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保存食と手作り化粧品

食堂に戻ったら、リトは勇人のトレーニングをすると言って、部屋へと先に戻って行った。


私は必要な器具を持って、イナリとともに食堂の調理場をお借りする。




調理場に着いたら、まず開くのは薬草図鑑。そして、前に講習を受けていた時に追加で借りた本を取り出す。


題名は『生活を豊かにする薬草術と錬金術の融合』。



この本を読んで、どうしても作りたいものがあったので器具や材料を集めていた。



まずは水蒸気蒸留装置を使う。


銅製の鍋に水を注ぎ、付属の銅製の穴の空いた皿を埋め込む。水には浸らない位置で固定し、管付きの蓋をかぶせる。


管の先はバケツ型の銅製の器があって、その中に管がグルグルと配置されている。


管の先はバケツの側面から飛び出す形になっている。その先っぽの管の下に、陶器ビンをセットする。



薬草採取で集めて、部屋の隅で乾燥させた大量のラダンベーを鍋に投入して、そのまま火にかける。


あとは火加減を調節しながら、ラダンベーが蒸留されるのを待つだけだ。



私が作っているのは精油とフローラルウォーター。蒸留された液が、陶器ビンに溜まり、時間が経つと軽いオイルが表面に浮いて来る。


オイルがラダンベーの精油になって、蒸留水がフローラルウォーターになる。



ただ、この蒸留の作業が難しい。このあたりは職人技になるところで、火加減と鍋の圧力によって出来がかなり変わってくる。


錬金術と薬草術の境界は曖昧で、扱うものが薬草になれば薬草術だが、実際は化学や物理、生物の知識が使われている点ではどちらも大差ない。


もっとも、この世界では魔法も存在するし、摩訶不思議な材料も存在するので地球の常識は一部しか通用しないみたいだ。



圧力は今後の課題として、火加減はイナリにお願いをする。流石、火属性魔法を主体とした魔物なだけあって、ものの状態を見ながら最適な火加減がわかるらしい。


私は火属性が皆無なので、非常に有難いし便利な能力だ。


イナリが私の従魔になってから、勇人と遊んだり、リトとトレーニングしたりはしてたけど、私と2人で何かをするのは初めてだ。


それが嬉しいらしく、コンコン歌いながら上機嫌で火加減を調節してくれている。



その間に、別の鍋でポーションやネロリ洗剤の追加生産をする。


まだまだ時間はあるので、追加で購入した調味料を入れるためのコップくらいの大きさの陶器ビンを出す。


底に切ったりんごと水、蜂蜜も少し入れて空間収納の中でも常温の収納場所に入るように収納する。


「ははしゃまはふちぎなことをするでしゅね。」


確かに側から見たら、何をしているのかわからないだろう。



「さっき作ったのは、酵母っていうパンを作る材料になるものだよ。まだ完成してないけど、時間が経てば酵母が出来るから、パン作りに使えると思って。」


実は酵母は作ったことがある。施設で自由にお金を掛けずに出来る趣味として、オーガニックに凝っていた時期があり、パンを手作りしたりもしていたのでその知識を応用したのだ。


いくつか別の果物でも同じものを作って、空間収納にしまう。



買ってきたりんごでジャムも作成。これも出来たら空間収納にイン。


平行してイナリには乾燥(ドライ)の魔法で干物作りをしてもらう。干し椎茸や干しぶどうの量産、ドライトマトも作ってもらう。


そしてトマトや塩、ニンニク等を使って作ったケチャップを作り、卵、酢、油、蜂蜜、塩を使ってマヨネーズを作る。これもオーガニックが趣味の時によく作ったので完璧だ。趣味を極めてよかった。


大量に作る訳にもいかないので、ある程度の量が出来たら終了。



丁度イナリに任せていたラダンベーの精油とフローラルウォーターも出来た。



この出来た精油と、購入した蜜蝋とホホバオイルを混ぜて出来るのが…アロマクリームです!



そう、この世界には化粧品なんて庶民には流通しておらず、貴族が少し使う程度のものなので、お年頃な女子高生の私はかなり気になった。


この街も、温暖だけど少し乾燥しているので非常にお肌がピリピリしていた。


自分の為ももちろんあるんだけど、気にしたのは勇人のお肌。


赤ん坊の肌は弱いので、旅先も過酷な環境になる可能性も考えてクリームが欲しかった。



ないなら作ってしまえってことで、借りてきた本が役に立ったのだ。



乙女心から他の香りのクリームも…と欲張りたくなったけど、優先するのは旅支度なので我慢した。


ちなみにフローラルウォーターもウルル草という薬草をつけて置くと、化粧水に変身する。


薬草術に出会えて良かった。




そうして実験と旅支度を済ませたら、次は晩御飯の準備だ!



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