寂しいリビング
いつも思う
どこからやり直せばいい?
どうしたらあたしはこんな暗い場所で泣かないで済むの
たった一人がいないだけで
あたしは独りになる
あたしを抱きしめて
甘えさせてくれる腕はあるのに
どうしようもなく
孤独
「凄く、寂しい」
雄太が不器用そうに笑う
なんだか泣きそうな歪んだ表情
「会いに、いかないの?」
わざと意地悪な言葉をかける
「行かない」
毅然と雄太は言う
「そうしたら、あいつは困るだろ」
笑う背中にそっと寄り添う
こんなに暖かいのに
こんなに誰かを求めているのに
あたし達は
何も手に入れられない
「なぁ、ずっとこのままかな」
「きっとそうね」
泣きそうな気持ちを押さえる。
いまも、いままでもあたし達は酷く孤独だ
「ずっとずっと、寂しいね」
「…選んだのにな」
「いつも後悔ばっかしてるね」
「手に入らないなら忘れたいか?」
漣のように雄太の言葉が背中から響く
あたしはそっと目を閉じて意識を闇に紛らせる。
「だめだわ」
例え、手に入らなくてもあたしはいつだってあの人が欲しい
あの人しかいらない
求めてるのは、あの人しかいない
「だめだわ」
諦めるとか、忘れるとかじゃなくて
あたしはあの人のものだから
そんな当たり前の事
「知らなければ、こんなに歪むことなかったな」
あたしは思わず笑う
あの人を知らないあたしなんていらない
何にもいらない
「孤独でも、いいの」
愛されたから
これ以上なく
唯、愛された
それ以上は要らない
もう要らない