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83 爆死!死後の世界再び?

俺の名は山口寿明。

色々あって異世界でスライムに生まれ変わって、突然の爆死ENDを迎えた男だ。


うう…気持ち悪い…吐きそう…。一体何が起きたのか…。

確か人間のスパイを捕獲したら、いきなり自爆したんだっけか。

アレに巻き込まれて死んだんだろうか?

と言う事は、今度こそ死後の世界って事になるのだろうか。

お婆ちゃんももう居ないんだし、また釈迦空間に行くというのはないだろう。

しかし目立って選択肢を間違ったわけでもないのに突然爆死ENDとか、昔のエロゲーかよ…。


『死んどらんのじゃよー』

んん?何故か緑色の小さい老婆の声が聞こえるぞ…。

つーかここどこだよ。見た事のない木造の狭い部屋だ。

『事件現場でおぬしが見つかって、儂の実験室に運び込まれたんじゃよー』

あー、あの爆発でも死んでなかったのか、俺。完全にアウトだと思ったけど、丈夫なんだなメタルボディ。

ところで何だか上の方から気配がするんだけど、田端さんは2階に居るんだろうか。


ユサユサ


うおおお地震が!

『地面は揺れとらんのじゃよー。ケースを揺すってるだけじゃよー』

ケース?Caseってこと?ちょっと意味が分かりませんね?

だいたいこの部屋、よく考えたら全面板張りだけど入り口どこにあるんだ?

上か?と思って天井を見上げると、吹き抜けの天井から巨大な緑色の老婆の顔が!!

コワイ!!食われそう!!

『おぬしの体が縮んどったんじゃよー。何があったんじゃよー』

『なんやて!』

めっちゃ上の方に、本来の部屋の天井と思われる物が見える…。

田端さんの頭のサイズからして、今の俺って滅茶苦茶小さくなってないか?

ちいさめの段ボール箱くらいのサイズの箱に余裕を持って収納できるサイズなのでは?

と言う事は、ケースって木箱の事かよ!


『そうだ、街の外で人間のスパイを見つけたんですよ!捕まえたら突然そいつが爆発四散して…』

『勇者じゃよー。追い詰めると爆発四散するって言うといたじゃろ?』

あいつが勇者?!別に光属性っぽいオーラとか無かったぞ!どっちかと言うと確実に闇タイプだ。

単独で魔界に潜入するスパイとか、完全に捨て駒くさいヨゴレじゃねーか。

そんな勇者いるか?

『奴らたまに忍び込んできよるんじゃよー。シェズリーの森からこっちは完全に魔界エリアじゃよ?勇者でもなければ入ってこれるわけ無いんじゃよー』

あー、言われてみればこの辺りって魔族の支配エリアなんだっけ?

ダクエル村が最前線だって言ってたから、そこから更にこんなとこまで進入してきたのか。

そう考えれば、確かに単なる人間では無理があるよな。

RPGで言えば、ソロでラストダンジョン付近まで来れるって事だからな。


『と言う事は、俺は勇者の自爆アタックに巻き込まれて…、助かったって事ですかね?』

『そうみたいじゃよー。爆発音を聞きつけた警備隊が、現場で小さくなったおぬしを見つけたんじゃよー』

爆発であらかたのゲルが吹き飛んだって事か。

コア的な物が無事だったから生きてたのかな。ラッキーだったぜ…。

『勇者の自爆は一種の魔法じゃから、おぬしみたいな魔力体の妖精でも吹き飛ぶんじゃよー。よく生きとったんじゃよー』

よく生きてたって…その言い方からすると奇跡的に助かったっぽいな…。マジでラッキーだったって事か。

『ちなみに周り100メートルくらい消し飛んどるんじゃよ?』

『マジか…。ほんとよく生きてましたね俺…』

フンワリしたイメージだと、500キロ爆弾くらいの威力って事だよな…。

そんなもんに抱きついて爆発されたとか、マジで消滅しててもおかしくないよ。


ちなみに今の俺はゲル容量2リットルくらいの超ミニサイズだ。

100均ショップに売ってるお茶のボトルに収まってしまう程度の大きさだ。

猫以下ハムスター以上くらいの微妙な大きさである。

身長1メートル弱の田端さんが巨人に見える…。

幸いにして濃度は特濃状態だったので、水で希釈すれば10倍くらいは嵩増しできそうだ。

まぁ10倍にしても20リットル程度だから、田端さんより小さい幼児サイズだけどな…。

なんにせよ近接戦能力は激減だ。触手ブレードを作り出すにしても、ゲル量が少なすぎる。

ブレードだけになってしまう。剣型スライムとして誰かに使って貰うとかか…。

ゲル量=魔力量と考えると、不用意に魔法を使うのも不安だ。

魔法使ってる内にゲルを使い切ってしまう、みたいな事になるかも知れない。


戦闘能力は喪失したが、パーフェクトな隠密性を手に入れたと前向きに考えよう。

この大きさで無音移動できるんだから、ほぼ発見されないしな。

この世界に来た頃みたいに、コソコソとスニーキングからの窒息攻撃でゲル容量戻していこっと。

魔法も、テレパシーくらいならあんまり問題ないようだしな。


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