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第七十六回

 同情と慰めを含めた小声で、勢一つぁんが、か細く言った。そして付け加えて心配げな顔で、「直さん、こんなことうたらなんやけど、どっか具合悪いのと違うか? いっぺん医者に診てもろたらどないや?」と窺う。直助はそれには答えず、黙した。そう言われてみれば、体調の悪さから幻覚を見た、とも考えられるのだ。内心へは、決してそんなことはない…と言い聞かせるが、あながち可能性がなくもない。

「とにかく、今晩は頼んまっさ」

 そうとだけ頭を下げて答え、直助は医者へ行ってみるか…とマジに思った。いつの間にか、勢一つぁんの斜め後ろへ従うように座った敏江さんの表情も、どこか曇っている。

「お父ちゃん、ここで寝てもろたら?」

 勢一つぁんに小声で囁く敏江さんは、早くも昼間の麻雀卓となった櫓炬燵を隅へ押しやろうとしている。それにしても今日一日、めまぐるしく色々あったな…と直助は、ふと思った。いつもの一ヶ月分は動いたような気分だった。ともかく、家へは帰らずに済みそうである。安心すると俄かに疲労感が襲って、直助は眠くなった。障子へもたれかかり、ウツラウツラする。

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