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第九十五回

つらつら思うに、なぜ自分がこんなことに悩まねばならないのか…それが直助には腹立たしかった。とんだ恋をした…と思えた。

「直さん、飯はもう食べたんかいな?」

「んっ? ああ…残りもんで、軽う…」

「ひとり暮らしやと、台所だいどこのほうが大変やろなあ」

「しゃあないがな…。縁遠いんやさかいな、ははは…」

 直助は痛いところを突かれ、苦笑するしかなかった。

「直さんほどの男を、よう女も放っといたなあ。見てくれは今一やけど、ええ男やのに」

「褒めてんのかいな?」

 またまた苦笑するしかない直助である。それより、早智子に似た幽霊が、ふたたび今夜、登場するかである。他人が隣にいては出辛いと思えるし、その可能性も低いように考えられる。だいいち、直助が見た、と思っている幽霊は、彼自身の幻覚、幻想から生まれた夢のようなものかも知れないのだ。そうだとすれば、散々に吹聴した挙句が…と、笑い話にもならない。皆に申し訳がなくなる。

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