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第八十八回

それでもこの繰り返しが日々、行われているのだ。ある種、凄まじい商いに対する執念だと直助には思えた。

「どないやった?」

 開口一番、戻った勢一つぁんの口から漏れ出たのは、やはり先ほどの幽霊の一件である。勢一つぁんも電話の結果が気にかかっていたらしい。

「昼から寄ってくれ、うてたわ…」

 ふ~ん、と頷いた勢一つぁんは、採れた野菜類を水洗い場へと運ぶ。それらをジャブジャブ洗いながら、「わいも、ついていくでな」と振り向いて言う。「それは、ええけど…」と了解した直助だが、本心は頼みたい気分なのだ。一人だと、どうも心許こころもとなかった。上手くしたもんだ。これで昼も空腹にさいなまれることはなさそうだ…と、直助の打算的な想いが俊敏に感応した。すでに十一時近くになっていた。もう敏江さんは昼飯の準備をしている。勢一つぁんは洗った野菜を丁寧に拭いて店頭へ並べている。直助ただ一人、することもなく朴訥に居間で座っていた。客が気にかかるほど文照堂は客が来ないし、そちらの心配は皆無だ。それに、店のシャッターは閉ざしてある。日銭は当てに出来ないが、開けて客を待っていたところで、せいぜい数人だろう。幽霊に惑わされて寝られない方が身に応えた。一刻も早くこの問題を解決しないと身の置きどころがなくなる事態が危惧された。

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