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冒険者の装備とプレゼント

案内された先にはたくさんの服。


冒険者服も様々で、魔法使いのローブのようなものから、機能的なベストとショートパンツのいかにも冒険者なセットアップ、騎士のような服もあればワンピース型の服もある。


服とは別に、リトにはフード付きの外套も買うように言われてる。


防寒、防塵、防水用の外衣として、冒険者には重宝されている。


元の世界でいうコートのように袖付きもあるが、旅先で寝る時とかにくるまりやすいから、袖なしが主流だそうだ。


私は勇人も抱いてるから、袖なしの方が使い勝手がいいのでみせてもらう。



とにかく初心者なので、豊富な知識のあるナタリーさんに外套選びをサポートしてもらう。


「外套も素材の違いによって本当に無数に機能が分かれてきます。防御力や特殊機能、軽さなど様々な機能を満たそうとすると、お値段が格段にあがるので気を付けてください。滅多に流通してないですが、精霊の加護のついたものなんかは豪邸が買える程高くなります。外套は重宝しますので、可能ならば外套は良いものを買って、あとは冒険者服で機能面を賄う方が選びやすいかもしれません。」


そういってスタスタと歩いていくナタリーさん。私もとことことついていく。


「やうー。」


なんでも触りたがる勇人の手を阻止しながら、目の前に並ぶ外套を見る。


「私のオススメは、カメレオンワームとアイアンワームの糸を織り込んである外套ですね。特筆して1つの機能に優れている訳ではありませんが、カメレオンワームの糸は温度を一定に保つ機能があるので、防熱防寒の両方をもつ汎用性の高い素材です。色もカラフルなので選べますしね。アイアンワームの糸はカメレオンワームの機能を少し強化できるのと、冒険者服では定番で確実に守備力があがるので人気の素材ですね。」


流石プロ。説明がわかりやすい。


もちろんオススメ素材の使われているものを中心に探すことにして、いくつか手に取りながら気にいるものを探していく。


外套の内側にポケットがあるのは使いやすそうだな。リトにフード付きを買うように言われたからフードなしは対象外っと。あんまり目立つ色は避けた方がいいかな?


こちらの人は髪色もカラフルだからか、服の色も種類が豊富だ。日本人な私はどうしても地味な色に惹かれてしまうけど。


あ、この外套いいかも。


色は全体的にオリーブグリーンで私の膝辺りまですっぽり覆える。フード付きで、フードの裾を飾ったり、首の辺りで留めるためについているリボンは青緑色。中にポケットもいくつかあるし、外套の合わせ目をとめる紐も中にも付いているので使いやすそうだ。


「そちらが気に入られたんですか?アイシャが喜びますね。あ、さっきオーダーメイドを依頼した彼女のことです。彼女が作ったものは着心地がいいと評判なんですよ。」


作り手がわかると安心感があるかも。うん、これにしよう。あ、でも…


「あの、これいくらでしょうか?」


あまりにも高いと流石にリトに悪い。まだ服も買わなきゃいけないし。


「カメレオンワームとアイアンワーム糸に、サルザラ綿の布地ですね。リボンはポートパピヨンの粉で染色されてるので、5000リンになります。」


外套だからそれくらいはするのかなー?相場聞いておけばよかった。


「勇人さんの服や他にも服を購入頂けるのであれば、全体的に割引させて頂くことは出来ますよ。」


割引してくれるなら買っちゃってもいいかな?



外套の他にも見せてもらって、何点か購入。


カメレオンワーム糸を使った黒色のタイツ3枚で600リン、普通の長袖の肌着3枚で300リン。


アイアンワーム糸とウォーターシープの毛で出来た膝丈の半袖ネイビーのワンピース。腰に太めの茶色い革ベルトが付いていて、ナイフや道具を収納できる。後ろで紐で縛るタイプのワンピースもたくさんあったけど、着るのが難しそうだったので襟の付いた前に青色のボタンで締めるシャツみたいなタイプのものにした。スカートがふわっとバルーン型。ウォーターシープの毛は防水機能が高くてツルッとした肌触りが気持ちよかった。


型は一緒で素材と色の違うワンピースをもう1着購入。違う部分はスカート部分がオレンジで上が茶色で切り替えがあって、首回りは襟はなくてU字型で胸元にリボンがある。少し胸元が広いのが日本人として気が引けたけど、どれも似たような感じだから諦めました。素材はサンドシープとカッパーコットンで出来ていて、軽くて強度がある。光沢がなめらかな生地だ。



この2着を合わせて3200リン。


合計9,100リン。勇人の分は後日支払いなので除く。


リトにはこれを使いきれって言われて、10枚の銀貨を…つまり10,000リンを渡されてる。


少し余るけど、勇人の分も考えたら赤字なくらいだしいいよね。


もともと制服姿で目立ってたので、お金を払ってからお店でネイビーのワンピースに着替えさせてもらった。


「またいらしてくださいね〜。」


と、ナタリーさんに見送られて店を出る。


リトは買い物が終わって店前で待っててくれたらしく、 店を出るとすぐに姿を発見した。


「お、ちゃんと買えたんだな。」と言って、頭をポンポンされる。なんか扱いがはじめてのお使いを成功させた子供だ。


余ったお金を返そうとすると、余った分は好きなものを買えばいいとのことだ。本気でお父さんに見えてきた。


リトの方は、私のリュックと自分用に大きめのリュック、簡易テントを買ってきたそうだ。今までは1人だったからテントは要らなかったけど、私や勇人もいるからと買ってくれたみたいだ。


本当におんぶに抱っこ状態で申し訳ない。



次は鍛冶屋に到着。武器や防具はここで揃うみたいだ。


まさにRPGの世界みたいに、剣、弓、斧、槍、杖などの武器や鎧、籠手、兜、グローブ、グリーブなどが並んでいる。


街や国を守る兵士なら全身鎧のフルプレートの鎧をつけるみたいだけど、冒険者向けのものは想像よりも軽装だった。鎧といっても簡単な胸当てと肩を守るものがあるようなもので、必要最低限守って、あとは動きやすくといった感じだ。


基本的には旅をするので、全身鎧だと重くて動けない。ときには歩きにくい道も進むので動きやすさの方が必要なのだそうだ。


私用にストーンブルの革で出来た肘当て、膝当て、グローブを購入。


武器は適正検査を受けてからまた買いに来ることになった。



最後に卸市場の一画に到着。


家庭用の調理機器が売ってるお店がたくさんある。


その中でシンシアさんの贔屓にしている露店の前まで来た。お店のご主人にシンシアさんから事情は伝わっているらしく、あらかじめ女性用のナイフを出してくれていた。


「お嬢さんは小柄だから、丈はこのあたりが使いやすいだろう。旅に持っていくんなら、軽くて切りやすいこれなんてどうだ?」


そんな調子でいくつか試し切りもさせてもらって、ナイフもゲット。一緒に私と勇人の分の木のお椀とコップ、スプーンやフォークも購入した。



たくさんの買い物をして、疲れて寝てしまった勇人や荷物を運びながら帰宅。


私が勇人を抱いていたので、荷物はほとんどリトが持ってくれた。男手って確かにありがたい。


食堂に帰ったときにはもう夜だったので、勇人を寝かせてからリトと2人で食事をした。


元の世界と同じような食べ物でも呼び方が違うものもあるので、料理がよくわからない。リトにお任せにして、食べながら食材とその呼び方を学ぶ。


頼んだのは、ゴトンのチーズサラダ、ヒコ豆のスープ、パン、ビックボアのカツレツだ。


ゴトンがおそらくヤギで、言い換えるとヤギ乳のチーズサラダになる。中身はレスの葉、パカの細切り、トトの実のスライスに、チーズと自家製ドレッシングがかかっている。それぞれレタス、パプリカ、トマトと言った具合に若干の原型を残して別の呼び方がされている。


ヒコ豆のスープはヒヨコ豆のスープだ。


ビックボアは魔物で、猪肉ははじめてだったけど、普通に豚肉みたいで美味しかった。


さすがに人気店なだけあって、料理がどれも美味しい。特にお酒を飲む年齢に制限がないらしく、リトはエールと言うビールのようなお酒を美味しそうに飲んでいる。


リトがなんとなく危険な気がするって訳わかんないことを言い出して、私はお酒デビューできずにオランジュースを飲んでいる。普通にオレンジジュースだ。



シンシアさんが勇人の食事も作ってくれたみたいで、お礼を言ってから部屋で勇人にご飯を食べさせた。


リトと交代でシャワーを浴びて、疲れたのですぐに寝ることになった。



ソファで寝ると言うリトを無理矢理引っ張って、今は3人仲良くベットで川の字だ。


昼間に寝巻きを買い忘れてたんだけど、シンシアさんに子供達のお古を私まで頂いて、今は寝巻きでごろんとしている。


「そういえば…」


と言って、リトが鞄をゴソゴソ漁ってから戻ってきた。なんだろうと身体を起こすと、小さな袋が渡された。


「これ、開けてもいいの?」


リトが頷くので中身を開ける。


出てきたのは、小さな腕輪とピアスで、濃い蒼色とエメラルド色の石がついている。


「昼間に話してた鑑定偽装と位置探索の魔石のついたアクセサリーだ。腕輪は勇人用でピアスはゆり用に作ってもらった。」


そう言って眠ってる勇人の腕に腕輪を通す。伸縮性のある金属で出来ているみたいで、嵌めたら勇人の腕にぴったりとフィットした。


「ピアスは俺も同じものをつけてる。位置探索の魔石は同じ魔石を分けると、分けられた石の場所がわかるようになってるんだ。3人とも同じ魔石から作ったものを持ってれば逸れたときにわかりやすいからな。まぁこれからよろしくってことで、俺からのプレゼントだ。」


そう言って、私の手からピアスをとり、顔を近づけて耳につけてくれる。


自分でやると言ったら、アクセサリーは贈り手が相手につけるのが一般的らしくて却下された。顔が近いから、絶対私の顔真っ赤だ。


高校デビューとして痛かったけどピアスの穴開けてて良かった。


つけ終わると、似合ってると微笑むリトさん。

イケメンすぎてヤバいっす。


とにかく全力でお礼を言ってから、幸せな気分で眠りについた。不安がないって言ったら嘘になるけど、リトに会えてこうしてベットで眠れる状態は幸せだなぁと頬を緩ませながら、眠りに落ちた。

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