表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
124/125

第百二十四回

「溝上早智子さんですよね?」

早智子は死んでいると分かっている。それなのに、まったく直助は怖くなかった。その恐怖より恋慕の情が勝っていた。

「…はい、そうです…」

 声に精気はなかったが、確かに早智子の声だった。直助は、なおもゆっくりと早智子の立つ棚の方へと進んでいく。

戸開山とかいやま、行きましたよ。私も…貴女のことが、実は…好きでした」

「えっ!? それは、ほんとでしょうか…」

 その、か細い声が、陰気ながらも幾らか嬉しそうに直助には聞こえた。

「ええ…、お出会いした時から、ずっとでした。今日のように…。もう、遅かったのでしょうか…」

 直助は寂しげに答えた。

「いえ、そのようなことは…」

 直助は早智子から僅か1メートルほどの距離で立ち止まり、早智子の横顔を見た。早智子もまた、フワ~っと浮き上がるように身体を回転し、直助を見た。蒼白い顔に薄暗い電灯の光が射していた。脚は…幸い、暗闇で見えなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ