表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/125

第十七回

「実は…亡くなった父が好きだった蔵書なんです。…生憎あいにく、火事で失くしてしまって…」

「あ~あ、そういうことでしたか。で、火事というのは、どうでしたんですか?」

 標準語は割合すんなり使えている風だが、やはり言葉の随所に関西訛りが割って入る。しかも、つまらないことを訊いてしまった…と、直助は後悔した。

「はい。幸いボヤ程度、といいましても半焼に近かったんですが、書斎とかが駄目になったんです」

「まあ、それくらいで済んでよかったじゃないですか」

 そこまで直助が話を進めたとき、俄かに早智子の表情が陰った。

「いいえ、ちっともよくないんです…」

「えっ?」

 直助は疑問の糸をようやく手繰り寄せようとしていた。俺は本屋より探偵の方が性に合っているのかも知れない…という気もした。故意に声をかけるのも憚られる。全集の引き渡し、代金の支払いは無言で淡々と進んだ。

「… …、余り立ち入ってお訊きするのも、なんなんですが…」

 遠回りだが、思いきって声を挟んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ