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第六十回

「そうですか。では、なにぶんよろしくお願い致します。えぇと、電話番号を…」

「あっ、これに…」

 直助は差し出されたもう一枚の名刺の裏へ店の電話番号を記した。半日を潰したが、すべて徒労に終わってしまったのか…いや、この妙な出来事の糸口はつかめたとも考えられるから、無駄だった、とも言い切れない。直助は店への帰路で、そう思った。

 大通りを抜け、和田倉商事のある繁華街から遠ざかるにつれ、先ほどまで晴れていた青空は消え、全店が灰色の雲に覆われつつあった。その雲の動きも、妙なことに実に速いのだ。こういった現象は気象として考えれば前線が通過するとか、あるいは台風が接近しているとか、そういったことでよくあるのだが、朝、勢一つぁんの家を訪ねる前、テレビが報じた天気予報では、この辺り一帯は、確か一日中晴れると言っていた…そんな記憶が直助の脳裡に残っていた。だから、どうも腑に落ちないのだ。上空を眺め、首をかしげながらも直助は店へと急いだ。

 自転車を止め、店へ入った途端、ザァーっと勢いよくシャワーのような雨が来た。そのザザザーとだれる音の中に雷鳴がとどろき、雨脚は一層、激しさを増した。

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