私は… 孤独
”同レベルで無ければケンカは発生しない”
それはその通りだ。
相手が低レベルだと話が面白くないし、
高レベルだと会話を理解できない
だから、同レベルでなければケンカは発生しない。
昔から言われた事は大抵すぐに覚えられるほど物覚えが良かった。
だから、他人よりも発想が大人びていく事を昔は誇りに思った。
だが、今は後悔している。年齢を重ねるごとに周囲の人とズレていく。高校に上がる頃には教員と話が合うようになった。
同級生の友人もいたが何故ここまでつまらない会話で楽しめるのか理解に苦しんだ。
そんな事が続き愛想笑いの技術が高まった。
いつしか反射的に反応できるようになっていた。
この頃から私は本心を見失った。
いきなり世界は色褪せ、そして生きているのかわからなくなった。
勝手に動く体、勝手に話す口…
”他人の記憶を追体験している”
そんな気分だった
そして徐々に生きている事に勘新が失せた
何故か、笑いがこみ上げる
なん年ぶりに泣いただろう
この瞬間、これまで貯めに貯めた感情が容器の蓋を開けずにかべに穴を開けて一気に飛び出した。
そこからの記憶はない
私は私を捨てて、何処かへ行った。
捨てられた私は漂い歩いた。
友人は泣きながら私の写真に、話しかけている。
私はここだ。
そんな声が聞こえるはずもない。
そんな時だった
友人が思いがけない事を言い出した。
貴方が私達の話が実はつまらないと思っていたのに頑張って隠して私達に合わせてくれてありがとう。
貴方の話はちゃんと計算し尽くされていたからこそ楽しかったよ
彼女が言い終わってから会場がざわついた。
どうやら気がついていたのは彼女だけだったそうだ。
気がつかれている事にかなりびっくりしたけれどこの後、その他の人が取った行動の方がさらに不可解だった。
感謝の言葉
複雑だった
あれは私じゃない
これは私の受け取っていい感謝じゃない
それでも私は貴方に感謝するよ
それは明らかに私の目を見て話していた。
普通、絶対に見える事がない私を見て…
貴方が何を思い、何を感じ、どう願ったのかは低脳の私には全くもって理解できない。でも、だからこそ分かろうとするんだよ。貴方は常に孤独を感じていたかもしれないけどそれは勘違いで優しい貴方がみんな大好きだったんだよ。だから、早く貴方をわかってあげられなくてごめん。あんなになるまで体を壊して…それだけ辛かったんだよね。ごめんなさい
彼女は手を引いて私を抱きしめた。
涙が溢れ、子供のように泣いた。




