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2 転生!スライムになった俺!

俺の名は山口寿明。日課のオネイニーの最中にテクノブレイクを起こして死亡したが、死んだおばあちゃんの功徳により、生まれ変わった男。


…の筈なのだが、気がつくと、そこは緑に溢れた森の中だった。

どういうことだろうか。てっきり、赤ちゃんに生まれ変わって、病院の新生児室や新しいマッマに抱かれたりして気付くのかと思ったのだが。

辺りを見回してみるが、どの方向も木と草しか見えない。

しかも視界が随分と低い。どうやら森の中で横たわっているようだ。

目を擦ろうとしたが、手が動かない。喋ろうにも声が出ない。

んんん?コレは一体どういう事ですかねぇ!?

流石に焦って身を捩った瞬間、「ズルリ」と妙な感触と共に、体が動いた。

今までに感じたことがないような、軟体めいた不気味な感触。

ちょっと待て。いま初めて体が動いたのに、何で辺りを見回せたんだよ。

今、全方向が一気に見えてるよね、俺…。

そろそろと視線を下に下ろすと、そこには鮮やかなライトブルーのゲルが塊になっていた。

これ…何…?

さっきは手を動かそうとしても動かなかったのに、目に映るゲルを動かそうとすると、グニョッとゲルが蠢く。

まさか…このゲルが俺…?

手も脚もない。ライトブルーのゲル状の塊に、俺はなっていたのだった。

【うわあああああああああああああああああああああああ!!!!!!】

俺は声の限り絶叫したつもりだったが、スライムに発声器官は無いせいか、辺りは静かなままだったのだった。

だが頭の中で、とにかく狂ったように叫び続けていた。


何分ほど叫んでいたんだろうか。

発狂寸前だった俺の目(どこが目なのか分からないが、とにかく全周囲が見えてる)の前に、いきなりバッタっぽい虫が飛び込んできた。

【ヒイッ!】

大人になると、何でもない虫が怖くなるのは何故なんだろうね。

反射的に思わず手(ライトブルーのゲル)で叩き落とそうとしたのだが、ゲルの中にバッタがめり込んでしまった。

【うおおおキモいいいい!!!中にバッタ入ったあぁぁぁぁん!!!】

必死で取り出そうとグニョングニョンしてみたところ、バッタはシュワシュワとゲルの中に溶けてしまった。

そして、耳かきに似た軽い快感が、俺の脳(ライトブルーのゲルだが)に走る。

【あっ…なにこれ…ちょっと気持ちいい…】

もし前世の顔があったら、軽くアヘ顔を晒していたかも知れない。なかなか良かったぜ…。

とにかく、今のバッタのおかげで、発狂寸前だった俺は正気を取り戻した。

どうやら、今の俺はスライム的な何かになっているようだ。

釈迦の野郎、転生先間違ってねーか?

クレームを言おうにも釈迦はいないし、完全に森の中で一人ぼっちだ。

それにどうやらこのスライムボディ、声が出ないっぽいしな。

とりあえず、現状を確認しなければならない。

釈迦のミスだろうが何だろうが、おばあちゃんがくれた新しい人?生だ。

疎かにするわけには行かないからな。



まず五感のチェックだ。

まず視覚については問題無さそうだ。視力は生前の1.0より弱い感じだが、視界は360°ぐるりと見えてる。

視野が広がった分、人間の時より優れているような気がする。

次に聴覚。さっきから、森の中の小鳥の音や木々の葉音なんかは普通に聞こえていた。ほぼ人間と同じような感じか。

こちらも360°、全方向サラウンド感覚だ。耳とか目とか、方向に関係しそうな器官、無いからな…。

我ながら、どうやって感じ取っているのか…。

鏡とかがないから全身を見れてないけど、ゲルの中に脳神経が浮かんでる系のビジュアルなんだろうか…。やだ怖い…。

次に嗅覚。これはダメ。何の臭いもしない。森の木々で青臭いんだろうけど、全然分かりませんね。

味覚も無しか? そもそも口がないし、さっきのバッタも気持ちいいだけで味っぽい感じはなかった。

最後に触覚。これはON/OFFが効くような感じだ。意識すれば下に土を感じるけど、意識しないと何も感じない。

温感も鈍いようで、暑いも寒いもほとんど感じないようだった。

全裸|(ゲル状の塊)だけど、とりあえず凍死の心配は無さそうだな。

しかしこの色、ブルーハワイみたいだな…。


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