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第八十九回

辺りは長閑のどかな晩秋だが、直助の精神構造は、かなり危うい状況へと追い込まれていた。

 二人が連れだって出たのは昼過ぎだった。もちろん、直助の閃きどおり、昼飯は確保できたし、いつもより鱈腹食ったお蔭で、どちらかといえばウツラウツラしたい心地なのだ。満腹感は最近、味わったことがない直助だが、敏江さんの太っ腹には頭が下がる思いだった。

 和田倉商事へ入り、受付で山本を呼んでもらうと、二人はロビーで待った。隣の勢一つぁんは、馴れない堅苦しさからかソワソワと落ちつきがない。とがめることも出来ず、じっと下を見ておし黙ったところへ山本が急ぎ足で現れた。社内食堂から下りてきたと言う。直助だけだと思っていたのが、もう一人いるので少し驚きぎみに、「あっ、昨日はどうも…」とだけ言って、山本はソファーの対面へドッカと座った。長机を挟んで二脚の椅子とソファーが一脚の応接四点セットがロビーの一隅を占めているのだが、八田にはどうも不釣り合いの場所に思え、馴染めなかった。

「あのう…こちらは?」

「えっ? ああ…隣りの倉田さんです」

 倉田などと苗字で言ったことなど直助の憶えているかぎり記憶になかった。言われた勢一つぁんも社内の雰囲気に押され、まったく要領を得ない。

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