朝日
「ハヤノ!!逃げて!!」
「お姉ちゃん!お姉ちゃんを返せ!!」
「ハヤノ!!来ちゃだめ!!」
「ハヤノ・ステラ。お前に姉を救うことはできない。
しかし、1つチャンスをやろう。
わたしの殺し屋となれ。そうして、百人分の血をわたしにもってこい。百人殺した暁に、姉を解放してやろう・・・。
これが契約の印だ。」
グサッ
「あ"ぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
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朝日は平等に、すべてを包み込む
穏やかに朝を迎えた者
甘い一夜を過ごした者
一人悲しく枕を濡らした者
いい夢を見たもの
怖い夢を見たもの・・・・
ハヤノ・ステラのところにも当然
窓から朝日が差し込み、小鳥たちが楽しげに朝を告げた。
「また、あの夢か・・・」
ハヤノは目にかかる朝日を腕で遮り、呟いた。
悪夢はよく見るのだ。
あの日から。
唯一の肉親であった姉を、奪われた日から
あのときの記憶が夢として蘇ってくる。
「あ、痛てて。」
泣いていたようである。
その証拠に、片方の目から涙、もう片方からは血が出ていた。
ハヤノは薬と、眼帯を探した。
見つけた薬を目に塗り、眼帯をした。
カーテンを開けると澄みきった青空。
ハヤノはひとつ息を吐く。
今日もまた1日が始まったのだ。