第一話 交通事故
久しぶりの新作・・・三日で書き上げたので少し話しが雑ですが読んでください。
風を斬って走る君にいつの間にか心奪われていたのは、僕のほうだった。 獅子澤秀二。
走ることが大好きだった。毎日のように走って走って、ある日事故にあった。
俺は自分が大嫌いだった。喧嘩に明け暮れる毎日。拳で自分の価値を保っているつもりでそれがなんにもならない事だと分かっていながらも俺は喧嘩を止められなかった。
そんな俺を変えたのがあの交通事故だった。
いつもの様に夜の街を歩き回って暇つぶしに殴れる相手を探していた。まさにその時。俺の目の前で事故が起こった。
「おいっ、大丈夫か?」
周りを見わたてももう彼女をひいた車はもうどこにもいなかった。そして動き出す奴さえもいない。皆が皆、見てみぬフリをする。
「っんだよ。」
その時の景色はいつも通り明るく綺麗なのに、その場所だけが黒く濁った感じがした。
何かが俺の中で変わった。自分でも解らなかった。だけど気が付いたら救急車を呼んでいた。倒れたままの彼女に意識は無い。
それから、救急車が来たのは事故からおよそ三十分もたった時だった。
「君はご家族か何かかね?」
「いや・・・俺は彼女の事今日初めて知りましたよ。」
病院には俺も着いていった。なぜ自分がそこまでするのか解からなかった。彼女は見知らぬ他人で、アイツ等のように見過ごす事もできたはずだ。
「本当、どうかしてる。」
俺は小さな声で呟いた。
やる事も無くただ黙ってると後ろから男女が入ってきた。彼女の両親だろうか・・・。
「あの、君が理恵を助けてくれたんですか・・・。」
「はぁ、近くにいたんで・・・。」
俺はあいまいに答えるとその二人は急に泣き出した。
「ありがとうございます。ありがとうございます。」
俺は、親が子供のために泣くなんて光景を初めてみた。ベットに横たわる彼女を羨ましいと思った。気付いたら、俺は泣いていた。
「あなた・・・大丈夫?ちょっと?」
自分で止められないな涙なんて初めてだった。
「理恵!」
「理恵!」
次々とたくさんの人が入ってくる。今度も男女の二人組み。さっきより大分若いが良く似ている。彼女はきっと溢れるぐらいに家族の愛情を受けて育ったのだろう。
「理恵・・・なんでこんな時間にランニングなんて・・・。」
なんでだろう・・・この家族、どっかで見たことがある。