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俺と美少女の農業ライフは何やら訳ありみたいです  作者: するめ
この世界は何やら訳ありみたいです
12/16

巨大ミミズ

ルイの前に現れたのは、巨大なミミズ!?



そのミミズを前に、ルイは初めて剣を振るう!



農業高校の優等生と美少女の訳あり農業ライフ、

ぜひご覧下さい!

モゴモゴモゴモゴォオオオオオオ


生き物のように蠢く地面


恐らくモンスターか何かだろう


しかもかなりでかい



マリアは小屋の反対側で入浴中


スウは帰った



ーーーーすなわち俺、大ピンチ!!!!



そんなことを考えながらあたふたしていると、、、



ボコォオオオオオオ



ついにその謎の生物が地面から姿を現した


ルイは、土の中からこんにちはしたそのモンスターを、小屋の窓から口をあんぐり開けて眺めている。



そのモンスターは蛇のようにヒョロッと長く、うねうねを体を動かしている。


恐らく体の半分以上はまだ土の中からだろう


上半身部分しか見えていないはずなのに、その影は小屋を覆い尽くすほどに大きい


しばらく見ていると首が疲れるほどに大きい



そして、土の中からやってきたその紫色のうねうねした生物を、ルイはよく知っていた



その生物は、農業をしていれば毎日顔を合わせるだろう


毎朝おはようと挨拶を交わし、今日もありがとうとむしろ感謝すらしている



農業においてはとても有り難い存在であり、


その生物がいる土壌は農業をするのに適していると言われている



そう、その生物の正体は、、、



ーーーミミズだぁあああああああ



つーかでかすぎんだろ!!



そこら辺の大木並みにでけーぞ!!


こんなもんが畑にいたらいくらなんでも畑が死ぬわ!!



しかしその巨大ミミズが、大人しく帰っていくはずもない。



ルイは脇に挿してある剣を握り、覚悟を決めた。


ダッ


そして勢いよく小屋を飛び出す。


剣を腰から抜き、改めてその巨大ミミズと対峙して見ると、



やはりでかい!!



ーーーーいやいやいやむりむりむり



こんな防具も武器も初期装備みてぇなので挑んでったら自殺行為だろ!


初期の卵回収するだけでいいクエストで調子乗ってリオレウス討伐しようとする奴並みに無謀だぞ!


こんなん死ぬだろ!



そうこうしているうちに、巨大ミミズがルイをロックオンする。



正に蛇に睨まれたカエルさながら、美少女を前にした童貞の如く、ビタッと固まるルイ



グァああッ


その巨大ミミズの頭が、ルイを目掛けて襲い掛かる。



ーーークソッ



もうやけだ



どうにでもなれ!!!



ルイは両手で剣を握ると、目を瞑りながら、思いっきり剣を振り下ろす。


ザンッッッッッッ



その空を切り裂く剣の音が辺りに響き、静寂が訪れる。



ーーーどうなった?


俺は死んだ、、、のか?



恐る恐る目を開けると、、、


「!!!」



目の前には、上半身がぶったぎられ、下半身だけとなったミミズがうねうねと動いている



更に驚くべきは、四方を木々に囲まれていたはずが、その一方向、すなわちルイが剣を振るった方向の木々だけ、


かまいたちにでもあったかのように綺麗に斬り倒されている。



「、、、、!!」



その光景を見て、口をパクパクと動かし、言葉にならない表情を浮かべるルイ。


そして自らの手を見る。



ーーーーうそだろ、、、



どんだけ強いんだよ俺!!!



確かにさっきのギガングマとか言うのが出てきた時もスウが、


俺なら余裕に倒せる的なこと言ってたけど、、、



もしかして俺ってめちゃくちゃ最強なのか?



ドゴォオオオオオンッ



状況に理解が追いつかずあたふたしていると、小屋の反対側で音がした。


「!!」



恐らくぶったぎられた上半身が宙を舞い、小屋の反対側へと落ちたのだろう。



ーーーつまりマリアが入浴中の所に落ちたのか、、!


それにルイが気づくか気づかないかのうちに

、甲高い悲鳴が聞こえてくる



「きゃぁあああああああ」


ドゴォオオオオオン


そして間髪入れずにもう一度地鳴り音が!


「!!」



ーーー今のは確実にマリアの悲鳴!!



ミミズは身体を分断されてもこの下半身のように動く、、


と言うことは、あっちに落ちた上半身も動いてるはずだ、、、


マリアは今丸腰の状態、まずい!!



その考えとほぼ同時に、ルイの頭にはある妄想が浮かんだ。



男ならば誰もが思い描く妄想である。



巨大ミミズ、まあ言うなれば触手的な部類に入るモンスター



そして裸の美少女、、、



、、、マンガとかでよくある、主人公が駆けつけると、


「きゃぁ、、、だめぇ、、、」



とか言って触手が絡まってる的な展開になっているんじゃないだろうか、、、


ーーーまさか、、、な



いやでもこの状況は確実にそうなるだろう


もしそうなっていたらどうする?


ま、まぁ助けるしかないよな、、!


多少見えてしまっても許されるだろう、、、


よし、急いで助けなければ、、!!


そんな邪な考えを抱きながら、ルイが小屋の反対側へと駆けつけると、



「!!!」



目の前には、ミミズの上半身がすっかり伸びきって倒れていた。



そしてお風呂から顔を出すマリア


「せっかくルイが作ってくれたお風呂のお湯がこぼれそうだったので、倒しておきました!」


こともなげにそう言うマリア


「そ、そうか、、」


ルイがもう一度巨大ミミズを見ると、頭にでっかいたんこぶを作って目を回している。



恐らく思いっきりげんこつが飛んできたのだろう。



この子はドラゴンをクワでぶった斬るような美少女だったことを忘れていた。


すっかり取り越し苦労か、、、



ハァ、、、


ルイはため息をつく。



それは無事で良かったという安堵のため息か、それとも何かにがっかりしたものなのか、、



その答えは自分自身でも分からなかった。



足元で伸びきった巨大ミミズをぼんやり眺めていると、ルイの頭にある疑問が浮かんだ。


ーーーモンスターは倒すと消えるって言うにはさっき分かったけど、、


こいつみたいに気絶させたらどうなるんだ?


また復活するのか?それとも、、、



ルイはその疑問をマリアに尋ねてみる。



「なぁマリア、倒したモンスターって言うのは、仲間に出来たりもするのか?」



ーーーそう、さっきの火竜やギガングマは確実に留めを刺したが、この巨大ミミズのようにトドメを刺さずに殺せば、手懐けることもできるんじゃないか、、?


そうすれば、かなり生活に役立てられる、


そうルイは考えたのだ。



マリアの返答は、半分は期待通りのものだった。



「仲間にできることはできます。


でもそれには、〝モンスター使い〟の力が


必要になります」


「モンスター使い?」


初めて聞く単語に、ルイは首を傾げる。


「はい。モンスターにはそれぞれ、どういった行動を取れば懐くかという手懐け方があります。

それはモンスターによって、更に言えば同じモンスターでもそのレベルや育った環境によって異なります。


そういった手懐け方を熟知し、モンスターを使って闘う者が〝モンスター使い〟です」


ーーーなるほど、よくゲームのパーティでも1人はいる、モンスターを操れる奴ってことか


そしてマリアは説明を続ける。


「モンスター使いはそれぞれ、モンスターを操るための音色を奏でる道具を持っています。


それは人によって様々ですが、一流のモンスター使いともなると、その音色を奏でるだけでモンスターを手懐けることが可能なようです」


「なるほどな、それじゃあモンスターを仲間にするにはそのモンスター使いが必要って訳か、、」


「そうですね」



ーーー結局八方塞がりか、、、



モンスターを仲間にする方法はあるにはあったが、


身近にモンスター使いなるものがいるはずもない。



さてどうしたものか、、、



ルイが頭を抱えていると、マリアがこんなことを口にする。



「先ほどここにきたアリスは、確かモンスター使いだったと記憶しています」



「!!」



ーーーーまじでか!


それが本当だったらかなりラッキーだな



よし、明日町へ行った時、アリスと話してみるか


徐々にこれからやることが固まってきたぞ!



そうこうしているうちに、マリアはお風呂から上がり、先ほどと同じ洋服に着替える



そしてかまどの火を消し、2人は小屋の中へと入っていった。



そんなこんなで、後は寝るだけ。


夜も更け始め、長い長い1日は、ようやく終わりを迎える。








ーーーと、思いきや



「ルイ!毛布がさっきのギガングマの毛皮しかないので、一緒に寝ましょう!」



「、、、へ?」






ーーー2人の1日は、まだまだ訳ありみたいです






次回、


2人はどのようにして一夜を過ごすのか!


そしてマリアの新たな謎が、、、?


ぜひお楽しみに!

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