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第九十三回

 秋も深まっているせいか夕闇が思ったより早く迫っていた。一端は店へ帰っていった勢一つぁんが、ふたたび直助の文照堂に顔を出したのは七時頃だった。和田倉商事から帰って店を開けた直助だったが、客は予想どおりなかった。いつも現われ、エロ本を隠れるようにコッソリと、しかも素早く買って帰る高校生も、たぶん来たに違いないのだが、店が閉まっていて、ガックリと肩を落として帰っていったことだろう…と想像がつく。ある種、小気味よく思えたが、その半面、気の毒にも思えた。そんなことより、気掛かりなのは山本の顔色の蒼さだった。今朝まで余り眠れなかったのだろうが…とは思うが、別れる前、最後の情報を伝えた口調が凍りついていたのが思い返された。━ 以前の住所は…と思って調べてみましたら、それが分からないんですよ。といいますのは、住所録の溝上早智子さんのところだけが消えてましてね。それも削除された痕跡もなく、最初から空白だったような状態で空きスペースになっておりまして… ━ そう言った山本の顔が蒼かったのだ。

「かなり日が短くなったみたいやなあ。さて、どこに寝よ?」

「布団はあるで、そないな心配はええがな。どこでも寝て。それより、情報が分からんのでは、調べようもないし困ったこっちゃ」

「そやな…。山本さんも気の毒なことや」

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