表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/125

第四十七回

「そんなことされる憶えもないしな。二度、三度とおんなじことが起こると、これはもう幾らなんでも気色悪いがな…。ほんでもまあ、別に暮らし向きに困るようなことも起こらんよって、そのままにしといたんや。そのあとは、しばらく忘れとったんやけど、さいぜん話した幽霊らしいのが昨日の夜中にでたと…まあ、そうゆうこっちゃ」

「なるほどなあ~」

 同じように得心した声が、異口同音に三人の口から洩れた。

「ちょっとは信じてもらえたかいな」

「んっ? ちょいとは、な…。そやけど、やっぱしなあ~…」

 勢一つぁんは煙草をくゆらす。鍵熊は煙草をやめたから食い気の方がもっぱらで、茶菓子の煎餅をバリバリと齧る。肉屋の河北は借り物の猫で、控えめに茶を啜るのみである。商店会長の小川文具店はは、眠いのか大欠伸をしている。この瞬間は各自の性分が現出した。

 突然、ガラッ! と表戸が開く音がした。

「珍しいなぁ、お客はんかいなあ」

 敏江さんが暖簾をくぐって店へ行こうとしたとき、反対に入ってきた男がいる。米屋の村川である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ