47 到着!ダークエルフ村から隣村へ!
俺の名は山口寿明。
色々あって異世界でスライムに生まれ変わって、遂にダークエルフの村から旅立つ男だ。
巨乳様との感動の別れを済ませた俺は、インコマンと分かれて早速旅立つことにした。
族長に見せて貰った地図も何となくは覚えたが、一応パピルスを貰ってザックリと手書きで道順はメモってきたので何とかなるだろう。
ちなみに地図を見せて貰った感じだと、森デカく書かれすぎ。
森の部族だから森を誇張したスケールで書かれている可能性が高い。
なので精度には全く期待できないが、まぁファンタジー地図なんてそんなもんだろう。
測量魔人伊能忠敬みたいなの、いないだろうしな。
日数も予想が付かないが、おそらく結構な長旅になりそうだ。
旅の準備物は…特になし。さっきメモった手書きマップだけだな。
それにしても衣食住考えなくて良いので気楽すぎる。しかも昼夜問わず移動OKだからな。
いい加減な準備で出発しても、何とでもなりすぎるぜ。
犬や子供達に別れを告げようかとも思ったが、犬も留守だったし、子供達も外で遊んでない。
どうせまた戻ってくるしな。別にいいか。
二刀流おじさんにも巨乳様から伝わるだろう。別に今朝普通にブッチしたので気まずいとかではないぞ。
と言う訳で、インコマンに別れを告げて出発する事にした。
【インコマンさん、いろいろありがとうございました。都に尋ねていきますので、またよろしくお願いします】
『道中気を付けてな。都に着いたら、兵士の詰め所に来て私を呼んでくれ。念話術の使える者が詰めているだろう』
【ありがとうございました。ではまたー】
ヒュルヒュルと触手を振って別れの挨拶をし、俺は街道に向かって進み始めた。
【俺、栄光への旅立ち!】
何となく晴れがましい気分だが、ぶっちゃけ別に何がある訳でもないんだよね。
森に囲まれた、立派な獣道みたいな所をヌルヌル進むのみ。
そういえばこの世界って野盗とかいるのかな?
もし居たとしても、人間と誤解されて野盗に襲われたりすることもないだろう。
どちらかというと、猟師に狙われる方があり得るな。いきなり弓で撃たれたりとか。
あと考えられるのは危険なタイプの野生動物だが、今まで森で出会った生き物の類であれば概ね問題ない。
今なら赤カブトですら、正面切って戦って勝てると思うだろうしな。
特に修行とかしてないのに勝手に強くなるとは。スライムって便利な生き物だなぁ。
と言う訳で、次の村に着くまで特に何も起きなかった。
そう、着くまではな。
着くと同時に、半裸で緑色の大男が襲ってくると誰が予想出来ただろうか。
突然、半裸で緑色の大男がオアアアアア!!!って叫びながら道の脇から飛び出てくるんだぞ。
心臓の弱い人なら死んでるタイプのインシデントだからなコレ。
と言う訳で、俺は元来た道を1キロくらい逃げて来た所だ。
それにしても、村が見えてきてホッとしたところで半裸の大男が奇襲してくるとか、この村は一体どうなっているのか。
大男はあまり深追いしてこなかったので良かったが、アイツが必死で追ってきたらかなり怖い。
そういうタイプのホラーなのかと思うくらいだ。
何かまだ遠くの道に大男がウロウロしてるのがちらちら見える…。やだ怖い…。
あいつは村民なんだろうか。それとも山賊的なミュータントか?もしくはレベルの高い変質者?
村人だとしたらこの村はスルーしたい。奴は門番として完全に不適切。
こういう人材を村の顔とも言える門番にアサインするとか、正気とは思えん。
しかし山賊にしては村のすぐそばでソロ活動というのは普通考えにくいしな。
変質者の線はあり得なくもないが、ファンタジー的異世界で変質者か…。イメージ的に決して居て欲しくないな。
山賊的なヤツや変質者なら撃退しておいた方が世の為人の為という気もするけど、SATUGAIした後で実は村人でしたというオチはあんまり気分良くないよね…。
よし、ここは安全策を採ってスルーしておこう。
立ち寄る必要も特にない。縁もゆかりもない、単なるダークエルフ村の隣村だ。
しかも半裸の狂人を門番に仕立て上げるというサイコ村。
わざわざ関わり合いにならなくても良かろう。
俺は道から外れて森の中を進み、サイコ村を迂回することにした。
村の回りの森に第二第三の半裸マンが徘徊していないとも限らない。
出来るだけ音を立てないように注意して、静音モードでヌヌヌヌと進む。
しかしあの半裸マンは一体…。パッと見で2メートルくらいあったし、緑色だったので人間とは思えないが。
ゴブリンとかそういう系列の種族だったんだろうか。
指輪物語とかの正調ファンタジー物に出てくる様な、豚人じゃないタイプのオークとかか?
なろう異世界でのオークは豚タイプが多くて豚肉の代替に食されると聞くが…。グロい話だぜ…。
どうでも良いことを考えながら、サイコ村を迂回して森を進んでいると、川のせせらぎが聞こえてきた。
ジャンプで渡れる程度の川幅だといいなーと思って近寄ると…おお…。
何と全裸の女性が水浴びをして居るではないか!
肌は青色っぽいが、幸い俺はおっぱいがあれば些細なことは無視出来るタイプのクリーチャーだ。
半裸マンの口直しに、ありがたく観賞させていただこう。
なむなむ…。




