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第百七回

いつの間にか窓ガラスが開け放たれている。昨晩は、すべて施錠して寝たはずだから、このこと自体が妙である。窓から微かに入る朝の冷気で直助は目覚めた。勢一つぁんは直助の隣で例の高鼾いびきである。



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 …私はもう、この世の者ではありません。それはもうお気づきかとは思いますが…。私は、とある所に眠っております。どうか探して頂いて、私を供養して下さい。今では貴方様にお縋りするしか手立てもなく…                                                        

                               溝上早智子



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 と書かれた紙が、微風で揺れている。直助は布団の上で半身を起こすと、その紙を手にした。やはり書かれた文字は暈けたように滲んでいる。読んでいくと、今までは怖さが増幅していったが、少しもそんな恐怖心が襲ってこない。それが自分でも不思議に思えながら最後まで読み終え、深い溜息を吐いた。書かれた内容は、それまでの推測を確固とするもので、早智子は、やはり死んでいた・・ということがはっきりした。布団にふたたび寝そべって、仰臥した形で天井をじっと見る。相変わらず勢一つぁんの高鼾は止めどがない。

 問題は死んでいる早智子の願いをどう成就するかだ。依頼者が死んでいて、その者の依頼を受けた…このこと自体、少なからず妙な話なのだ。他の者へは語れる内容ではない。変人か狂人扱いされるのが落ちである。しかし、死んでいる早智子の所在を知るすべが直助にない以上、やはりこの後もジッと次の連絡を待つ他はない。

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