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第百十回

勢一つぁんが起きだしたあと、タイミングを見計らってそのメモ書きを見せるが、「んっ? ああ、戸開山とかいやまな…」とだけの気の抜けた返事である。一週間も寝泊まって少しも事が進捗しないからか、勢一つぁんには、どこか覇気が感じられなかった。

「あの辺りの山埋さんまいやと思うにゃけどな…」

 勢一つぁんは直助の言葉を虚に受けて、大欠伸をひとつ打った。今日は快晴である。

「いっぺん行ってみよか…」

 ようやく勢一つぁんが重い口を開けたのは、それから十分ほど経った洗顔後だった。

「おかあの顔見てから、また来るわ」

 意味なくニヤリと愛想顔をして、勢一つぁんは八百勢へ戻っていった。さすがに毎度の朝飯用即席ラーメンは飽きがきたようだ。

「そうか…」とだけ応じて出口まで送った直助だが、本当は自分の方から声をかけようと思っていた矢先だったから、覇気の失せた勢一つぁんにしては意外な言葉に思えた。二人の会話は単純この上ないが、これはこれでお互いの意思疎通は十分なっているのだから問題はない。

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