住人も捜索にあたっているために大工仕事もないので、暇を持て余したリトも図書館へ来ている。


「ぱんぱー!」


「あ、わりぃ。えーっと、『勇者はドラゴンの王様に尋ねました…』」



私の隣で、勇人を抱っこしながら絵本を読み聞かせている。


勇人はまだ意味はわからないはずだけど、リトに読んでもらうことが楽しいのかご機嫌だ。


本来ならこんなに会話していい場所じゃないんだけど、人が出払っているので貸切状態なため、特に注意も受けない。



「アイデアを考えることもいいですが、確実なもので貢献する方が案外役にたつかもしれませんよ。」



タリスさんの言葉を受けて、最近教わっていた薬草学のレシピで、ポーションや薬を作ることにした。


傷薬、疲労回復薬、魔力回復薬、リフレッシュ薬、精神安定剤などなど。ポーションタイプと錠剤タイプと、摂取の仕方に合わせても量を作っていく。



私がポーション作りに熱中しているので、ランチ作りは免除されて、夕食兼捜索部隊に渡すための携帯食作りを午後から担当することになった。


稽古と称して、リトは勇人とイナリを連れ出して外で遊んでくれていた。





「緊急事態!緊急事態!里の中に侵入者!里の者は皆、図書館の中に入れ!腕が立つものは私と共に住民の避難を支援!」


副隊長さんが叫んで、緊急事態を告げて来たのはちょうどお昼時だった。



「君はもし、建物内に侵入者が現れた場合の護衛として残ってもらう。建物への出入りに気を配ってくれ。」


「その万が一がないことを信じてるよ。俺たちも世話になってる。恩義を受けた分は返すつもりだ。」


「…こちらこそ、ありがとう。」



なんか副隊長さんとリトとで和解した感じかな?




昼食をとる人、ジッとしてられなくて図書館に行く人、お喋りをする人、みんながみんな不安そうな顔をしている。



リトは唯一の出入り口である扉の近くで、行き交う人と会話をしながら周囲を警戒している。


勇人はマリアちゃんと一緒に遊び疲れたのか眠っていた。仰向けで眠りながら、お互いに手を繋いでいる姿は微笑ましい。


気を紛らわすために、2人を見に来る里の人たちも多いくらいだ。



私は広間で女性陣を集めて、住民や捜索部隊に配る食事作り。


あり合わせの食材で作るので、凝った料理は出来ない。住民には身体が温まるように沢山の野菜を煮込んだスープとパンを。捜索部隊向けには、簡単につまめるようにサンドイッチを量産していた。


サラダを種類を変えてパンに挟んでいく。甘いものも好きな人の為に、ベリーやブドの実で作ったジャムやドライフルーツ、バタークリームを挟んだサンドイッチを用意した。



食事を準備して、一息つく。


「まんまー…」


いつのまにか起きた勇人がハイハイで近づいてくるので抱き上げる。


「勇人起きたんだねー。よく寝たね。」


抱き上げるとまだとろんとした顔で、私の胸元に顔を擦り付ける。



「マリア?どこにいるの?」


サーシャさんの声が響く。


「どうしたんですか?マリアちゃん勇人と一緒に寝てたんじゃ…」


「そうよね?寝てたはずなのに居ないの。あの子も活発だから、部屋のどこかにいるんだと思うんだけど。」


それからマリアちゃんの捜索が始まった。といっても、人づてに伝わってみんなが周りを探す形だ。


リトがいるから外には出てない。

けど、私たちがいた広間にはいないので、別の部屋に移動している可能性がある。


階段もあるので危ないとのことで、みんなで手分けして捜索が始まった。

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