77 選べ!ダクエル村での身の振り方!
俺の名は山口寿明。
色々あって異世界でスライムに生まれ変わって、ダークエルフの鉄砲玉として使われかけている男だ。
『何で俺が入るって話になってるんです?』
都に行く前までは、村人認定すらされてなかったんじゃないのかと思うんだが。
『自分から共に戦っておいて、今更何を言っているの?』
巨乳様に不思議な顔をされた。
あー、勇者テロの撃退に混じったので、参戦の意志アリみたいな認定をされたのか。
『あれは村を助けたい気持ちの発露であって、別に人間とガチ戦争したいぜ!って事では無いんですけど』
『村を助けたいなら同じ事じゃないの?』
ダークエルフ的にはもう先制攻撃受けてるから自衛として反撃するのが当たり前なんだろうな。
俺的にはまだそこまでの郷土愛は育まれていないので、人間共殺して来いや的な事言われても、はい頑張ります!とはならない。なりにくい。
『散々人間共を殺して食っておいて、何を今更…』
うぐぅ。言われてみれば完全に人食い殺人スライムだよな…。
だがそういうツッコミは強引に話題を変えてスルーだ。
『魔都に行く使者って言うのは?そっちはもっと違和感あるんですけど』
そう、第二の選択肢として提示された、使者に付いていくというのは物凄い違和感がある。
何で俺が…?感バリバリだ。
『勇者を生け捕るなんて滅多にない事だから、当人が直接届けた方が良いんでは、という意見があってね』
ほぅ?こっちはなかなか旨い話なのでは?
捕らえた当人が直接行くと言う事は、どう考えても報償的なあれだよね。
レア生き物の勇者を捕獲したボーナスが貰えるんじゃないかと期待していたが、やっときたか。
『じゃあ使者の方でお願いします!』
どう考えても使者一択だろ。褒美欲しすぎるぜ。
『ほぅ、意外だな。あれほどの戦果を上げたのだから、襲撃組に加わると思ったが』
なんで二刀流おじさんの中で俺のキャラ設定がバトルジャンキーみたいになってんのか。
意味が分からないですし。
『では出発は明日だから。準備をしておきなさい』
『はーい』
巨乳様へ元気に返事をしたはいいが、俺準備なんか全く要らんからね。
会議の続きは俺に無関係な内容のようなので、一人で先に退出した。
襲撃の方に参加してたら続きも関係あったんだろうが。
さて、どうせ暇だから森で魔法の練習や狩りでもしようかな。
対勇者戦で、魔法バトルでの殺傷力が低いという問題点が明らかになったからな。
そもそも勇者と戦う前提で魔法覚えた訳じゃないしな。
どっちか言うと生活とか移動とかが楽になればいいね、みたいなノリで覚えたもんだからね。
攻撃性能が低いのは当たり前だ。
だが、当たると死ぬは流石に極端だけど、ある程度破壊力のある魔法が無いと勇者戦はキツかったのも事実。
今後勇者と戦う状況なんかあるのか?と言われると無いと思うんだけども。
当面はダークエルフがいる魔サイドに留まる事を考えると、人間と戦う展開は想像に難くない。
水や風の魔法で破壊的な結果を出す方法を考えておかなければな。
動物狩りをしながら魔法で色々とヘンテコな事を試してみたが、あんまりコレと言って良い結果はなかった。
夜になったので巨乳様の家に帰ろう。
ニョルニョルと巨乳様の家に戻るとドアが閉まっていたので、いれちくりーとドアをノックしてみたが、ドアを開けてくれない。
そして何故か窓には落とし戸が…?
『もしもし巨乳様、何故入れてくれないのですか?』
『いやらしい生き物は入れない!』
『いやらしくないよ。僕は良いスライムだよ』
何度ノックしてもノーリアクションだ。
くそ、寝静まった頃に窓から侵入してやるわ。
そう思ったのだが、落とし戸には鍵かつっかえか何かがしてあって開かない…。
あんまり力入れてグイってやると気付かれそうだし。
くそっ、ナイトおっぱいを堪能しにこの村へ戻ってきたようなモンなのに、この仕打ちは一体!
何処かに侵入できそうな隙間は…!隙間はないのかっ!
『では出発しようか』
『隙…間っ…!ぐすっ…ううっ…おうううっ…』
何という悲しい一夜だったのか。
だが俺は諦めない。
旅の間は野宿だからな。チャンスはいくらでもある。
あと、この旅から帰ったら天井の一部をコッソリ改造して専用出入り口を作ってやるからな。
土日はサウルの息子を見に行くおじさんなので更新は月曜になります。
DQBは3章が終わらないんじゃよ…思ったより長い…




