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最終回

「たぶん、ない筈だ…とは直助に分かっている。それでも、まったく怖くはなかった。二人は愛しさのあまり抱擁した。早智子の身体は、まるで粉雪で、その唇もまた、二枚の氷のように冷たく直助には感じられた。ポツリポツリと、寒々とした氷雨が店外の鰻小路に落ち始めていた。

 次の朝は雲一つない快晴だった。暖かな冬の日差しが満ち溢れ、直助の店内にも木洩れ日を投げかけていた。

「直さん! 起きてるかっ!」

 隣りの勢一つぁんが、いつもの無遠慮さで店へ入ってきた。

「なんや、直さん、寝てるがな…」

 直助は店番の椅子に座ったまま、机に突っ伏したまま安らいだ笑顔で眠っているように見えた。机には完成したと思える小説の原稿が綺麗に整頓されて置かれている。

「直さん、起きんかいな!」

 勢一つぁんは直助の肩を揺さぶった。だが、直助の起きる気配はない。それに、幾らかからだの冷たさを勢一つぁんは感じた。直助は、すでに事切れていた。                                                

                                            完



  あとがき


 少し短くなってしまったが、これ以上、筆を進めれば怪談となりそうで、ホラーを描くつもりは毛頭ないから、筆を擱いた次第である。すでに夏場めく昨今、この手の話は老若男女が好むであろうし、冷感を呼び覚まし、節電に寄与するものと堅く信じている。^^ 気楽にお読み戴ければ幸いである。

                                       水本爽涼


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