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第十回

 案の定、早智子は二十数分、棚の前に存在していたが、やがて出ようとした。

「あっ! お客さん!」

 直助は知らないうちに声を発していた。その声が耳に届いたのか、早智子はビタッ! と止まって怪訝な表情で振り返った。

「なにか、お探しですか?」

 少し場都バツが悪く、直助は笑って二の矢を放った。

「…、いえ、ちょっと…」

 か細い掠れ声がして、早智子は遠慮ぎみにそう呟いた。

「棚にない本でしたら、書名だけでも言って貰えれば、お探ししますが…」

 直助は三の矢を放った。

「えっ? ええ…。また来ますから…」

 虫は、かろうじて蜜壺からの脱出に成功した。直助がそれ以上の言葉を持たなかったためである。

その日はそれ以上、何事もなく暮れていった。

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