表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/125

第百六回

「やっぱり消えとった…」

「またかいな…怖いこっちゃで、ほんまに…。そうゆうことて、あるにゃなあ~」

 つい先ほどまでのポジティブ思考はどこへいったのかというほど、勢一つぁんは鬱っぽい声でそう言った。

「そやけど一応、コンタクトはとれたんや。向うに直さんの想いは伝わっとるにゃさかいなあ…」

 気をとり直して勢一つぁんが続ける。

「ああ…それはそうなんやけど」

 湯呑みの酒の冷たさも二、三ヶ月前とは違い、かなり口当たりがよくなった。それをグイッ! と飲み干して、直助は柿の種を頬張る。直接、早智子と対峙出来ない、もどかしさが胸中をよぎる。そうはいっても手立てがない以上、一方的に相手が動くのを待つしかない。

 九時過ぎ、二人は布団にもぐることもなく、そのまま畳の上でいつしか寝息を立てていた。

 そしてまた朝が巡った。卓袱台ちゃぶだいの上には案の定、一枚の紙が置かれている。スゥ~っと闇に紛れ現れ、闇に紛れて去った早智子からのメッセージに違いなかった。白み始めた空が、窓枠から薄みのある光を部屋内に投げ入れている。二人は昨夜の泥酔からまだ醒めやらずにいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ