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#対象年齢って難しい

 「自作小説用・自主レイティング・マーク(仮)」というサイトによると、私の書いているSFやファンタジーは明らかにPG-12みたいですね。主人公が殺人歴ありだったり、大量出血の殺陣シーンがあったりすると、教育上あんまりよろしくないということなんですかね。この辺は意識していませんでしたが、小さい子供さんもPC触れる世の中なので、考慮すべきなのでしょう。

 精神的ダメージを与えすぎてしまうかもしれないのは、後でトラブルあったときに表示漏れを指摘されてしまうので、なるべくやった方がいいと思い警告表示してあります。PL法みたいなもんですよ。

(※PL法…製品の欠陥が原因で消費者が被害にあったとき、企業側に損害賠償を求めることが出来る法律。この法律の施行後、メーカー各社が注意表示をこと細かく書くようになりました)


 ちょいと前の話なのですが、某アクション小説を読んだときのこと、前書きに「注意」が赤字で書いてあるので、ドキドキしながら読み進めたのですが、思ったより流血激しくないし、倫理的にもおかしくないし、「表示、いらないんじゃないの?」と作者さん側に言ったことがありました。そこのサイトでは未だ(以前よりは大人しくなったようですが)注意表示がしてあります。

 その後、ふと、自分の小説を読み直してみて、「やばい! ウチの小説、あそこの小説よりやばい記述が多すぎる!」と、慌てて注意書きを作成……。銃撃戦バリバリやってるわけじゃないし、人が死ぬシーンも多いわけじゃないんですが、物語の構成が精神的にダメージを与えちゃいそうな予感がひしひしとしてきたのです。

 前述のアクション作家さんに拙作を読んでもらったところ、「かなりやばい」ことが判明。やっぱりね。そうだよね。──私の小説のTOPに燦然と輝く注意書きが定着しました。(「小説家になろう」レイティングチェックによる冒頭注意書き表示のことです)


 書いていると、自分の作品に盲目になって、冷静に判断できなくなってくるんですよね。残酷の境目、エロの境目がわからなくなって、やりたい放題やってしまう。そんで、他人に言われるとはっとする。

 どうしてもわからないときは、複数人に指摘してもらうのが一番かもしれません。自分の作品を一番知っているのは自分でしょうが、その作品の対象年齢を決めるのは、作者ではなく読者かもしれないと思うからです。


 例えば、中高生向けに書いた恋愛だったとして、あまりにもエロ要素が多くなれば、それはPG-12やR-15指定になってしまう。すると、中学生は対象から外れてしまいますね。純朴な恋愛を描く人は今は少ないかもしれませんが、そういったガイドラインから考えると、PG-12にならないためには、ハグやフレンチキス程度で描写をやめなければならなくなります。服脱いだり、ディープキスしたり、自慰行為したらPG-12、その後ベッドイン〜はR-15、更に性描写に重きを置きすぎるとR-18になってしまいますね。

 性教育については、今の日本社会において、正当になされているとはとても思えません。中高生でも簡単にセックスしたり、堕胎したりする人がいる世の中なので、そういうことを描写したい気持ちもわかるのですが、女性は16歳にならないと結婚できないわけですし、結婚して安定的な生活を得るまで子供は設けるべきではないと言う考え方が一般的な世の中で、やたらと性描写を含んだ小説をはびこらせるのはどうかと思われます。思春期の子供にとって、衝撃的過ぎる内容にならないように、そういった描写を含む、又は含む可能性があるのならば、年齢制限の表示はしておいたほうが無難ですね。


 また、残酷描写、反社会的描写についてもそれは同じこと。犯罪が起きるたびに、『犯人の自宅には猟奇的な小説や漫画、ゲームソフトが……』という言葉を耳にします。作者側の表現の自由を守るためにも、年齢制限表示はしっかりしておかないと、作品のせいで事件が起きたなどというひん曲がった報道が簡単になされてしまうわけです。


 私もそういった表示に関しては最近になって関心を持ち始めたので偉いことは言えないのですが、必ずしも、作者側の意図した読者層が作品に触れるとは限らない世の中なんですよ。

 18禁の本をコッソリ読んでしまう男子高生の気持ちがわからないわけじゃないんです。あの背徳感がたまらない刺激で、そんで、ついつい読んじゃうんですよね。書店の18禁のコーナーにある成人雑誌なんかは、思い切り「成人向け」表示がしてあって、それを誰にもバレないように隠れて読んだことある人、多いんじゃないでしょうか。堂々とエロ本を買えたり、エロビデオをレンタルできるような年になっても、レジを通さないと買えないという難関を潜り抜けないと自宅に持ち帰られない、あの瞬間が重圧になって刺激を加速するんだ、と言う人もいるかもしれない。

 ところが、WEBや携帯では、保護者が規制をかけないと何でもかんでも見れてしまって、そういう緊張感や背徳感が極度に薄れてしまうんですよ。

 今になって、フィルターがどうの、規制がどうの言ってますが、そうやって何でもかんでも縛るだけがいいということも言えない。しかも、規制するはずの親側の認識がまだまだ薄くて、「フィルタリングって何」っていう人がいるくらいなんだから、あとはサイトや作者側で注意表示をしていくしかないのかもしれないなぁと思うんです。


 ちなみに、私のサイトFantastic Cafeは、フィルタリング通すと、表示のお断り画面になります。(参考:キッズgoo)かろうじてTOPとABOUT、MAILは表示できますが、NOVELは駄目ですね。イラストも規制かかって表示されない。キッズgooでは、小さな子供にとって有益でないサイトと判断されてしまいました。元々子供向けだとは思っていないので、ちょっと凹みますが、うさぎロケットの本文だけは何とか表示されるみたいなので、よしってことで。

 ではこの、「小説家になろう」はどうかというと、キッズgooでは表示できませんでした。残念ながら、小さなお子様にはお見せできないようですね。一つ一つの作品がどうかということは、キッズgoo表示だけでは判断できませんが、自分の倫理観と社会の倫理観のズレは常に認識しておく必要があるかも知れません。



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