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57 輝け!閃光の光魔法!

昨日投稿ミスした分と今日分で、2話投稿になります。こっちが今日の分です。

俺の名は山口寿明。

色々あって異世界でスライムに生まれ変わって、遂に念願のテレパシーを習得した男だ。


『簡単お手軽な自発魔法だと光魔法じゃよー。ランプの油代節約になるんじゃよー』

ほぅ、光魔法か。勇者にふさわしい魔法だな。いいね。

『一応ここ魔界の王城じゃから、俺は勇者とか言い出したら即殺されるんじゃよー』

『スライムが勇者な訳ないじゃないですか。だいたい魔族が光魔法って良いんですか?』

『なんで魔族が光魔法駄目なんじゃよー?そんなの気にするのは狂信的な人間共だけじゃよー』

あ、そういうのいいんだ。適当というかフリーだな、魔族。

まぁ光=明かりって解釈なら別に問題ないか。


ではさっそく光魔法を開眼しようじゃないか。

さっきのテレパシーでだいたい魔法のコツは分かった気がする。

『ほな、そこら辺の天井に光の玉を出してみるんじゃよー』

『まかせて!はぁぁ…光魔法キラキラ!』


ボバアッ!


『キアアアアァァーーー!! 目がぁ、目がーー! あああああああーーー!』

天井に光の玉を出す感じで魔法を使ったつもりだったのだが、俺のボディから強烈な閃光が迸ってしまった。

俺には眼球がないので一瞬視界が真っ白になっただけだが、田端さんの目がムスカ状態に!

目を押さえながらゴロゴロと床を転げ回るちっさい緑のお婆ちゃん!

『うわあああ!すいませんすいません!』

甲高い声で「キアアアア!」と叫びながら床を転げ回るマシーンと化してしまった田端さんには何も聞こえてないようだ。

失明とかされてたらどうしよう…。まずい、このままでは老人虐待罪で逮捕されかねん。

インコマンもこのおばあちゃんかなり有名魔法使いだとか言ってたよな。

現代で言うと、黒柳徹子に閃光手榴弾を食らわしたみたいな話だろこれ。

実は発見され次第即殺されるレベルの事故なのでは?!


完全にキョドってオドオドしている俺だったが、当の田端さんはいつの間にか転がりながらゲラゲラ笑っていた。

足の小指を強打したりすると、最初は痛みで「ああああああ!!」ってなるけど、なんだか笑けてきて笑いが止まらなくなるアレだ。

転がりながら「キョキョキョキョキョ」って甲高い声で笑っている。

そしてそれを見ているこっちも笑いそうになってしまう。

『だめだ…加害者が笑っては…ぐ…ブフッ』

甲高い声で笑いながらゴロゴロ転がる緑のお婆ちゃんが妙にツボにハマってしまい、笑いがこらえきれなくなった。


『ひはぁー…はぁー…。いきなり何すんじゃよ!』

ひとしきり笑い狂った後、跳び蹴りを食らいました。

『ほんとすいません。まさかあんな大閃光が発生するとは…』

『おぬし元々魔力濃度がおかしいのに、更に力み返って魔法使うからじゃよー!』

だって魔力を集中しろって言うから…。

『今度は後ろ向いてるから、力を抜いて使うんじゃよー』

田端さんも、さすがに二発目の閃光を食らう気がないらしい。

明かりの魔法なら、背後で光っても分かるしな。もしバルスめいた閃光になっても、背後なら安心だ。


さっきは明かり魔法如きに気合いを入れ過ぎたのが失敗だった。

光が強過ぎて困ることは今し方あったが、弱くて困ることはない。

まずは蛍の光くらい弱々しいのでいいのだ。

出来るだけ気の抜けた感じでフワッと。無音の屁をこくように…。何なら光らなくても良いくらい弱く…。

『んん…ほやぁ…』

パアッ

おお、蛍光灯くらいの明るさの光るバスケットボールが発生した!

そうそう、こう言うので良いんだよ。

めちゃ集中して蛍の光くらいの小さくて弱々しい光を出そうとした結果としてはおかしい気がするが、一旦成功と言うことで。

『成功しとらんのじゃよー。どんだけ出力絞れとらんのじゃよー。まぶし過ぎじゃよー』

ちっ、駄目出しが出たな。

どうやら俺は魔法のパワーセーブが苦手なようだ。そのへんは練習して慣れるしかないだろう。


『これで約束の念話術と簡単な魔法いっこ教え終わったんじゃよー。いまからおぬしの検査じゃよー』

そうだったな。何を調べられるのかは知らないけど、痛くしないでくれれば良いけどな。

『まずはおぬしが言っていた意味不明な単語について説明するんじゃよー。黒柳徹子って誰じゃよー?』

あ、それ聞こえてたんだ。つーかそういう系の説明ですか…。

そうなると、まずは異世界から転生してきたと言うことから説明する必要がありそうだな。

およそ11万字ぐらいの長い話になりそうだぜ…。



『今日はこれで終わりじゃよー。明日また来るんじゃよー』

かなり長い時間、色々と質問されたり、ゲルを採取されたりしたんだが、まだこの検査とやらは続くのか…。

『明日はまた別の魔法を教えるんじゃよー。その代わり色々調べるんじゃよー』

どうせ予定もないし、また新魔法をゲット出来るならいいけどなー。

いや待てよ、今日も最初の切っ掛けは貰ったが、それ以外は大した事は教わってない。

わざわざ教わらなくても、光魔法みたいなノリで自分で色々試してみればいいのではないか?

『それは止めた方が良いんじゃよー。おぬしの場合、周りに被害が出かねんのじゃよー。あと勝手に変なことすると自爆して死にかねんじゃよー』

う、教師より監視役的な方向で監督が必要って事か。

そして確かに、火魔法とか試そうとして爆発四散はしたくない。

『明日はおぬしの好きそうな、戦いに使えそうな魔法を教えるんじゃよー』

『おお、なんか冒険物っぽくなってきた!』

良い感じの餌をちらつかされてしまった。渋ることは読まれていたようだな。

仕方ない、明日もまた魔法を教わりに来ることにしよう。


『ところでこの光はいつ消えるんじゃよー。どれくらい魔力入れたんじゃよ?』

結構前に出現させた光の玉は、依然として煌々と輝いていたのだった。

『…さぁ?メチャ力抜いて使ったんで、たぶんもう消えると思いますけど…』

こういう事になるから、誰かの管理監督が必要だと言うことだな。

これ、もしずっと消えなかったらどうなるんだろう…。

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