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第五十五回

怪しまれないために一張羅の背広を着て、髪も整えてきた直助だ。別に見栄を張って社内を闊歩するつもりは毛頭ないが、早智子のことを訊き出すとなると、やはり相応の服装が必要と思われた。地下一階、地上五階構造の社屋ビルは、この町では随一だ。自動扉を通り過ぎるとエントランスだ。左手前にカウンターがあり、制服姿の受付嬢が二名、穏やかな表情で座っている。直助は一瞬、躊躇したが、それでも意を決してカウンターへと進んでいった。

「あのう…、少しお訊ねしたいことがありまして、寄せて戴いたんですが…」

「はい…、どういったご用件でございましょう?」

「ですから、今言いましたように、少しお訊きしたいことがありまして…」

「はあ…。あのう…誠に申し訳ございませんが、もう少し詳しくお願い致します」

 そう言われると言葉に詰まる直助である。このまま、「ですから、今言いましたように…」「はあ…。で、どういったご用件で…」という繰り返しが永遠に続きそうに思えた。これでは、まるで、茶番劇である。よく見れば、二人とも二十歳はたちそこいらだが今、直助に応対する受付嬢は肉感的で、中年の直助をも、そそる妖気がある。だが直助はひるまなかった。

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