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第九十回

「…倉田です」と、小声で細々と遠慮ぎみな勢一つぁんである。

「山本と申します…。ところで坪倉さん、昨日の電話の後、私なりに調べてみたんです。…そこまではお話ししましたよね? …で、ますます不可解なことが分かってきまして、私ね、今も実は怖ろしい気分なんですよ」

「…と、いいますと?」

「彼女に給料が振り込まれているという異常な事態なんです。存在していない社員に給料が振り込まれる。…これはもう、怖ろしいという以上に経理上、社内の大きな問題でもありますしね…」

「そんな馬鹿な!!」

 直助はやや声を強めて言い、二人は思わず笑った。

「いや、笑いごとじゃないんです、ほんとに…」

 山本の顔色には出鱈目ではない真剣さが漂っている。二人は真顔に戻った。

「今朝、さっそく経理の者と調べ直したんですがね…」

 固唾かたずを飲む二人は、山本に食い入るような眼差しを向けた。

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