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#曖昧なオリジナリティ

 私は自分が天才だ何て思わない。当たり前だけど。

 だから、自分の中のオリジナリティの部分が他人とかぶっていても、別におかしいとも思わない。


 100%のオリジナリティなんて、実はこの世には存在しない。何かを参考にしたり、ヒントにしたりして、少しずつ物語やら作品に変えているはず。絶対的なオリジナリティを持っているのは、神としか言いようがない。人間ならばどうしても、自らの体験や知識を元に創作しているはずであるのだから、その元ネタが一緒だったり、同じことを経験したりすれば、やっぱり、似通った文章や作品が出てくるのは仕方がないことだと思う。

 例えば、私のコラムだかエッセイだか散文だかわからないこの代物は、あちこちのマナーサイトや痛いサイト、痛い創作者を目の当たりにし、「これではうまぐながんべ」と書き出したもの。同じことを考えている人が少なからずいるだろうということは、よくわかっているし、目にしたサイトにも同じような見解が目立つ。

 しかしながら、私はそこに自分の考えを入れることでこのエッセイを確立させようとしてきた。

 本当に自分が感じたことを、文章にまとめるということは案外難しい。書いているうちに、「あれ、何が書きたかったんだっけ」と、何度も削除や修正を重ねているのだ。推敲の結果が、他人の受け売りだといわれても、私の読んできた物がその感想を書いた人と同じようなものだったとしたら、それは「パクリだ」と思われても仕方がない。


 完璧な人間なんていない。所詮、何かに流され、何かに感動し、感銘して創作している。

 ありきたりのものにどう肉付けするかでその人のオリジナリティが発揮できるのだと私は思うが、ゼロからオリジナリティを発掘するのが当然だという考えの人がいたら、私は太刀打ちできない。いや、私どころか、この世の中の殆どの人間はオリジナリティの定義を失うだろう。


 そもそも、生まれてきてからずっと、何かに影響され続けているのが人間ではないか。全てが誰かからの受け売りで、誰かから教わったり、誰かがやっているのを見かけたり。

 何にも知らないところから何かを生み出すなんてことは、人間どころか、どの生物にだって出来やしない。知らず知らずやってのけているのは、遺伝子がそうさせているから、という部分だってあるくらいだ。その遺伝子はというと、結局は親から引き継がれたもの。つまり、ゼロから何かを始めているわけじゃない。自分の前には必ず何か道しるべになるものがあって、その上で自分や自分の考えが存在しているのだ。


 私が書いているしちめんどくさそうな文章は、決して高等教育や教本などから得たわけではないことを、更に追加しておく必要がある。私は普通高卒で、高等な教育なんて受けたことはない。文学部出身者なんかからしたら屁が出るほど、文学の知識もない。

 学生時代、読書感想文ほど嫌なものがないくらい、本は嫌いだったし、小説を書き続けている今でも、なかなか文庫本に手が出ない。(単に、金欠だから、とも言う)

 世に小説家志望者なんて腐るほどいるが、私は別にプロを目指しているわけじゃない。公募に出すのは「上手くいけば家計の足しに」くらいの、主婦的感覚によるもので、趣味だから高みを目指しているだけの道楽家だ。


 そうなってくると、大抵の知識はインターネットから入ってくるものに限られてくる。

 だから、私の書いているエッセイの中身が、何かに似通っている、ということは往々にありうる。


 知識の門戸は異常に狭い。やる気も時間も然程ない。

 しかしながら、何とか自分が創作人であり続けようと思ってこれを書き続けているのだから、私はどんな意見を言われても開き直るしかないわけだ。


 誰かに意見するのは簡単なこと。

 オリジナリティがない、誰かのパクリだ?

 ──結構。ならば、脱却するすべを知っているのか。


 本当のオリジナリティとは何か。

 自分だけのアイディアとは何か。

 考えても答えは出まい。


 私も素人だし、趣味の域から出ないんだから、相手を納得させるほどの作品だって、なかなか書けやしない。だけど、努力だけなら出来る。自分が納得できるまで、人目に晒さないぞ、と思って、毎回書いているし、それでもなんやら言われたら必死になって挽回しようと思う向上心はある。

 WEB上で素人が必死に書いたものを、すぐに「○○のパクリですね」という人がいる。発想が似ている、という点だけでパクリ呼ばわりするのは、相手が素人だからだろうか。プロだって盗作疑惑をかけられるような時代だから、素人相手ならば簡単に盗作だと断定してよいのか。

 素人のオリジナリティとは、それほどまでにもろいのか。

 やはり、オリジナリティというものは、プロしか持ち得ないという妄想の信者が潜んでいるということなのか。

 自分という個が確立されなければプロにはなれないが、そのために様々なものを吸収し、模倣していくというのは、どの世界にもあることなのに。


 文章で食ってる人間やすばらしい作品が書けるヤツだけが、立派だなんて思うな。

 そんな権威主義に誰が負けるか。(低学歴者の足掻き)

 素人だって、下手くそだって、書きたいことは書いていいんだ。ちゃんと、筋道立てて論点しっかりしていれば堂々としていていいんだという考えは──、浅はかかもしれないが、支持されてもいいんじゃないだろうか。


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