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第七十八回

 八田夫婦はそんなに人は悪くない。しか直助より、ひと回り歳格好も上だから、体力的な衰えは隠せなかった。そんなことで、最近になって朝は九時開店となったらしい。多かれ少なかれ客足はほとんどなく、余り変わらないから大勢に影響ないのが実情だったが…。

 六時を少し回った頃、敏江さんが動き出した。直助は眠ったふりを続けている。熟睡したから、一度目覚めると、もう眠れなかった。勢一つぁんのいびきは相変わらず、けたたましい。これに耐えてきた敏江さんは流石だが、直助自身も熟睡していた自分自身を思うと、よほど疲れていたんだな…と思える。勢一つぁんが裏庭で飼っている鶏のコケ子は、ようやく卵を産むようになり彼を喜ばせている。飼い犬の権太ゴンタが老いて死んだあと、どういう訳か彼は次の犬を求めず、鶏を飼った。直助は、この経緯いきさつを知らないが、世話するのが結構、大変だろう…とは思えた。餌のドッグフードだけで済む犬とは違うからだ。しかし、散歩の要はなくなるから、まあ世話の頻度は痛し痒しか…とも思えた。雄鶏ではないから早朝の鶏鳴は期待出来ないが、その分、安眠を妨害されることもない。ただ、難点は独特の異臭である。直助が毛布を覆って寝ているところへも、土間伝いにその臭いが伝わった。馴れてしまえば、そうでもないのだろうが、直助の鼻は、ある種、敏感になっていた。

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