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第二十八回

そのことが、無性に口惜しかった。それと、ひとつ妙なことが気になっていた。というのは、電話が鳴る少し前、また不気味なカタカタカタ…という金属音のような雑音がしたのだ。この音は無言電話と関係があるのだろうか…と、直助は気になりだしたのである。

 それから、また一週間ばかりが過ぎ、二度あった不可解な電話の呼び出しも、その後は鳴りを潜めたので、直助もいつもの日常に戻りつつあった。相手が話さない限り、どうしようもないし、加えて、肝心の心当たりがまったくない以上、もう忘れるしかなかった。今度また同じようなことが起これば、隣の勢一つぁんにでもそうだんしてみようか…と直助は思っていた。ふたたび執筆の方もはかどり始めたので、気分は少しずつ静まっていった。

「直さん、いやはる?」

 遠慮もなしに入ってきたのは、八百勢の敏江さんだ。

「はい、なにか?」

「あっ! 直さん。ちょっとこれ…うちでこさえたんやけど、うちのが持って行けってゆうもんやから…。余り美味しいない、思うけど…」

 敏江さんの両手に直助が目を凝らすと、小鉢に盛られた肉ジャガが見えた。

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